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オロナインの名前の由来とは? |お買い物トリビア(34)

出典:photoAC(オロナインのような白い軟膏)


オロナインは、1953年の発売以来、昭和、平成、令和にまたがる70年の長きにわたり、日本の家庭におなじみの軟膏です。きっと日本人なら誰しも、オロナインにまつわる思い出があるのではないでしょうか?

 

オロナインといえば、独特のにおいがあることが特徴の一つですが、発売当初はこのにおいがネックとなり、売り上げが伸び悩んだのだそう。そこで、繰り出されたのが、発売元の大塚製薬による巧みな広告戦略です。

 

当時、生放送しかなかったテレビでは大村崑による生CMが放送されます。全国の至るところに貼られた女優・浪花千栄子のホーロー看板も有名ですね。さらに、宣伝カーを走らせ、全国の幼稚園や小学校ではオロナインの無料試供品が配られました。こうした大規模な宣伝の甲斐あって、オロナインは誰もが知る軟膏となりました。

 

でも、あらためて考えてみると「オロナイン」というのは、不思議な名前ですね。オロナインという名前の由来をご存じですか?

 

 

お買い物トリビア「オロナインの名前の由来とは?」の答えはこちら。わかりましたか?

 

出典:photoAC(軟膏を手に塗ったところ)

 

正解は、「『オロ』は米国の会社名、『ナイン』は9つの成分が由来」です。

 

「オロナイン」の名前は「オロ」と「ナイン」に分けられます。「オロ」は米国の製薬会社オロナイトケミカル社の名前にちなんでいます。そして、「ナイン」は9の意味で、誕生当時、成分が9つだったことがその由来となっています。

 

1952年、大塚製薬の社長、大塚正士(まさひと)氏が三井物産を訪れた際、アメリカのオロナイトケミカル社が製造した新しい殺菌成分の紹介を受けました。大塚正士社長はすぐさま研究にとりかかり、徳島大学の教授にも開発を依頼。驚くべきことに、1952年のうちに新しい殺菌成分の軟膏化に成功したのです。

 

大塚製薬は、オロナインが発売される前は、注射液や蒸留水を主力製品とし、戦後の朝鮮特需を受け規模拡大を果たした会社でした。とはいえ、正士氏が11番目の社員として入社したほど、まだ小さな会社でした。

 

たまたま知り得た新しい殺菌成分をすぐに商品化したことと、大規模な宣伝活動が功を奏し、オロナインは大ヒット商品となります。そしてその後、大塚製薬はオロナインだけでなく、オロナミンC、ポカリスエット、カロリーメイトなどを擁する全国規模の大会社となったのです。

 

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