つらい頭痛を「食べる痛み止め」で改善~薬膳で頭痛対策その2~
先週に続いて、頭痛改善のための薬膳を紹介します。
中医学では頭痛は頭部の血行が悪くなったり、栄養が不足して起こると考えられています。頭痛には「気巡り不良タイプ」「血巡り不良タイプ」「血不足タイプ」「水分過剰タイプ」と4つのタイプがあります。改善のためには、自分の頭痛のタイプに合った対策をとることが大切です。
今回は「血不足タイプ」「水分過剰タイプ」の頭痛対策を紹介します。
もくじ
栄養不足で痛む「血不足頭痛タイプ」は、イカやホウレンソウが痛み止めに
出典:photoAC
血が不足していることが原因で起きる頭痛です。中医学では痛みについて「不栄則痛(ふえいそくつう)」という言葉があります。血が足りないために栄養が不足し、頭痛を引き起こしているのです。激しく痛むというより、比較的穏やかなシクシクとした痛みで、痛みが断続的、疲れると悪化するといった特徴があります。
また疲れ目、めまいや立ちくらみ、睡眠が浅くやたら夢を見る、手足がしびれるといった不調も見られます。
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痛みを改善するためには、しっかりと血を補う食材を取り入れること。おすすめは、魚介ではイカ、カツオ、マグロ、アナゴが造血パワーの高いシーフードです。
野菜はホウレンソウ、小松菜、ニンジンが血不足頭痛の改善に役立ちます。
そのほか、手軽に取り入れるならプルーン、レーズン、クコの実が血を補う効果が大。おやつなどで小まめに取り入れましょう。
重だるい痛みの「水分過剰頭痛タイプ」は、白身魚や海藻、枝豆で対策を
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水分代謝が悪く、体内に余分な水分がたまることで起きる頭痛です。頭を布で絞めつけられたり、重たい石をのせているような「重だるい」痛みで、雨の日や台風の前に悪化しやすい特徴があります。
過剰な水分のせいで、むくみ、身体が重だるい、やたら眠い、吐き気や食欲不振、下痢、めまいといったトラブルも見られます。
このタイプは、体内の余分な水分を排出する食材を取り入れることが対策になります。
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おすすめは白身魚。水分代謝と関わりの深い臓器「脾」の働きを高め、身体の水はけをよくする優れた作用があります。また、わかめ、昆布、ひじきなどの海藻類も水分代謝のアップに役立ちます。
野菜では枝豆、ソラマメが胃腸の消化吸収能力を高めて、利尿を促す効果大。そのほか、とうもろこし、緑豆もやし・緑豆春雨、冬瓜も体内に滞った水分を尿としてスッキリ排泄してくれる心強い食材です。
「血不足頭痛タイプ」におすすめ薬膳レシピ
出典:筆者にて撮影(イカとホウレンソウのコリアン風丼)
★イカとホウレンソウのコリアン風丼
造血作用が高いイカとホウレンソウを組み合わせた、しっかりと血を補うレシピ。ほどよくピリ辛、とろりとからんだ卵でごはんが美味しくいただけます。上の部分だけでも、いいお酒のつまみになります。
【材料】 2人分
イカ(刺身用) 100g
ホウレンソウ 1/2株
卵 2個
A(コチュジャン 大さじ1/2、しょうゆ大さじ1、酢 少々、にんにくのすりおろし少々)
白すりごま 適量
ごはん 丼2杯分
【作り方】
①鍋に湯をわかし、ホウレンソウを入れてゆで、水にとって冷まし水気をしぼって食べやすく切る。
②ボウルにイカ、①、Aを入れて混ぜる。
③ごはんを丼に盛り、②の半量、卵の黄身をのせて白ごまをふる。
「水分過剰頭痛タイプ」におすすめの薬膳レシピ
出典:筆者にて撮影(白身魚のわかめ蒸し ごまポン酢風味)
★白身魚のわかめ蒸し ごまポン酢風味
水分代謝をアップする白身魚、わかめ、枝豆を組み合わせたレシピ。淡白な白身魚とわかめが、ごま油+ポン酢しょうゆで風味豊かに味わえます。
【材料】2人分
白身魚(タラ) 2尾
乾燥わかめ 10g
しょうが 1/2かけ
ゆで枝豆 20粒
酒 大さじ2
A(ぽん酢しょうゆ・ごま油 各大さじ2)
【作り方】
①白身魚に塩をして10分ほどおき、水気をふきとる。乾燥わかめは、水で戻す。しょうがは皮をむいて、みじん切りにする。
②フライパンにわかめを敷いて、しょうがを散らす。
③②にこしょうをふった白身魚をのせて酒をふり、蓋をして弱火で5分程度蒸し焼きにする。
④③に火が通ったら、器に盛り混ぜ合わせたAをかけて、ゆで枝豆を散らす。
次回は、「爪のトラブル」改善におすすめの薬膳情報とレシピをお届けします。
2月15日(火)の配信予定です。