60代。どうしたら相続税を減らせるのでしょうか?|悩みを解決!(23)
出典:編集部にて作成
ひとは老若男女を問わず、悩みを抱えて生きているものです。その悩みの中には家族や親しい友人には相談しづらくて、一人で抱え込んでしまう悩みがあります。辛くて押しつぶされそうになることもありますよね。
でも、人に話すだけで気持ちが少し軽くなることもあります。カウンセラーは、そんなお悩みに寄り添ってお話を聞きながら、一歩を踏み出すお手伝いをしています。
この「悩みを解決!」シリーズでは、カウンセラーが出会ったお悩みをご紹介します。今回は、サナエール先生に寄せられた相談です。参考になることが一つでもあるとうれしいです。人生は楽しくなきゃネ!
もくじ
【今回のご相談】相続税対策を知っていると知らないでは大きな差があると思い、相続税の節税について教えてほしいというご相談です
■年代:60代 ■性別:女性 ■相談カテゴリ:相続
─── 今回ご紹介するのは、ご両親が亡くなられた友人の相続の話を聞き、そろそろ相続税対策を考えた方がよさそうだが、具体的にはどうしたらよいのか知りたいというお悩みです。
「久しぶりに小学校の同級生と集まる機会がありました。60代になると全然変わっていない人もいれば、誰? と思うくらい変わってしまった人もいて面白いですよね。こちらもそれなりなので、お互い様という感じですが(笑)」
「定年退職して趣味を楽しんでいる人もいるし、まだお仕事で活躍されている人もいるし、お子様がまだ学生だったりする人もいたりして。人生は人それぞれで感慨深いな~なんて思ったりします」
「人それぞれではありますが、この年齢になるとお決まりの共通の話題があります。健康の話、両親の介護や亡くなられた話などです」
「そんな話題の中で、相続の話をしている友人がいました。数年前から基礎控除額が下がったのは知っていたけど、相続税を払うことになるとは思わなかった。都内に不動産を所有していると基礎控除を超えてしまうケースも多いらしい。生命保険で残してくれれば良かったのに。などと話していました」
「それを聞いて我が家の相続はどうなのか心配になってきました。3人の子供たちにできれば沢山残してあげたいと思います。生命保険で残したほうがよいのでしょうか?」
【お答え】相続税の節税対策は、まずは贈与や非課税枠を活用して相続財産を減らすことですね
「相続税、できれば払いたくないと思ってしまいますよね。どうしたら相続税を減らせるのか? まずは相続財産の評価額を下げることです! 相続財産が減れば、課税総額が減って税額も下がります。生前に贈与して現金を減らす方法もありますが、現金を他のカタチにすることで相続財産を減らす方法があります。それが、お友達が話していた生命保険ですね」
「相続人が受け取った生命保険金(死亡保険金)は、一定額が相続税の非課税となります。
『生命保険の非課税枠=500万円×法定相続人の数』です。配偶者とお子様が3人の場合は2,000万円まで非課税となります。現金で持っていたら課税されてしまいますが、2,000万円の生命保険にすることで非課税枠を最大限活用できるようになります」
「例えば、相続財産が1億円の場合の、現金の一部(2,000万円)を活用して生命保険に加入すると相続財産8,000万円となります」
「相続税を計算してみると『生命保険未加入の場合(相続財産1億円)では、相続税262万円』。『現金の一部(2,000万円)を一時払い終身保険に加入した場合(相続財産8,000万円)では、137万円』となり、125万円の軽減となります(記載の相続税額は、相続人が法定相続分に相続した場合の相続人全員の相続税額の合計。税額控除は配偶者の税額軽減のみを適用、万円未満を四捨五入しています)」
「相続財産が基礎控除額『3,000万円+(600万円×法定相続人の数)』以下なら、相続税はかかりません。相続税がかかりそうであれば、事前の対策が大事になりますね。『知っていたら税金を払わずに済んだのに~』と後悔しないよう、専門家に相談して対策を検討されるとよいかと思います」
カウンセラー:サナエール先生
交流会をメインに様々なお悩みに耳を傾けながら多くの出会いをサポートしてきました。 ウェブテストとインタビューで診断するコミュニケーション診断やFP資格を活かしたオンライン相談カウンセラーとして幅広い問題解決アシストをしております。