つらい頭痛を「食べる痛み止め」で改善~薬膳で頭痛対策その1~
出典:筆者にて撮影(豚肉と血行促進野菜のさわやかオイスター炒め)
普段から頭がズキズキする、頭が重たく感じる……。日常的に頭痛に悩まされるのはつらいもの。食の力で痛みをやわらげましょう。
中医学では頭痛は頭部の血行が悪くなったり、栄養が不足して起こると考えられています。頭痛には「気巡り不良タイプ」「血巡り不良タイプ」「血不足タイプ」「水分過剰タイプ」と4つのタイプがあります。改善のためには、自分の頭痛のタイプに合った対策をとることが大切です。
今回は「気巡り不良頭痛タイプ」「血巡り不良頭痛タイプ」の頭痛対策を紹介します。
もくじ
ストレスで悪化する「気巡り不良頭痛タイプ」は、ハーブやマッシュルームを
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ストレスや緊張により、「気」の流れが滞ることによっておこる頭痛です。チクチクとした痛みで、いわゆる片頭痛がこのタイプです。気の巡りは自律神経と関わりが深いため、ストレスがかかるとてきめんに痛みがひどくなるのが大きな特徴。また、イライラ、怒りっぽい、目の奥が痛い、不眠、ガスやゲップが多いといったトラブルも見られます。
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つらい痛みを改善するためには、とにかく気を巡らせる食材を取り入れること。気の巡りをよくする食材は、セロリ、春菊などの香り野菜、ハーブ類や、かんきつ類。そのすっきりとした香りが気の流れをよくして、ストレスを解消し、痛みをやわらげてくれるのです。また、マッシュルームも滞った気をスムーズに流す作用があります。
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これらの食材に加えて、自律神経をつかさどる臓器「肝」の働きを高める食材を組み合わせるとさらに効果が高まります。ホタテ、アサリ、カキ、レバーなどをプラスするとよいでしょう。
頭がガンガン痛む「血巡り不良頭痛タイプ」はパプリカ、チンゲンサイ、黒きくらげで改善
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長時間のデスクワークなど、おもに同じ姿勢をしていることによって、血の巡りが悪くなり起きる頭痛です。頭がガンガン割れるように痛み、同じ場所が痛む、日中より夜間にひどくなるといった特徴があります。
また、肩や首のこりもひどく、関節痛といった不調も見られます。顔や唇の色が、紫がかった暗い色になったり、シミやクマに悩まされる人も。
このタイプは血行を促進する食材を取り入れることがポイントです。
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おすすめはピーマンやパプリカ、チンゲンサイ。血液をサラサラにして促進する高い効果があります。そのほか黒きくらげも、血巡り不良頭痛タイプの人にぜひ取り入れてもらいたい食材。血の巡りをよくするとともに、血を補う効果も備えているため、よりしっかりと頭部に血を送り込むことで痛みの改善に役立ちます。
「気巡り不良頭痛タイプ」におすすめ薬膳レシピ
出典:筆者にて撮影(ホタテとマッシュルームのジェノバ風)
★ホタテとマッシュルームのジェノバ風
自律神経をつかさどる臓器・肝の働きをサポートするホタテに、気を巡らせる作用があるマッシュルーム、バジルをペーストで加えて滞った気をスムーズに流します。お手軽イタリアンな一品は、パスタに仕上げるのもおすすめ。
【材料】2人分
ホタテ(刺身用) 8個
マッシュルーム 4個
バジルペースト 大さじ2
白ワイン 大さじ1
オリーブ油 少々
【作り方】
①マッシュルームは薄切りにする
②フライパンにオリーブ油を熱し、ホタテを炒めて白ワインをふり、①も加えて炒め合わせる。
③②に火が通ったらバジルペーストを入れて混ぜる。
「血巡り不良頭痛タイプ」におすすめの薬膳レシピ
出典:筆者にて撮影(豚肉と血行促進野菜のさわやかオイスター炒め)
★豚肉と血行促進野菜のさわやかオイスター炒め
血の巡りをアップするパプリカ、チンゲンサイ、黒きくらげを一気に取り入れられるレシピ。オイスターソース+酢のさわやかな味付けで、野菜がたっぷり美味しくいただけます。
【材料】2人分
豚こま切れ肉 100g
チンゲンサイ 1株
パプリカ 1/2個
黒きくらげ(乾燥) 5g
にんにく・しょうが 各少々
A(オイスターソース 大さじ、酢小さじ1)
サラダ油適量
【作り方】
①チンゲンサイは、茎と葉を分けて、茎は縦半分、葉は食べやすく切る。パプリカは細切り、黒きくらげは水で戻して食べやすく切る。にんにく、しょうがはみじん切りにする。
②フライパンに油を熱し、にんにくとしょうがを入れて炒め、香りが出たら豚肉も加えて炒める。
③②の豚肉に火が通ったらパプリカ、チンゲンサイの茎・葉を入れて炒め合わせ、Aを入れて全体を混ぜる。
次回も、「頭痛」対策におすすめの薬膳情報とレシピをお届けします。
2月8日(火)の配信予定です。