お買物探偵団

池田陽子の〝なつめサバ〟日本初!なつめ、麹甘酒入り薬膳サバ缶|からだに美味しいお取り寄せ(41)

出典:ゆる薬膳。ファクトリー

 

今回は、薬膳アテンダントとして活動する筆者・池田陽子が開発した、なつめを使った「薬膳サバ缶」をご紹介します。

 

薬膳料理で多く使われる、なつめ。クロウメモドキ科の落葉高木でりんごのような実をつけます。中医学では乾燥したものが「大棗」(たいそう)という生薬として、使われています。

 

人間にとって重要なエネルギーである「気」を補う効果が高く、滋養強壮、疲労回復、免疫力アップに威力を発揮します。花粉症対策にもおすすめです。

 

また栄養成分である「血」を補う効果も大。血は全身に流れて体のすみずみにまで栄養を与える液体と考えます。また、血は女性の要とされているため、とくになつめは女性の美容と健康によいとされています。婦人科系トラブル、美肌、アンチエイジングにも役立ち、中国では「なつめを1日3個食べると年をとらない」とまで言われています。

 

貴重な福井県産無農薬なつめは、やさしい甘みが魅力

 

現在、日本で流通しているなつめは、ほぼ中国あるいは韓国のものですが、実は国内でも栽培が行われています。

 

福井県福井市の北西部、日本海に面した棗(なつめ)地区は、昔からなつめが多く採れていた地域。

 

「棗の里農園」はこの地で、約3000本のなつめを無農薬で育てています。地区の名前にもなっているなつめを特産品にしたいと、20年ほど前から栽培に取り組み、試行錯誤を重ねて良質ななつめを作ることに成功しました。

 

出典:棗の里農園(福井県福井市棗の里農園。1998年に500本の苗木から始まった事業は、現在日本有数の本数を誇る農園に)

 

毎年秋に収穫されたなつめは、ドライフルーツやお茶、エキスなどに加工。貴重な国産なつめはほんのり優しく、上品な甘みが魅力です。

 

出典:ゆる薬膳。ファクトリー(たわわに実ったなつめ。無農薬で栽培)

 

わたしは、国際中医薬膳師の資格をもち「薬膳アテンダント」として、著書の執筆や、セミナーで、ふだんの暮らしの中で手軽に取り入れられる「ゆる薬膳。」を提案しています。

 

なつめのパワーについて生徒さんにお伝えするとともに、セミナーでは棗の里農園のなつめを使ったスープやお茶を提供していますが、より手軽になつめを楽しんでいただける商品ができないかと考えるようになりました。

 

そこでひらめいたのが「サバ缶」です。

 

栄養豊富なサバ缶になつめをプラスして「薬膳パワー倍増」!

 

じつはわたしは、サバファンの団体「全日本さば連合会」(全さば連)に所属、「サバジェンヌ」という肩書で広報を担当しています。

 

そもそも、サバジェンヌとして活動するきっかけになったのは、「薬膳」がきっかけです。栄養学的にも中性脂肪やコレステロールの低下、動脈硬化予防などに役立つDHAとEPAを豊富に含むことで知られるサバ。薬膳においても、血行促進、肩こり、婦人科系トラブル、ダイエット、美白に役立ちます。サバを使った薬膳を自身でも積極的に取り入れていたことから、全さば連の活動に参加することになりました。

 

サバをもっとも手軽に摂取できる商品といえば「サバ缶」。皮や骨の部分まで使用しているサバ缶は、カルシウムもたっぷり含まれ、生のサバを食べるよりもその栄養分を多く摂取することができます。

 

サバのパワーを余すことなく含んだサバ缶に、なつめのパワーが加わったら、気と血を補い、さらに血行促進! しかもお手軽!! どんな忙しいときでも、美と健康をサポートしてくれるはず。「ゆる薬膳。」を具現化したような商品になるはず……。

 

1缶にギュッとパワーがつめこまれた、「薬膳サバ缶」の開発にチャレンジすることにしました。

 

独自の「蒸し加工」が味の決め手。サバ缶の老舗「福井缶詰」に依頼

 

薬膳サバ缶の製造をお願いすることにしたのは、福井県の缶詰メーカー「福井缶詰」。鯖街道のお膝元である小浜市に本社を構える同社は、昭和18年創業。サバ缶の老舗であり、その高い技術で数々の絶品サバ缶を送り出しています。

 

出典:福井缶詰(福井缶詰。多彩なラインナップのサバ缶を製造。こだわりを尽くしたサバ缶は多くのファンをもつ)

 

福井のなつめを使うなら、福井のメーカー、ということもありますが、それだけではなくなつめの風味をいかすならば、やはり福井缶詰の技術が必要、と考えたのが大きな理由です。

 

サバ缶を開発するならば、これまでありとあらゆるサバ缶を食べてきた経験をいかして、「味わい」もこれまでにないものを作りたい、と考えました。

 

目指したのは「サバのパンチや脂のり」を際立たせるよりも、食べていてホッとする「やさしい味わい」。いわば「癒し系」ともいえる、サバの旨みを「ピュアに堪能できる」、そして「おだやかで上品な」味わいです。

 

なつめの魅力は、主張しないやさしい甘み。スープや煮物になつめを加えるときは、例えるなら「みりん」のように使うと、料理全体にナチュラルでささやかな甘みが加わります。なつめらしい風味をいかすことで、目指す味わいが完成するのではと考えました。

 

わたしは福井缶詰のサバ水煮缶ならば100缶サバ缶が並んでいても、見分ける自信があります。それは「缶汁が澄みきっている」から。

 

出典:福井缶詰(福井県民に愛されてやまない福井缶詰自社ブランド「マーメイド印の鯖水煮」。透明感のある缶汁!)

 

サバを缶に入れて、いったん蒸して、余分な水分や脂分を除去してから加工するという独自の「蒸し加工」で下処理を施すため、ほかのサバ缶と見た目が違うのです。

 

出典:福井缶詰(独自の蒸し加工が味の決め手。さらに、サバは「手詰め」で丁寧に仕上げる)

 

味も旨みはしっかり、けれど品がよく穏やか。クセ、雑味がなく後味は「スッキリ」。缶汁も「サバ缶界の大吟醸」とよびたいほどの澄んだ味わいです。

 

ベースとなるサバ缶そのものがピュアな風味であれば、なつめのおだやかでやさしい味わいを立たせられるのではと考えたのです。

 

「淡い」なつめの味を引き出すために悪戦苦闘

 

サバ缶の開発は昨年5月からスタートしました。けれど、ことは簡単ではありませんでした。問題は「なつめ」の「やさしい甘みをいかす」方法。

 

やさしい風味をいかすために、味付けは濃くしたくない。けれど塩を控えすぎると「サバのクセ」が出てきてしまいます。さらに、なつめの微妙な甘みは、とんでもなく「淡く」、その存在は消えてしまいがちでした。しかも、大量に入れれば「なつめ感」が増す、というわけではなかったのです。完成したサバ缶は「なつめが行方不明」という状態が続きました。

 

なつめの量、塩分濃度をこまかく微調整して試食を繰り返しました。

 

さらに、なつめとサバをつなぐためにプラスする食材選びも困難を極めました。検討した結果、しょうが、ネギで試作したものの、またも使用量によっては味が強くて「なつめはどこへいった?」状態に。

 

そんな「なつめ迷子」の日々に救世主があらわれました。それは「麹甘酒」。発酵の力がなつめを支えてくれるのでは……。そして麹甘酒そのものも薬膳的に血行促進作用があることから、プラスしてみることにしたのです。

 

試してみたところ、「お帰り、なつめ!」。なつめの風味はそのままに、よりやわらかい深みのある味わいに。さらに、うれしい効果がありました。麹甘酒に含まれる酵素の効果で、あきらかにサバの身はふっくら、やわらかく仕上がったのです。

 

パンにもごはんにも合う「なつめサバ」。和洋中多彩なアレンジ可能

 

かくして、202538日「サバの日」に「なつめサバ 麹甘酒入り水煮」はデビューを果たしました。

 

出典:ゆる薬膳。ファクトリー(なつめサバ 麹甘酒入り水煮。まるごと1個のなつめ&なつめペースト入り)

 

なつめサバは旬のノルウェーサバの中でも脂のりバツグンの大きなサバを使用。

 

出典:福井缶詰(厳選した、旬のノルウェーサバを使用)

 

鮮度を落とさないように半解凍でカットします。ていねいに手作業で血合いをとり輪切りにして、塩水に浸したのち手詰めします。まず一度蒸して、アクを取り除いてから、なつめをまるごと1個、なつめペースト、しょうが、麹甘酒を加えて密封し、加熱殺菌して仕上げます。

 

完成したサバ缶は、サバの旨みを「ピュアに堪能できる」、そして「おだやかで上品な」味わい。食べた方の感想は「やさしい味わい」「上品な味わい」「クセや雑味がまったくない」「ごはんにもパンにも合う」と好評でした。

 

出典:ゆる薬膳。ファクトリー(身はふっくらやわらか。なつめをつぶして一緒に食べるとまた美味)

 

おすすめの食べ方はまずは、そのままで。ごはんにもパンにも合い、日本酒やワインのおつまみにもぴったりです。

 

また、お味噌汁に入れたり、パスタなどの麺類、カレーなど和洋中と多彩な調理で美味しくいただけます。

 

調理のポイントは「やさしい味付け」。なつめサバの淡い味わいをいかすために、濃い味付けにしないこと、また強い材料と合わせないほうが、より美味しくいただけます。また飲み干したいほど美味しい缶汁をぜひ、いかしたレシピがおすすめ。

 

たとえばスープ。薬膳レシピとして、参鶏湯ならぬ「サバゲタン」はぜひ試していただきたい一品。なつめサバを缶汁ごと鍋に入れて、水を加えてネギ、黒きくらげ、甘栗を加えて熱し、野菜に火が通るまで煮たら塩・こしょうで味を調えます。

 

塩だけでぴたっと味がきまり、やさしい滋味あふれる味わいのスープが完成します。

 

出典:ゆる薬膳。ファクトリー(サバゲタン。血行促進に役立つ黒きくらげ、滋養強壮によい甘栗もプラスした薬膳スープ)

 

また、なつめサバは豆乳や豆腐との相性がバツグン。美肌にうれしい薬膳レシピ「豆乳仕立てのサバとナガイモのパスタ」もおすすめです。

 

フライパンにサラダ油を入れて熱し、たまねぎ、ナガイモを炒めてなつめサバを缶汁ごと、そして豆乳も加えてとろみがつくまて煮詰め、ゆでたパスタを入れて塩・こしょうで味を調えます。なつめサバの旨みと豆乳のまろやかさが融合して美味しいパスタソースが完成します。

 

出典:ゆる薬膳。ファクトリー(豆乳仕立てのサバとナガイモのパスタ。たるみ、しみ、乾燥肌改善におすすめの薬膳パスタ)

 

なつめサバは、なつめとかわいいサバのイラストが描かれたパッケージ入り。ギフトにもおすすめです。

 

出典:ゆる薬膳。ファクトリー(SABAの縞目がポイントのかわいいサバのイラストが描かれたパッケージ。手土産におすすめ)

 

じつは、箱にはちょっとしたサプライズがあります。特設サイトに登場するマスコットキャラクター・サバオが「どこか」に隠れています。開けてのお楽しみ!

 

出典:ゆる薬膳。ファクトリー(サバオのモデルは我が家の愛猫「サバオ」です(笑))

 

栄養豊富な「サバ」と薬膳食材「なつめ」、発酵食品「麹甘酒」の出合い。ぜひお試しを。

 

■「なつめサバ 麹甘酒入り水煮」は、なつめサバ特設サイトからお取り寄せください。

 

※缶詰専門店「カンダフルエキュートエディション新橋店」、福井県アンテナショップ 銀座「ふくい食の國291」(7月より販売)などで取り扱っています。

 

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