歯科医が答える! (3)歯周病の症状や原因、治療法
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年齢を重ねると体のほかの部分と同じように、口の中にもさまざまな老化現象が起こります。年齢を重ねるにつれて口の中にはなんらかのトラブルがあるといっても過言ではありません。中でも多いのは歯周病です。歯周病は放っておくと歯を失う原因にもなるもの。そこで歯周病の症状や原因、治療法について歯科医の廣井久美さんにお話しを伺いました。
自分の歯の状態を知ることが予防の第一歩
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歯の摩耗や唾液の分泌量の減少、歯茎のやせやあごや舌の運動機能の低下などによって、年齢を重ねるにつれて口の中は問題を抱えやすくなっています。中でも歯周病に悩む方が多いようですが自身で予防することはできるのでしょうか?
「第1回目の記事でもお話ししましたが、まずご自身の歯の状態を知ることが大切です。詰め物や被せものがあったり、治療してから10年以上経っている歯があれば一度クリニックで見てもらった方がいいでしょう。詰め物と歯との間に段差がある場合、そこがばい菌の隠れる絶好のポイントになってしまうからです」(廣井久美先生・以下同)
歯周病の症状は?
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「歯周病とは、歯周病菌の感染によって歯茎に炎症を起こし、症状が進行すると歯の土台である歯槽骨が溶けて健康な歯が抜けてしまう病気です。虫歯と違って、痛みがないまま病状が進行し重症化してから気づくことも多いので気をつけてください。歯周病は年齢が上がるほど罹患率が上がり、症状が進行(歯肉炎から歯周炎へ)しやすい疾患でもあります」
歯周病の原因
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「歯磨きがきちんとできていないと歯垢(プラーク)という細菌の集まりが歯と歯ぐきの間の溝にたまります。歯周病はこの細菌が繁殖することで起こるもの。歯ぐきから出血しやすくなったり、歯ぐきに腫れや痛みがある場合は、細菌による毒素によって炎症を起こしている可能性もあります」
予防や治療法は?
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「歯周病の原因である歯垢(プラーク)をためない、増やさないことが基本です。そして歯垢(プラーク)を作らないために毎日の歯磨きを丁寧に行い、お口の中を清潔に保ってください。歯垢は取り除かなければ硬くなり、歯石といわれる物質に変化して歯の表面に強固に付着します。歯石になってしまうとブラッシングだけでは取り除くことができないので、歯科衛生士による専門的なクリーニングなどのメインテナンスを定期的に受けましょう」
(先生のプロフィール)
廣井久美先生/奥羽大学歯学部卒業。歯科医師。都内の歯科医院勤務。