お買物探偵団

国境なき医師団に「遺贈寄付」について聞きに行ってきた!

出典:国境なき医師団日本

 

先々週と先週の2回にわたり、「国境なき医師団」への寄付についてご案内してきました。

 

救助のチカラは、仲間が増えるほど大きくなるんだ|マメとトクのひだまり日記(57)「国境なき医師団編」

遺贈寄付で、命のバトンをつなごうニャ!|マメとトクのひだまり日記(58)「国境なき医師団編」

 

戦争や紛争、災害のニュースが世界中から毎日のように飛び込んできます。救助を待つ人たちのもとに急行する国境なき医師団のみなさんと、少しでも連帯できることがあれば……。

 

国境なき医師団について、もっともっと知りたくなってきました。遺贈寄付にも関心が高まりました。私たち自身もそうですが、親とも話しあいたい! 国境なき医師団の日本事務局を訪ね、お話を伺ってきました。

 

国境なき医師団の活動は、民間の寄付で成り立っている

 

日本事務局でご対応くださったのは、遺贈寄付専任スタッフの荻野さんと今尾さん。危険な地域に飛び込んでいく人ばかりでなく、日本の現地の活動を支える仕事をしている人もいるんだそうです。柔和で優しげなお二人に緊張感が一気に緩んでしまいました。

写真提供:国境なき医師団日本(向かって右から荻野さんと今尾さん)

 

──本日はよろしくお願いします。早速ですが国境なき医師団について、詳しく知らない読者も多いと思いますので教えていただけますか。

 

「国境なき医師団(Médecins Sans Frontiéres=MSF)は、民間・非営利の医療・人道援助団体です。紛争や自然災害、貧困などにより危機に直面する人びとに、独立・中立・公平な立場で緊急医療援助を届けています。同時に、現地で目の当たりにした人道危機を社会に訴える『証言活動』も使命としています。1971年にフランスで設立し、1999年には活動の実績が認められノーベル平和賞を受賞しました」

 

──すでに、50年以上の歴史があるのですね。

 

「設立時は13人でしたが、2021年には72の国と地域で約46000人のスタッフが活動しました。日本からも90人が、31の国と地域に派遣されたんですよ」

 

写真提供:国境なき医師団日本

 

──活動のスケールには驚くばかりですが、その活動資金のほとんどを民間の寄付で賄っていると知ってもっと驚きました。

 

「はい。活動資金の9割以上が、個人をはじめとする民間からの寄付に支えられています。これによって資金の独立性を保ち、いかなる権力からの影響も受けず、自らの決定で必要な場所に援助を届けることが可能になります。2021年度の数字ですが、国境なき医師団日本には、393,157人の個人と8,427の企業団体からの寄付が集まり、その総額は111.7億円、総収入の93.7%になっています」

 

──活動するという決定から援助を開始するまでのスピードが早そうですね。

 

「そこが大事なんです。救助を求めている人たちには時間の猶予がありません」

 

感謝と願いを遺志で示す遺贈寄付について必要なこと

 

出典:編集部にて撮影

 

──取り寄せた資料で知ったのですが、国境なき医師団で受け付けている遺贈寄付についてあらためてお聞かせください。

 

「ご存じのように、遺贈とは『遺言』によって遺産の一部またはすべてを相続人以外の人や団体に無償で譲ることです。国境なき医師団へ、大切なご遺産を、医療や人道支援に役立ててほしいとお申し出になる方も増えています」

 

──相続を考えはじめる世代は、残りの人生にどのくらいの財産が必要なのか分からないという不安も抱えています。貴重な財産を「いま」ではなく、自分の「死後」に寄付する遺贈寄付という仕組みは、人生を生き切った感謝と願いを遺志で示せるという点で、素晴らしいプログラムだと思います。ただその一方で、寄付できるのがいつになるか判りません。それは構わないのですか?

 

「まったく問題ありません。遺贈寄付を考えてくださる皆様の気持ちが私たちを支え続けてくれます」

 

──遺贈寄付した遺産は、どのように役立つのでしょうか?

 

「国境なき医師団が世界各地で行う、医療・人道援助活動に責任を持って使用します。活動と財務の透明性と説明責任を重視して、監査法人による厳正な監査を経た財務報告書を含んだ『活動報告書』を毎年度、公開しています。ご安心ください」

 

出典:編集部にて撮影

 

──「よし、自分の財産を国境なき医師団に遺贈寄付しよう」と決めた場合、必要な手続きなどはあるのでしょうか。遺書に書いておくとか?

 

「遺書ではダメなんですよ。法的に有効な遺言書をご用意いただく必要があります。2種類ありまして、全国の公証役場で作成する『公正証書遺言』もしくはご自身で作成する『自筆証書遺言』が必要になります。その遺言書に、財産の一部(もしくはすべて)を国境なき医師団日本に遺贈することを書いていただくことになります」

 

──なるほど。そのような遺言書の作成は未経験という場合が多いと思うのですが、作成についてのアドバイスなどはおねがいできるのでしょうか?

 

「はい。私たちが遺贈寄付専任スタッフとしてお手伝いしています。遺言書の書き方からお手続き上のことまで、何でもお気軽にお問い合わせください」

命のバトンを「つぎの命へ」。遺贈寄付で実現できること

 

──遺贈寄付がどのような活動に役立つのか、もう少し具体的にイメージしたいのですが……。

 

「例えばご寄付いただいた10万円は、栄養失調の子どもたちの治療ができる2,800食の栄養治療食になります。650万円のご寄付をいただくと、病院から離れた場所で助けを求める患者さんを搬送する救急車両1を用意することができます」

 

写真提供:国境なき医師団日本

 

──栄養治療食になったり救急車両になったり被災地を走り回ると想像すると、姿かたちを変えて生き続けていられるような気持ちにもなりますね。本当に命のバトンだと思います。

 

「あくまでも一例として挙げました。寄付されたときに必要とされている物資や活動に必ず役立てるとお約束します」

 

──不動産や有価証券なども遺贈できるのでしょうか?

 

「はい。受け付けております。ただ換価手続が難しい場合や時間がかかると想定される場合は、辞退させていただいております。ご検討の際は、国境なき医師団の遺贈寄付ご相談窓口にまずご相談ください」

 

遺贈寄付された方のインタビューご紹介

 

ここで、遺贈寄付された方のインタビューをひとつご紹介します。国境なき医師団日本が発行するレター<Forward>に紹介された記事からの抜粋になります。

 

「もし人生をやり直すことができたら、医師になってお手伝いしたかった」とおっしゃるのは、昨年、病気でご主人をなくされたTM80歳)さん。

葬儀と遺産相続の手続きを済ませたあと、自分に残った財産は「国境なき医師団」に遺贈しようと決められました。電話をして、パンフレットを送ってもらい、直接担当の方とお話して、仕組みをよく理解したうえで、公正証書遺言を作成されたそうです。

 

写真提供:国境なき医師団日本

 

Q. なぜ「国境なき医師団」をお選びになったのでしょうか。

「私は十代の頃からフランスの文化や歴史に関心があったんですね。フランス革命やマリー・アントワネットについての本を何冊も読みました。どんな困難があっても成し遂げる意志というものに惹かれるんです。だから俳優の岸恵子さんや、すっぱり歌手を辞めた山口百恵さんが好きです。過去にこだわらず、ぶれない人生を貫く人に憧れます。岸さんがフランスに暮らしていた頃、「国境なき医師団」の創設者ベルナール・クシュネル医師にインタビューされたのも強く記憶に残っていました。

もしも私が若くて、頭も良くて、もう一度人生をやり直すことができたら、医師として途上国や紛争地域に行って、救える命を救いたかった ─── そう思っても、実際にそれができないのだから、そのお手伝いをする気持ちで遺贈すればいいんじゃないかなと」

 

遺贈寄付の手続きとサポート体制について

 

出典:編集部にて撮影

 

──さて、最後になりますが遺贈寄付する際の手続きを教えていただけますか?

 

「先ほども申し上げましたが、私たち荻野と今尾が遺贈寄付専門スタッフとしてお手伝いいたします。資料がありますので請求いただき、直接お話するのが分かりやすいと思いますが、遺贈寄付いただくまでの手続きは、大まかですが次のとおりとなります」

 

(ご生前)

1.遺贈の検討を始める(この段階でお問い合わせください)

2.遺言執行者を決めて法的に有効な遺言書を作成する

3.遺言書を保管し、万一の場合の通知人(遺言執行者に連絡する人)を決める

(ご逝去後)

4.通知人が遺言執行者にご逝去を知らせる

5.遺言執行者が遺言を執行する(国境なき医師団へ遺言書の写しを送付)

6.国境なき医師団にて遺贈寄付を受領した後、領収書を送付

ぜひ、国境なき医師団の資料を読んでみてください

 

写真提供:国境なき医師団日本

 

国境なき医師団から取り寄せられる資料には、<国境なき医師団のご紹介><国境なき医師団日本:活動報告書><遺贈/相続財産からの寄付/香典・供花台からの寄付に関するご案内>などがあります。

設立からの歩み、活動内容とデータ、医療支援の最前線で活動するスタッフが語る現地レポートなど、国境なき医師団を深く理解するための最良の資料になっています。

 

どうか手にとって、「助かる命に私たちができること」を考える機会にしていただければうれしく思います。

 

▼国境なき医師団日本は、遺贈寄付を受付ています。お問い合わせ・資料請求はこちらまで。

 

◎国境なき医師団・遺贈寄附ご相談窓口 03-5286-6430(平日10:00~17:00/土日年末年始休)

 

◎国境なき医師団・遺贈寄付資料のご請求は下の画像をタップ!

※「国境なき医師団」公式ページに移動します。

※国境なき医師団日本に遺贈いただいた財産は、相続税の課税対象外となります。

 

提供:特定非営利活動法人国境なき医師団日本

 

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