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タカラダニ(赤ダニ)の 駆除方法やイエダニとの違いを解説

出典:photoAC


タカラダニは、春から夏にかけてコンクリートやビルの裂け目に発生します。

 

真っ赤な体色はよく目立つため、大量に発生すると気になるでしょう。

 

タカラダニが直接人に害を及ぼす可能性は少ないものの、衣類に付着しアレルギー反応を引き起こすケースもあります。

 

そこで本記事ではタカラダニの特徴や生態、タカラダニが発生しやすい場所について紹介します。

 

タカラダニの被害や駆除方法もあわせて詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

 

タカラダニ(赤ダニ)とは

 

出典:photoAC

 

タカラダニ(赤ダニ)の正式名称はカベアナタカラダニであり、真っ赤な体色を持つダニの一種です。

 

しかしダニにしては体のサイズが大きいことから、どのような虫なのか不安に感じている方もいるでしょう。

 

タカラダニの主な特徴は、次のとおりです。

 

  • 幼虫時に昆虫に寄生
  • 40種類以上存在
  • 別名「赤ダニ」
  • 単為生殖
  • 花粉がエサ

 

タカラダニについて知るため、それぞれの特徴について確認してみてください。

 

幼虫時に昆虫に寄生

 

タカラダニは幼虫のとき、昆虫に寄生して成長します。

 

寄生する昆虫はセミ、アブラムシ、バッタなど日本によくみられる虫たちです。

 

そのためタカラダニを幼虫の段階で駆除するのは非常に難しいでしょう。

 

しかしタカラダニが人間に直接危害を加えたことはなく、成長してからはハダニやカイガラムシなどほかの小さな虫たちを捕食します。

 

タカラダニは40種類以上存在

 

タカラダニには40以上の種が存在しており、それぞれの種ごとに細かな特徴や見た目が異なります。

 

しかし日本で主に生息しているのはアナタカラダニ属に分類される種です。

 

ただし国内にはまだ学名がついていないタカラダニの仲間がいる可能性もあり、今後の研究が待たれます。

 

別名「赤ダニ」

 

タカラダニはその真っ赤な体色から、別名赤ダニと呼ばれています。

 

日本で主に生息するタカラダニの正式名称はカナベアナタカラダニであり、通称がタカラダニ=赤ダニです。

 

タカラダニという一見ポジティブな名前がついたのは、タカラダニが大量に付着したセミを見るとお金持ちになれるという噂話に由来するものです。

 

現在、タカラダニは不快害虫として駆除の対象に分類されています。

 

しかし人間に直接被害を及ぼす存在ではないため、外で見つけたら見守る姿勢も大切です。

 

単為生殖

 

現時点でタカラダニはメスしか発見されておらず、オスは発見されていません。

 

そのため1つの性別のみで繁殖をおこなう単為生殖を特徴としているのではないかと推測されています。

 

単為生殖をするほかの虫にはアブラムシやミジンコ、アリやミツバチなどがあります。

 

しかし現時点で単為生殖は一般的な生殖方法ではなく、タカラダニの珍しい生態といえるでしょう。

 

コンクリートなどについた花粉がエサ

 

タカラダニの主なエサについては、はっきりと調査されていない点も少なくありません。

 

しかし花粉のついたコンクリートや花の上で多く発見されていることから、花粉を主な餌としているのではないかとされています。

 

またタカラダニは、花粉以外にも苔や小さな蚊などを食べているとする報告もあります。

 

そのためタカラダニがエサとするものは、想像以上に多様な可能性もあるでしょう。

 

タカラダニの成長

 

出典:photoAC

 

ここでは、タカラダニの成長過程について幼虫、若虫、成虫の3段階に分けて解説します。

 

タカラダニの生態をより深く理解して、適切な対処をおこないましょう。


?幼虫は卵形

 

卵から誕生した幼虫は小さな卵形をしており、セミ、アブラムシ、バッタなどに寄生して暮らします。

 

寄生している間、寄生主の体液を十分に吸った状態では成虫と変わらない1mm程度のサイズになることも少なくありません。

 

タカラダニは寄生しているときも赤い体色を持ち、寄生主である昆虫を細かく確認すればタカラダニを発見できます。

 

タカラダニの幼虫が誕生する時期は、主に春です。

 

前年に産み付けられた卵が翌年の春に孵化するとされていますが、詳しい生態については不明な部分もあります。

 

若虫(わかむし)

 

タカラダニの幼虫が寄生主から体液を吸い満腹になると、寄生を辞めてそのまま地中に落ちます。

 

その後は脱皮して、若虫と呼ばれる状態になります。

 

若虫の時期には、第1、第2、第3期があり、それぞれで行動が異なります。

 

第1、第3期の若虫は土の中に入り静止状態となるため、屋外で若虫を見かける際は第2期にあるといえるでしょう。

 

若虫は毎年連休明けの5月ごろになると、脱皮して成虫となります。

 

成虫

 

成虫になると、タカラダニはより活発に動き始めます。

 

しかし攻撃的になることはなく、花粉や苔などを食べて暮らします。

 

7月になるとタカラダニは新しく卵を作り、まもなく死ぬとされてきました。

 

そのため7月以降、タカラダニを見かけることは基本的にありません。

 

「タカラダニ」と「イエダニ」違い

 

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タカラダニは、家のなかによく出没するイエダニと混同されることも少なくありません。

 

しかしタカラダニとイエダニは異なる生き物であり、生態は大きく異なります。

 

ここでは活動時期や人への影響から、タカラダニとイエダニの違いを解説します。

 

活動時期

 

タカラダニの活動時期は、5月から7月ごろとされています。

 

7月になるとタカラダニは卵を産み、まもなく死亡します。

 

そのためタカラダニが大量発生していても、7月末ごろには見られなくなるでしょう。

 

一方、イエダニは1年中活動する可能性があります。

 

イエダニの活動時期は6~9月ですが、イエダニはネズミや鳥などに寄生して生活しています。

 

冬にネズミや鳥が家の中に侵入して来た場合、寄生していたイエダニも冬に活動しはじめる可能性があるでしょう。

 

人への影響

 

タカラダニとイエダニはどちらもダニの一種であり、アレルギーの要因となる可能性があります。

 

ダニにアレルギーがある方は、なるべくダニやその死骸と接触しないよう注意しましょう。

 

タカラダニ固有の影響には、赤い体液を触ると湿疹やかゆみが出る点が挙げられます。

 

湿疹やかゆみには個人差がありますが、タカラダニの体液にはなるべく触れないことが重要です。

 

一方、イエダニは動物の血を吸い生活しているため、人間が噛まれる可能性もあります。

 

イエダニに噛まれるとかゆみ、腫れが起こるほか感染症にかかる危険があります。

 

ダニに噛まれたと感じたとき、皮膚に違和感があるときはすぐに病院へ行きましょう。

 

タカラダニの発生場所

 

出典:photoAC

 

タカラダニの発生場所は、主に次のとおりです。

 

  • 春先から夏にかけた乾いた場所
  • 苔や花粉が付着したコンクリート
  • ビル壁の裂け目など外敵のいない場所

 

ここからはタカラダニの発生場所とタカラダニが発生しやすい理由を解説します。

 

春先から夏にかけた乾いた場所

 

タカラダニは春先から夏の時期、乾いた場所にあらわれます。

 

体の特性上、タカラダニは表面がツルツルした場所を歩くことができません。

 

そのため歩きやすく、少し凸凹とした場所にあらわれることが多いでしょう。

 

苔や花粉が付着したコンクリート

 

タカラダニは苔や花粉を主に食べているため、苔や花粉が付着したコンクリートに多く生息しています。

 

とくに暖かい場所を好むことから、日当たりのよいコンクリートや岩場で見かけることは多いでしょう。

 

また花粉や苔があれば基本的にどこにでもあらわれるため、廊下や壁、ベランダなどさまざまな場所で発見されます。

 

ビル壁の裂け目など外敵のいない場所

 

タカラダニはビルの壁の裂け目、ブロック塀の隙間など外敵のいない場所にも好んで現れます。

 

タカラダニの外敵は、クモやアリです。

 

成虫として過ごしている間、タカラダニは外敵が侵入しにくい安全な場所で過ごしながら産卵をおこないます。

 

タカラダニは基本的にはその場にいるのみで無害ですが、隙間から屋内に侵入する可能性もあり注意が必要です。

 

またビル壁やブロック塀の隙間に産卵された場合、翌春に再びタカラダニが発生してしまいます。

 

タカラダニによる被害と注意点

 

出典:photoAC

 

タカラダニが屋内にいることは少ないものの、タカラダニによる被害は起こり得ます。

 

日常のなかで起こりえるタカラダニの代表的な被害は、次のとおりです。

 

  • 体液がアレルギー反応を誘引
  • 赤い体液が衣類に付着
  • 外干ししていた衣類や寝具に付着

 

ここからはそれぞれの詳細と注意点について解説します。

 

体液がアレルギー反応を誘引

 

タカラダニはダニの一種であり、体液に触れるとアレルギー反応が起こることもあります。

 

とくに発疹が起きる可能性は高いため、ダニにアレルギーを持つ方はタカラダニやその体液に触れないようにしましょう。

 

赤い体液が衣類に付着

 

タカラダニは体色と同じく赤い体液を持ち、体液が衣類に付着すると非常に目立ちます。

 

場所を問わずタカラダニを潰すのは避けましょう。

 

ただし外のベンチでタカラダニが大量発生していることに気づかず、そのまま座るケースもあります。

 

また衣類にタカラダニが付着していると、うっかり潰す可能性もあります。

 

外干ししていた衣類や寝具に付着

 

タカラダニが自宅のベランダで大量発生している場合、洗濯物を外に干すことで衣類や寝具にダニが付着する恐れがあります。

 

知らずにタカラダニをそのまま潰すと体液が衣類のみならず家具に付着するケースもあり、被害は大きくなるでしょう。

 

屋外にいるタカラダニの駆除方法

 

出典:photoAC

 

屋外に生息するタカラダニを駆除する主な方法は、次のとおりです。

 

  • 殺虫剤を使用
  • 中性洗剤を使用
  • 水で流す

 

それぞれの方法のメリットとデメリットを確認して、最適な駆除方法を選びましょう。

 

殺虫剤を使用

 

殺虫剤が撒ける庭、ベランダなどのエリアであれば殺虫剤を使用しましょう。

 

ダニ用、もしくは不快害虫用のスプレー式殺虫剤をタカラダニがあらわれたエリアに撒いておきましょう。

 

ただしタカラダニは非常に軽くて小さいため、タカラダニの近くでスプレーを噴射すると風圧で飛んでしまいます。

 

タカラダニがすでに発生している場合、30cm程度離れた場所から噴射しましょう。

 

殺虫剤でタカラダニを駆除したあとは、死骸を潰さないよう掃除機で吸い取ってみてください。

 

中性洗剤を使用

 

公共のスペースにタカラダニが発生しており殺虫剤の使用が難しいときは、影響の少ない中性洗剤を使用しましょう。

 

スプレー式の噴射容器に薄めた中性洗剤を入れて、タカラダニに噴射します。

 

タカラダニの死骸が出たあとは、掃除機で吸い取りましょう。

 

水で流す

 

タカラダニは乾燥した場所を好み、水に弱いことが判明しています。

 

そのためタカラダニがいる場所に水をかければ、一時的に駆除できるでしょう。

 

赤ちゃんやペットがおり、中性洗剤の使用が難しいときには水をかけてみてください。

 

またタカラダニは、表面がツルツルとした場所にはいません。

 

タカラダニが繰り返し発生する場合、廊下や壁の素材をツルツルとしたものに変更することも検討しましょう。

 

屋内にいるタカラダニの駆除方法

 

出典:photoAC

 

タカラダニが屋内にいる場合、より慎重に駆除する必要があります。

 

屋内でタカラダニを駆除する主な方法は、次のとおりです。

 

  • 粘着テープを使用
  • 掃除機で吸引

 

それぞれの細かい手順を確認してみてください。

 

粘着テープを使用

 

タカラダニの数が少ない場合、粘着テープの使用がおすすめです。

 

100均やドラッグストアで販売されている一般的な粘着テープを、タカラダニに貼り付けましょう。

 

ただし強く押し込んでタカラダニを潰すと、床や壁に跡が残る可能性があります。

 

さらに飛び散った体液でかゆみ、湿疹が出ることもあるため潰さないように注意しましょう。

 

掃除機で吸引

 

タカラダニに近寄りたくない方、直接駆除するのが不安な方は掃除機を使用しましょう。

 

掃除機でタカラダニをそのまま吸い込めば、体液が飛び散ることなく駆除できます。

 

タカラダニを掃除機で吸い取った後は、なるべく触れないよう気をつけながらゴミとして処分しましょう。

 

タカラダニの予防方法

 

出典:photoAC

 

タカラダニの発生を予防する主な方法は、次のとおりです。

 

  • 忌避剤入りの殺虫剤を使用
  • ハッカ油を使用
  • 屋外の壁や屋根に防水剤を使用
  • 苔などを取り除く

 

複数の予防方法を組み合わせ、タカラダニの発生を防ぎましょう。

 

忌避剤入りの殺虫剤を使用

 

短時間でタカラダニの数を減らしたい場合は、殺虫剤が有効です。

 

ダニ用の忌避剤が入った殺虫剤を、タカラダニが大量発生しているエリアに使用してみてください。

 

ただし忌避剤がペットや子どもに影響する可能性もあるため、使用するエリアは慎重に決めましょう。

 

ハッカ油を使用

 

殺虫剤の用意が難しい場合、ハッカ油が有効です。

 

タカラダニをはじめとする多くの虫はハッカの香りを好まないため、春ごろに撒いておけば虫の発生を予防できます。

 

ただし殺虫剤よりも効果は低いことから、こまめにハッカ油を撒いておく必要があります。

 

屋外の壁や屋根に防水剤を使用

 

壁や屋根にタカラダニが発生する場合は、防水剤の使用も有効です。

 

ただし防水剤の塗装を知識や経験のない方がおこなうのは難しいため、業者への依頼を検討してみてください。

 

苔などを取り除く

 

タカラダニの大量発生を抑えるためには、エサとなるものを取り除く必要があります。

 

好んでタカラダニが食べる花粉や苔は、掃除をして取り除いておきましょう。

 

とくにコンクリートやブロック塀、石や岩に花粉や苔が付着していると、タカラダニが集まりやすくなります。

 

春が訪れるまえに、花粉や苔は細かいところまで取り除いておきましょう。

 

まとめ

 

出典:photoAC

 

今回はタカラダニの特徴やタカラダニの被害、タカラダニの発生を予防する方法について解説しました。

 

タカラダニの研究にはまだ進んでいない部分も多く、詳しい生態については今後の調査が待たれます。

 

しかし現時点でタカラダニが多く発生し、被害が出ている場合は迅速な駆除を検討してみてください。

 

タカラダニはツルツルとした場所や水を苦手としています。

 

餌となるものをすぐに取り除き、殺虫剤やハッカ油などを使用してタカラダニが好まない場所を作りましょう。

 

※本記事の情報は2024年2月公開時点のものです。

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