平塚・湘南の風と海と太陽が育んだ〝漁港のアヒージョ〟|からだに美味しいお取り寄せ(52)

出典:山大商事
薬膳において、アジは血流をアップして、全身に行き渡らせる優れた効能がある魚。血管を強くして、動脈硬化や高血圧の対策にも役立ちます。また、胃の働きを強めて消化機能をアップするので、食欲不振の改善にもよい食材。さらに、「健脳」という効能があり、認知症予防、脳力アップにも威力を発揮します。
今回は、アジを使った絶品のアヒージョを紹介します。
もくじ
豊かな海の幸が水揚げされる平塚。その魅力を積極的に発信する平塚市漁協

出典:筆者にて作成
四季折々1300種類もの多彩な魚が確認され、国内でも有数な海洋生物の宝庫といわれる相模湾。そのほぼ中央に位置する神奈川県平塚市・平塚漁港では、黒潮の流れを受ける豊饒な漁場で育まれた海の幸が水揚げされています。
平塚の漁業の歴史は古く、16世紀半ばには組織的な漁業が行われ、江戸時代には江戸近郊と相模川流域の物流の拠点として栄えました。いまはアジ・イワシ・サバなどを対象とした定置網漁業、シラス船曳網漁業を中心に、ヒラメ、イセエビを獲る刺し網などが盛んです。
平塚市漁業協同組合では、新鮮な魚をもっと地元の人に食べてもらいたい、平塚の魚の魅力を多くの人々に知ってもらいたいとさまざまな活動を行っています。
地域交流イベントの開催、地魚の積極活用と販売、直営の飲食店兼加工施設「平塚漁港の食堂」の運営、漁業の持続可能性を目指し、稚魚放流や海底耕うん事業など、海を耕し、資源を増やす活動の推進など、その活動は大きな注目を浴びています。
「地どれ魚直売会」は、お客さんに獲れたての魚を、もっとも活きのいい状態で美味しく食べてもらいたいと、大きな「いけす」に入れて、生きたままの状態で販売。話題を呼んで、いけすの前に行列ができる大盛況。賑わいを見せています。

出典:平塚漁協(平塚市漁業協同組合が主催する、地どれ魚直売会。なんと「お魚詰め放題」企画も!)
平塚漁港の食堂は、その日の朝獲れた魚を使った刺身からフライ、煮物、焼き物などバラエティに溢れるメニューが驚くほどの「ボリューム」、なのに「低価格」で提供され、大好評。「平塚漁港の食堂」は県内外から多くの人々が訪れ休日には長蛇の列、平日もほぼ満席という盛況ぶりです。

出典:筆者にて撮影(平塚漁港の食堂。店内は「漁協の食堂」のイメージを覆す、カフェのようなおしゃれな空間)
もうひとつ、平塚市漁協が積極的に行っているのが「コラボレーション」。地元FM局と連携し、漁協自前のキッチンカーを使用した地魚の串揚げ等の中継販売の実施。地元・東海大学教養学部芸術学科とのコラボ企画で平塚市漁協PRキャラクター「ひらつかタマ三郎」も開発されました。

出典:筆者にて撮影(ひらつかタマ三郎。趣味は「川柳」。「大酒飲みで奥さんと娘に逃げられたバツイチ」らしい……)
「ねじりはちまきにサングラス、口ひげはタコ」という微妙な姿がイベントなどで大好評。いまや平塚漁港は「ひらつかタマ三郎漁港」に改名してしまったほど!

出典:平塚市漁協(2016年、平塚市漁協は平塚市と契約して、平塚漁港の命名権(ネーミングライツ)を取得し、ひらつかタマ三郎漁港に。全国的にも漁港の命名権導入は珍しい)
そんな、平塚市漁協が近年取り組んでいるのが「産業間連携事業」。平塚市産業振興課の支援を得た、漁業と農業、加工といった異なる分野の連携による新商品開発を行う、題して「平塚海姫・山彦プロジェクト」です。
平塚港で水揚げされた規格外の低利用魚・未利用魚を活用し、平塚市内の企業とコラボして商品を開発するプロジェクトが2024年からスタート。第1弾は加工業者との連携によって、規格外の魚を使った煮付けやつみれおでんのレトルト「ひらつかタマ三郎の地魚シリーズ」が販売されました。

出典:平塚市漁協(「ひらつかタマ三郎の地魚シリーズ」。煮付け(ゴマサバ)(シイラ)(ワカシ)、つみれおでん(いわし))
平塚は神奈川県内有数の農業地帯でもあります。相模川沿いの肥沃な平地を活かし、米、トマト、キュウリ、小松菜などの施設・露地栽培が盛ん。そのため、第2弾はJA湘南の規格外トマトと、規格外のサバを活用した「トマ鯖カレー」が完成しました。

出典:山大商事(トマ鯖カレー。新鮮なサバの濃厚な旨みと、トマトのさわやかな酸味が絶妙なマッチング)
「平塚の恵み」を「フル活用」した商品は「低利用魚・未利用魚を使った商品とは思えない」と、いずれも大好評!
かくして2025年、第3弾となる商品の開発がスタートしました。
平塚の海と山の恵みがコラボした〝アヒージョ〟を開発
今回、平塚市漁協とタッグを組んだのは、「森丘商会」「ファームビレッジ湘南」「山大商事」の3社。
そして主役となる魚は、平塚で水揚げされた小さなアジとイワシになりました。
平塚のアジは、沿岸に多く分布するシラスやアミエビ類の小型の甲殻類といった豊富な餌を食べて育つためバツグンの美味しさ。黄金に輝く地付きのアジは「金アジ」としてブランド化もされています。

出典:平塚市漁協(平塚の金アジ。脂がのって黄金に輝く)
今回のプロジェクトリーダーである、水産総合商社「森丘商会」・代表社員社長の森丘貴宏さんが「定置網にかかるものの、小型で市場価値が低いアジは、エサ用として安く販売されたり、値段がつかずに廃棄されてしまいます」と説明してくれました。「これらの活用が大きな課題となっていたのです」。
平塚市在住の森丘さんは、魚網メーカー「ニチモウ」で長きにわたり水産業に携わったのち、森丘商会を立ち上げました。これまで培った経験とネットワークを活かし、漁業で地域経済の発展に貢献したいと地元・平塚の水産業の発展にも尽力しています。
「効率的に流通させるためのサイズの問題で、美味しく食べられるにも関わらず日の目を見なかった小型のアジにも、新たな価値を見出すことが必要でした」。
さらに森丘さんが続けます。「農産物も味にそん色はないのに、規格やサイズ、手間の問題で市場に出回らないものがあります。なかなか現場の努力では解決できない課題を、異なる分野が連携、仕組みとして価値を生み出すことができればと考えました」。
そして、平塚の魚に組み合わせる食材として、白羽の矢が立ったのは「オリーブオイル」でした。
湘南地域を本拠地とする「ファームビレッジ湘南」。敷地面積7万5000平方メートル、約3000本のオリーブの木を栽培する関東最大級のオリーブ農園です。

出典:ファームビレッジ湘南(ファームビレッジ湘南のオリーブ農園。富士山や江の島を眺めることのできる、豊かな自然に抱かれたロケーション)
2014年の開園以来、一粒一粒、ていねいに手摘みで収穫したオリーブを使った「湘南オリーブオイル」やオリーブ商品を製造・販売。高品質で貴重な国産オリーブオイルは国際コンテストでも高い評価を得ています。
先日開催された「ジャパン・オリーブオイル・プライズ2026」では「湘南早摘みブレンド」が総合3位に入り、「Best of Japan」と「Best of Blends」にも選ばれました。

出典:ファームビレッジ湘南(湘南オリーブオイル。手摘み収穫、厳選した果実のみ24時間以内に搾油した新鮮で、香りのよいエクストラバージンオリーブオイル)
ファームビレッジ湘南でも「食品ロス」の問題がありました。
「オリーブオイルを瓶詰する際に、味のバランスを保つために使われない『切り落とし』と称されるオイルがあります。まったく品質に問題はないのですが、使われることなく在庫になっていたのです」と森丘さんが説明します。
この「切り落とし」オリーブオイルを使って、何かできないか。検討した結果、「アヒージョ」の加工にチャレンジすることになりました。さらに、形が揃わず規格外とされた「塩漬けオリーブ」を使うことも決定。
加工はプロジェクト第1弾、第2弾にも参加していた平塚市内で高いレトルト技術をもつ「山大商事」が担当。高温高圧殺菌技術を用いた「常温レトルト」で加工することになりました。
結婚式場なども展開する、山大商事のシェフが味付けも担当。アジをオリーブオイルでじっくり煮込み、厳選したにんにく、鷹の爪、タイムなどのハーブを加えて、香りよく完成させました。
パッケージ作業には、平塚市内の福祉事業所の協力も得て、まさに「平塚メイド」な商品が完成。2026年2月、「漁港のアヒージョ」の名前でデビューを果たしました。


出典:山大商事(漁港のアヒージョアジ(上)、イワシ(下)。目を引くおしゃれなパッケージも魅力)
「地域の素材を地域のなかで活かした商品が、できあがりました。地元の価値を地域の外へ広げられたらと思います」と森丘さん。

出典:森丘商会(平塚市役所で行われた「漁港のアヒージョ」発表会。森丘商会・森丘貴宏さん(中央)、湘南ファームビレッジ・薮内宏明さん(左端)、山大商事社長・野原彰二さん(中央左)、平塚市漁協・伏黒哲司さん(右端))

出典:森丘商会(ひらつかタマ三郎も、漁港のアヒージョデビューがうれしそう!)
地元の直売所などで販売するなり大好評。昨年オープンした、湘南エリア初となる道の駅「湘南ちがさき」でも好調な売れ行きをみせています。「これまでアヒージョを食べたことがなかった方も、『オール平塚産』に興味をもって購入してくださることが多いようです」と森丘さんが笑顔で語る。
「規格外でエサ用、廃棄」が信じられない。まろやかでとろける美味しさ
平塚の恵みが凝縮した、漁港のアヒージョをいただいてみました。

出典:筆者にて撮影(漁港のアヒージョ アジ。このままでも、温めても美味しい)
こっくりとオリーブオイルで煮込んだアジは、骨までやわらかくとろけるような味わい。なのに、身の食感はしっかり。ホクホクして「これが小型? これが餌になるなんて信じられない!」ほどの食べ応え。そして豊かな旨みが、まろやかなオリーブオイルとともにうっとりする美味しさです。フレッシュなオリーブの塩漬けも、よいアクセント。
オリーブオイルは雑味がなくピュア、アジもすっきりしたピュアな味わいで「湘南の風」のような軽やかなアヒージョ。ワインが進みそうです(笑)
森丘さんにおすすめの食べ方を訪ねると「オリーブオイルも美味しいのでぜひ、バケットとともに。パスタにしても美味しいですよ」。
たしかにアジの旨みも吸い取った、オリーブオイルは絶品。これは野菜にもしみこませたい、と「血行促進薬膳アヒージョ」にしてみました。
スキレットに漁港のアヒージョを入れて、おなじく血行促進によいパプリカとナスも加えて一緒に煮ます。
温まったアジは、ビストロで提供されるような見事な美味しさ。オイルを吸ったパプリカは、甘みと旨みがいっぱいの仕上がりに。そして、極上のオリーブオイルで、とろとろになったナスの美味しさといったら!

出典:筆者にて撮影(血行促進薬膳アヒージョ。ぜひ汁もバケットでぬぐって召し上がれ)
夏に向けて、美白にうれしい「漁港のアヒージョ薬膳そうめん」も作ってみました。めんつゆをかけたそうめんに、シミ対策に役立つトマト、みょうが、赤タマネギ、アジをのせて、オリーブオイルを回しかけます。
アジの旨みに野菜のさわやかさが加わり、オリーブオイルがまろやかに全体をまとめた冷製パスタのようなそうめんは、なんともすがすがしい味わい。初夏に味わいたい一品です。

出典:筆者にて撮影(漁港のアヒージョ薬膳そうめん。刻んだたっぷりの野菜とともに味わう洋風そうめん)
湘南の風と海と太陽が育んだ、漁港のアヒージョ。ぜひ試してみてくださいね。
■「漁港のアヒージョ」は、山大商事オンラインショップからお取り寄せください。


