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「保険で資産運用」は本当にアリ?ロジャー堀が知られざるメリット・デメリットを解説します

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日本では、約8割の人が生命保険に加入しているとされています(詳細な統計データは生命保険文化センターの公式サイトに記載)。

 

この加入率の高さからも分かるように、「生命保険」は我々の生活の中で、とても身近な金融商品のひとつです。

 

そして、ここ最近では「保険を資産運用の手順として活用すべき」といった考え方も広がっています。

 

でも、本当に保険で資産運用をすることは賢い選択なのでしょうか?

 

今回は、保険で資産運用を行うべきなのか否か、僕、ロジャー堀の見解をお伝えしていきます。

 

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そもそも生命保険とは?

 

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まずは、「保険」がどのように生まれたのかを見ていきましょう。


保険とは、将来起こるかもしれないリスクに備えるための仕組みです。

 

もともとは、加入者全員がリスクの発生確率に応じて保険料を出し合い、万が一の事態が発生した際に助け合う 「相互扶助」 の考え方から生まれました。

 

一口に「保険」といっても、その種類はさまざまです。

 

ここでは、生命保険の代表的なものをご紹介します。

 

定期保険

 

定期保険とは、保障期間があらかじめ決まっている保険です。

例えば、子どもが生まれた際に、子どもが自立するまでの20年間、万が一の事態に備えて加入するといった使い方が一般的です。

 

この保険は、途中で解約しても返戻金がほとんどなく、満期を迎えても保険金は支払われません。そのため 「掛け捨て型」 と呼ばれます。

 

ここだけを切り取って見ると、使い勝手が悪いように思えますが、その分、月々の保険料が安いという大きなメリットがあります。

 

一方で、保障が一生涯続く「終身保険」もあります。終身保険は、定期保険と異なり、解約返戻金があります。

 

解約のタイミングによっては支払った保険料を上回ることもあります。

 

ただし、その分保険料は定期保険よりも高くなるため、自分のライフプランに合わせてどちらを選ぶかが重要と言えるでしょう。

 

養老保険

 

養老保険は、定期保険とは異なり、保障期間が決まっているものの、満期を迎えた際に生存していれば満期保険金を受け取れる保険です。


もし万が一のことがあった場合には、死亡保険金が支払われます。

 

さらに、満期が近づくほど解約返戻金が増えていくという特徴もあります。

 

このように、保障を受けながら資産を形成できる「貯蓄型」の保険 と言えるでしょう。

定期保険と終身保険のそれぞれのデメリットを補う側面を持つ一方で、保険料は両者よりも高くなるため、メリットだけでなく注意点も理解して選ぶことが大切です。

 

変額保険

 

変額保険とは、加入者が支払う保険料を保険会社が株式や債券で運用し、その運用成績に応じて保険金や解約返戻金が変動する保険です。


運用が順調であれば、支払った保険料を上回る保険金や解約返戻金を受け取ることができます。

 

しかし、株式や債券を活用するため、必ずしも資産が増えるとは限らず、場合によっては減少するリスクもあります。

 

つまり、運用のリスクは加入者自身が負うことになり、元本割れの可能性もあるため、慎重な検討が必要です。

 

ただし、死亡保険金については基本保険金額が保証されているケースが一般的であり、万が一の保障が確保されています。

 

外貨建て保険

 

最後に紹介するのが「外貨建て保険」です。

その名の通り、米ドルや豪ドルなどの外貨で運用される保険で、日本円で運用される保険とは異なり、相対的に高い金利が期待できるという特徴があります。これにより、保険金や解約返戻金の増加を目指すことが可能です。

 

しかし、注意点として、変額保険と同様に、運用成績によっては元本割れのリスクがあるため、必ずしも資産が増えるとは限りません。

 

さらに、為替変動の影響も考慮する必要があります。

例えば、円安が進むと円換算の保険料が高くなり、逆に円高になると保険料が割安になるため、加入時や解約時の為替レートにも注意が必要です。

 

保障型と貯蓄型の違い

 

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生命保険には大きく分けて「保障型」と「貯蓄型」の2つの種類があります。

 

改めて違いを押さえておきましょう!

 

保障型保険(掛け捨て型)

 

「保障型保険」は、掛け捨て型とも言われ、その名の通り保障期間に制限があります。

 

特徴としては、保険料を割安で抑えながら、万が一の場合は大きな保障を受けられます。

 

しかし、保険の保障期間内に万が一の病気や死亡などが起こらなかった場合、支払った保険料は戻ってきません。

 

貯蓄型と違って、積立金額の損得を気にする必要はありませんが、その代わりに本当に自分に必要かなど、保険の見直しを定期的に行う必要はあると言えるでしょう。

 

メリット

・少ない保険料で大きな保障を受けられる

・必要な期間だけ加入可能

デメリット

・使用しなかった保険料は返ってこない

・長期的な利用は支払い金額が高くなり損する可能性がある

 

貯蓄型保険(資産運用型)

 

「貯蓄型保険」は、万が一に備えつつ、将来のためにお金を貯めることができます。

 

満期金や、解約返戻金もありますが、途中で解約した場合に返戻率が悪くなり、期待していたよりも積立金額が低くなってしまう可能性もあると言われています。

 

メリット

・満期時にお金を受け取れるため、老後資金として活用できる

・途中解約しなければ、支払った保険料が全額戻ってくる

 (保険会社によって条件は異なります)

デメリット

・保険料は割高の場合が多い

・途中で解約すると元本割れの可能性がある

 

保障型 vs. 貯蓄型、選ぶならどっち?

 

保障型

貯蓄型

目的 保障が最優先 保障 + 資産運用

保険料

割安

割高

返戻金

なし

あり(満期・解約時)

 

「保障を重視するなら掛け捨ての定期保険」「貯蓄しながら保障も欲しいなら貯蓄型保険」といった選び方が基本です。

 

保険を資産運用として考える場合は、貯蓄型のメリット・デメリットをよく理解し、他の投資商品と比較することが大切ですね。

 

保険の落とし穴に注意!

 

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「資産運用」として生命保険を選ぶ場合、以下の点に注意が必要です。

 

①本当に期待するリターンを得られるのか?

 

保険のパンフレットには「返戻率○○%」といった数字が書かれています。

 

しかし、これは長期間加入し続けた場合の話がほとんどで、短期間で解約すると、元本割れすることが多いと言われています。

 

表面的な数字に惑わされたり、その場の勢いで契約するのではなく、将来のライフプランを見据えた上で慎重に判断することが重要です。

 

②元本保証は?

 

変額保険や外貨建て保険は、投資信託や為替の影響を受けるため、元本割れのリスクがあります。

 

安全性を重視するなら、終身保険や養老保険の方が向いていると言えます。

 

しっかりと保障内容にもじっくりと目を通して判断しましょう。

 

保険を利用する目的を明確にしよう

 

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「資産運用が最優先なのか」、それとも「保障を最優先にするのか」。生命保険を利用する前に目的を明確にすることが、損するリスク回避に繋がります。

 

資産運用も一緒にできるからといって、安易に積み立て型の保険に加入すれば良いというものではありません。

 

万一の保障については、保険料の安い掛け捨て型の保険で備え、その分浮いたお金を株式や債券、外貨などに自分で投資したほうが、効率良く資産形成できる場合があります。

 

保険は万一のリスクに備えるための手段であることを、忘れてはいけません。

 

貯蓄型の保険は、保障に加えて将来の保険金や解約返戻金も積み立てる必要があるため、それだけ保険料は高くなり、運用コストもかかってきます。

 

資産形成を目的とする場合は、保険と投資を切り離して考える必要があります。必要な範囲で保険を活用しながら、自分自身でリスクとリターンをコントロールして運用を行っていきましょう。

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まとめ

 

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結論として、「生命保険は資産運用の手段にはなるが、投資の代わりにはならない」という点を理解しておくことが大切と言えるでしょう。

 

保険料として支払ったお金すべてが運用に使われるわけではありません。

 

また、保険は長期間加入することが前提なので、契約後すぐに解約して現金にしようとすると、ほとんどの場合、元本割れになり、すぐにお金を使うことができません。

 

こう考えると、保険は資産運用としては効率が悪いと感じるかもしれません。もちろん、保険そのものが悪いわけではなく、保険と資産運用は別々に考えるべきだということです。

 

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出典:筆者にて撮影(ロジャー堀プロフィール画像)

 

元タカラ社(現タカラトミー社)役員

 (その他、複数の上場企業の役員歴あり)

株式アナリスト 投資コンサルタント

ロジャー堀

 

野村證券、上場企業2社(タカラトミー、インデックス)の役員を歴任し、2007年に日本マネジコを創業。「短期間で倒産寸前の状態から設立以来の絶頂期へと蘇らせるスペシャリスト」として上場企業の経営者から絶大な信頼を寄せられる。

 

タカラとトミーの合併など日本の経済界に名を残す大企業の再建を成功させるなど、堀氏がプロデュースした企業は数知れず。

 

これまでに請け負った会社再建で創り上げた時価総額は総額1兆円を超える。著書に『Yahoo!ファイナンス公式ガイド』など。

 

 

※本記事は、有価証券への投資を勧誘することを目的としておらず、また売買を推奨するものや利益を保証するものでは御座いません。

投資リスクをしっかりご理解の上、最終的な投資判断はご自身で行うようお願いします。

 

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