お買物探偵団

世界最高峰の香り豊かなサフラン。竹田市・八世屋から|からだに美味しいお取り寄せ(24)

出典:八世屋

 

パエリヤやブイヤベースに欠かせない食材「サフラン」。アヤメ科サフランの花の雌しべを乾燥させたもので、3,000年以上も前から、香辛料、着色料、薬として利用されてきました。

 

サフランは、薬膳においては「番紅花」といわれる生薬です。血行を促進するバツグンの効果があり、肩こりの改善におすすめ。また生理不順、生理痛、更年期障害の改善、ホルモンバランスを調えて美肌にも役立つという、女性の強い味方でもあります。

 

※妊娠中の方はサフランの摂取を控えてください。

 

輸入品のイメージが強いサフランですが、じつは日本国内でも栽培されています。生産量日本一を誇るのは大分県竹田市。「サフランは色付けに使うもの、どれも同じ」と思っているあなた、とんでもありません! 

 

豊かな風味と香りで「世界最高品質」を誇る、竹田市のサフランをご紹介します。

 

120年の歴史を誇る竹田のサフラン栽培

 

出典:筆者にて作成(国内産サフランの8割を生産する大分県竹田市)

 

サフランは、明治時代に医薬品として日本に持ち込まれたといわれています。明治36年(1903年)、竹田市の吉良文平氏がサフランの球根を譲り受けたことをきっかけに、地元の農家が米の後作として栽培を始めました。昭和初期には日本各地で栽培されていたようですが、現在は、国内生産量の8割を竹田が占めています。

 

出典:大村椿さん提供(大分県の南西部に位置する竹田市。北はくじゅう連山、西に阿蘇外輪山、 南の祖母山と雄大な山々に囲まれた自然豊かな町)

 

その理由は「竹田式」とよばれる独自の栽培法にあります。世界最大の生産地であるイランはじめ海外において、サフランは乾燥した露地に球根を植えて栽培されています。畑で開花させて、雌しべを摘み取るのが一般的なスタイルです。

 

サフランは水に弱く、湿度が高い日本は、栽培に適しているとはいえない場所。竹田でも、当初は8月ごろ球根を水田に植え付け、秋の長雨でダメになることが多かったのだそうです。

 

ところが、たまたま植え損ねて、蔵に置いたままになっていた球根から芽が出ていたことを発見。「土や水、日光がなくても育つ」ことに気づきを得て、畑で育った球根を、室内の暗所に移して開花させる独自の方式を確立したのです。

 

これを機に、竹田のサフラン栽培は盛んになり、120年もの歴史を誇る特産品になったのです。

 

出典:大村椿さん提供(サフランの球根は、シートで覆われた「開花室」の棚に並べて管理)

 

「竹田のサフラン栽培が途絶えず続いているのは、竹田ならではの方法があってこそだと思います」と語るのはサフラン農家である長谷川暢大さん。2013年、サフランの栽培を手がけたい、と奥さまの敦子さんと宮崎から竹田に移住。栽培だけではなく加工品の製造、そして竹田のサフランの魅力を積極的に情報の発信を行っています。

 

出典:八世屋(長谷川暢大さん、敦子さん。ともに40代で、竹田市のサフラン農家としてはもっとも若手)

 

暢大さんは、農業大学校で肉用牛を学び、アメリカの牧場で働いた後に帰国。さまざまな仕事を経て、子供のことから抱いていた「農業」への想いを実現するべく、宮崎で研修。キュウリの栽培を行っていました。

 

順調にキュウリの収穫量をあげ、出荷していたものの「いつかは、海外に通用する農作物が作れないか」と考えていた暢大さん。

 

たまたま、有機農業の研修でドイツに行った際、薬学の先生からサフランの話を聞いて「これだ!」と思ったのだそうです。

 

日本に戻り、さっそくサフラン栽培に挑戦した暢大さん。ところがことはそうカンタンではありませんでした。「全滅でした。実家がある熊本でもトライしましたが、こちらもダメでした」。

 

そこで、日本におけるサフラン栽培の成功地である竹田へ移住。ところが、ここでもじつは当初「失敗の連続」だったそう。「サフランは日本において栽培の研究がまったく進んでいなかったんです」と暢大さん。

 

竹田では明治時代からの「長年の勘と経験」でサフラン栽培の方法が確立されていました。土壌も長い時間を経て「竹田のサフラン」に適したものになっていたのです。

 

ところが長谷川さんが栽培をはじめたのは、これまでサフランが栽培されていなかった土壌。土づくりに関して、文献をはじめとする情報があまりにも少なく、サフランに適した堆肥を与えることができずにうまくいかなかったのです。

 

初年度の失敗を経て、堆肥の改良、サフランの植え付け前にスイートコーンを植えるなど数々の工夫を重ね続けた結果、安定した収穫に成功。いまでは高い技術において、年間10万個の球根を育て、3㎏と国内一の生産量を実現しています。

 

畑で育てた球根は、5月ごろ掘り起こしてトレーに並べ、シートで覆われた暗室へと移動。10月ごろから芽が出て11月頃に開花、収穫時期を迎えます。

 

出典:大村椿さん提供(気温が10度を下回ると、花が咲き始める)

 

長谷川さんによれば、もっとも大変なのは「サフランの収穫」なのだそう。サフランの開花がはじまると、大忙し。花は夜明けとともに咲き始め、翌日にはしぼんでしまうため、その日のうちに収穫する必要があります。

 

出典:大村椿さん提供(収穫したサフラン。薄紫色の可憐な姿が美しい)

 

そして今度は、それぞれの花から雌しべを摘み取らなければなりません。6枚の花弁に包まれた3本の雌しべを、指でそっと抜き取るという繊細な作業のため、もちろん機械化は不可能。

 

出典:大村椿さん提供(摘んだ花から雌しべを指ですっと抜いていく。花びらを指で軽くはたくと、3本の雌しべが取りやすくなる)

 

そして、10グラムのサフランを仕上げるために必要な花は「1000個」! 気の遠くなるような作業です。お子さんも含めて家族総出、パートのみなさんも加わって、「朝から夜遅くまで花、花、花!!です」と苦笑する暢大さん。摘み取った雌しべは、スピーディーに乾燥させます。

 

そして、まだ作業は続きます。

 

竹田では、上質なサフランを収穫するために、「芽かき」という重要な作業があります。

 

海外では、サフランの球根は畑に一度植えると、数年間植えたままですが、竹田では花を摘み取ったあとの球根を再び畑に植えなおします。

 

その際に、球根の周りについた余分な芽や根を取り除き、2本の芽だけ残す手作業です。これによって、栄養分が集中して雌しべが大きく育つのです。

 

暗室育ちのサフランは、世界最高品質を誇る

 

きめ細やかな作業を経て完成する竹田のサフランは、世界に誇る高品質に。暢大さんは「サフランにはランクがあります。竹田で生産されたものは、すべて『上級品』です」と胸を張ります。

 

サフランのランクはサイズ、香りで決まります。「サフランのサイズは、花のサイズ。いわば、球根の大きさで決まってくるんです」と暢大さん。

 

竹田の球根の大きさは、海外産に比べてはるかに大きくて太く、乾燥したサフランの雌しべは3倍以上!

 

さらに「暗室」で育てられることも品質の高さに大きく貢献しています。海外では畑で開花したサフランをそのまま収穫し、天日乾燥させて仕上げます。

 

じつは、サフランの香りと風味、色の成分であるピクロクロシンは紫外線に弱いという特徴があります。

 

つまり、光が当たらない状態で育ち、エアドライで乾燥させた竹田のサフランはピクロクロシンが維持された状態ということ。色鮮やかで香りよく風味が豊かに仕上がるのです。

 

有効成分は、外国産の数倍という数値。それは風味だけではなく、「栄養価」もはるかに高いということでもあります。

 

もしかして、竹田のサフランを試したことがなければ、「サフラン本来の味」を知らないということ!? 

 

暢大さんの販売するサフランのパッケージをあけると、いきなり華やかな、バラのような香り。

 

出典:筆者にて撮影(長谷川さんご夫妻がサフラン商品販売を行う「八世屋」の「さふらん」(サフラン0.5g入り))

 

あれっ。サフランでこんなに香りがあったなんて……!あまり香りのイメージがなかったので驚きます。

 

出典:筆者にて撮影(エキゾチックな赤い色が美しいサフラン)

 

そしてしばらく水に浸してから、飲んでみると……。ちらっとほろ苦さを感じた後に、怒涛のごとくおしよせる、とろりとしたまろやかな甘み。

 

出典:筆者にて撮影(サフランの色素成分は水に溶けやすいため、水に浸して色出ししてから使うと、料理がより美しい黄色に仕上がる)

 

「本当のサフラン」には、「味も香り」もあるのです。

 

風味のよいサフランは、味噌汁、おでんなど和食にもぴったり

 

世界最高峰の竹田のサフラン。けれど、日本ではまだまだサフランは残念ながらなじみがありません。パエリヤ、ブイヤベースといった料理以外の使い道がピンときていない人が多いのも事実。

 

そして竹田のサフランの流通はこれまで、薬用がメインでした。「食用としての販路がほとんどなく、竹田でサフランが作られていることを知らない人も多かったんです」と暢大さんは語ります。しかも戦後、海外から安価なサフランが輸入され始めたため、生産者も減る一方という状態でした。

 

竹田のサフランという、長い歴史のなかで培われた財産をもっと知ってもらいたい、と暢大さんは、販路開拓、PRにも力を入れ始めました。

 

ネット通販、お土産にもよいサフランを使ったお茶や、お菓子の開発、県内外での店頭販売……。

 

出典:筆者にて撮影(八世屋「さふらんてぃー」。ジャスミンティーとブレンドした香り高く、さわやかな風味のお茶)

 

その努力は次第に実を結び、イタリアンやスペイン料理のトップシェフたちが竹田のサフランに注目、高く評価し、メディアでもたびたび取り上げられるようになりました。

 

暢大さんにサフランのおすすめの使い方を教えてもらいました。まず、ぜひ作ってもらいたい、というのが「サフランごはん」。「サフランはお米と相性がとてもいい」のだそう。

 

米1合に対して、10本くらいのサフランをひたして色出しした「サフランリキッド」で米を炊きます。「きれいな黄色に仕上がったごはんは、風味も豊かで、とんでもなく美味しいです」と暢大さん。

 

魚介との相性はもちろん最高だそう。ちなみに魚にサフランリキッドをスプレーしてから焼くと「美しい黄金色」になって「ばえる」という裏技も!

 

「卵とも合うので、マヨネーズに入れても美味しいです。鮮やかな黄色になってきれいですし」と次々とサフランの使い方を教えてくれる暢大さんですが、じつは、サフランに携わるまでは「パエリアを食べたこともなければ、サフランのこともまったく知らなかった」のだそう。

 

今では毎食、サフランを利用するという、「サフランのプロ」です。「サフランはなんにでも合うんですよ。調味料のひとつだと思って、どんどん使っていただきたいですね」

 

出典:八世屋(長谷川家の朝ごはん。サフランごはんは定番。サフランヨーグルトも添えて)

 

長谷川家のサフランメニューは実に多彩。意外かもしれませんが和食にも、ぴったりだそう。「味噌汁に入れると風味が引き立ちます。サフランおでんもいいですよ。卵もきれいに黄色くなって、見栄えもよくて人気です」

 

ヨーグルトに入れたり、スイーツにもよし。甘酒などドリンク、焼酎お湯割りやジントニックなどお酒に使ってもよし。どうやら、サフランの可能性は無限大です。

 

「サフランの魅力は、香りと色と風味。どんな料理に使っても『どれか』がピタッとはまることです」と暢大さん。そして「まだ一般的になじみがあまりないサフランだからこそ、あらゆる料理に使って「意外な美味しさ」を発見する楽しみがある、と思います」

 

わたしも暢大さんのサフランを使って、料理を作ってみました。

 

まずは、暢大さんイチオシのサフランごはん。サフランリキッドでお米を炊き、炊飯器をあけるとそこには、黄金色に輝くごはん! 思わず声をあげてしまうほどの美しさ! そして、華やかな香り。なんとも気分がアガります。

 

食べてみると、ほんのりエキゾチック、そして後味がマイルド。お米の甘みが強調されてじつに豊かな味わい。これだけでも十分スペシャルな一品! サフランはただの色付け、というイメージが大きな間違いということに気が付くはず。

 

出典:筆者にて撮影(サフランごはん。幸せになれる黄金色ごはん)

 

そして、サフラン薬膳として「サバの血行促進ブイヤベース」。サフラン同様血流アップによいサバ、たまねぎ、パプリカ、黒きくらげを組み合わせたブイヤベースです。アサリ、トマトも加えて、白ワイン、水、サフランリキッドを加えて煮込みます。

 

鍋のふたをあけると……またまた魅惑的な香り。そして、スープを飲んでまた驚き。シーフードの旨みだけでは醸し出せない、やわらかなコクのある風味、そしてとろりとなめらかな甘みのある後味。「ブイヤベースになぜ、サフランを使うのか」という理由が、人生において初めてわかった気がします……。

 

そしてサバは最初にサフランリキッドを塗っておけば、黄金色の「金サバ」に! ホームパーティーで、ばえること間違いなし!

 

出典:筆者にて撮影(サバの血行促進ブイヤベース。サフランがしみたサバは旨みにシャープさが加わって、スッキリした味わいに)

 

サフランはパスタに使うのもおすすめ。こちらも血行促進によく役立つカニ、たまねぎを使った「かにたまサフランパスタ」に。

 

カニ缶と玉ねぎを炒めて、缶汁、バターで味付けしただけのパスタですが、またまたサフランマジック。サフランを加えると味わいが複雑、なんだかプロの技を使ったような「リストランテなパスタ」に!サフランの風味が心地よすぎて、こしょうをかけるのすらもったいないほどです。

 

出典:筆者にて撮影(カニたまサフランパスタ。血行不良による肩こりに、おすすめの薬膳レシピ)

 

そして、サフランごはんを使った「オイルサーディンとサフランごはんのひつまぶし風」。血行促進によいイワシ、たまねぎ、パプリカの組み合わせです。

 

サフランごはんに、炒めたオイルサーディン、たまねぎ、パプリカをのせて、まずはそのままいただきます。オイルサーディンの油と旨みがしみこんで、なんだか「パエリア」風な味わいです。

 

出典:筆者にて撮影(オイルサーディンとサフランごはんのひつまぶし風)

 

さらに、サフランリキッド、カレー粉を加えただし汁をかけて「洋風お茶漬け風」に。うまみのあるリゾット風に仕上がります。暢大さんがサフランと最高の相性だというスパイス「カルダモン」を加えると、オリエンタルな中近東風ごはんになってこれまた美味しい!

 

出典:筆者にて撮影(「追いサフラン」をしたカレー粉入りのだし汁をかけてお茶漬け風に。クミンを足しても美味)

 

少しプラスするだけで、グッと料理の味わいに深みが生まれ、思わぬ「味の化学反応」が楽しくて止まらなくなる竹田のサフラン。

 

世界でも最高品質のサフランが国内で入手可能という恵まれた環境にある、日本人なら使わなければもったいない!

 

そして、サフランの大きな魅力である健康効果も最大限に享受できるのはありがたい限り。

 

その効能を実証するべく、暢大さんは、サフランを食するようになってから、農作業でも疲れ知らず、敦子さんは肌のツヤがアップしたのだそう。

 

ぜひ、「味も香りもある」サフランで、美味しく健康になる体験を!

 

 

■世界最高峰のサフランは、八世屋公式サイトからお買い求めください。

 

※妊娠中の方はサフランの摂取を控えてください。

 

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