【貯金がなくて老後が不安……】少額からできる老後対策を紹介|ロジャー堀の朝の10分間トレード
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「老後資金はいくら必要か?」
将来的に満足のいく年金が支給されるのか懸念される中、公的年金だけでは私たちの老後生活は成り立たないと思う方が続出しています。
特に定年のときに貯金がほとんどないのであれば、「これから先はどうやって生活すればいいのだろう?」と心配になってしまいますよね。
そこで本記事では、「貯金がない」「これから貯めるのも無理」という方に向けて老後資金を確保する方法を、投資コンサルタントのロジャー堀が解説します。
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もくじ
“貯金ゼロ”の人の老後生活
貯金がない方はどの年代でも一定数存在します。
しかし、貯金がないとなると突発的なトラブルに対応できないので要注意です。
それでは実際に、貯金がない方は老後どんなことになってしまうのかについて解説をします。
60代で貯金がない人の割合は?
【世帯別】60代の金融資産の有無 |
||
---|---|---|
保有している |
保有していない |
|
総世帯 | 75.4% | 24.6% |
二人以上 |
79.0% |
21.0% |
単身世帯 |
66.7% |
33.3% |
60代で金融資産を保有していない割合は、総世帯で見ると24.6%です。
世帯別で見ると、単身世帯の方が二人以上世帯よりも金融資産を保有していない割合が多く、約3分の1の世帯が金融資産を保有していないことがわかります。
60代になると、ほとんどの人が仕事をリタイアするため、収入源が貯蓄や年金のみとなります。突然の出費の際に使えるお金がないと、老後に不安を抱えることになるでしょう。
年金だけでは足りない可能性も
今後年金制度が破綻する可能性は低いですが、少子高齢化により将来貰える年金は徐々に少なくなる可能性が高いです。
また年金が減ってしまうだけではなく、物価上昇によるインフレリスクもあります。
公的年金の支給額は物価と賃金の変動に応じて毎年度改定されますが、実状は物価上昇に年金が追いついていない状況となっています。
実際に2024年から年金の支給額が2.7%引き上げられましたが、2023年までの物価上昇率は3.2%です。
また平均寿命も上がっているので、生きるためのコストも上昇してます。
老後に掛かる生活費はいくら?
実際に老後にかかる費用は、世帯によって異なります。
モデルケースをもとに、老後を過ごしていくうえで、どのような費用が、いくら発生するかを見てみましょう。
総務省の「2023年度の家計調査報告」によりますと、65歳以上の夫婦のみの無職世帯と単身無職世帯の生活費は以下の通りです。
夫婦2人の無職世帯の生活費の内訳 |
単身無職世帯の生活費の内訳 |
||
費用項目 |
平均月額 |
費用項目 |
平均月額(円) |
食料 |
72,930円 |
食料 |
40,103円 |
住居 |
16,827円 |
住居 |
12,564円 |
光熱・水道 |
22,422円 |
光熱・水道 |
14,436円 |
家具・家事用品 |
10,477円 |
家具・家事用品 |
5,923円 |
被服及び履物 |
5,159円 |
被服及び履物 |
3,241円 |
保健医療 |
16,879円 |
保健医療 |
7,981円 |
交通・通信 |
16,879円 |
交通・通信 |
15,086円 |
教養・娯楽 |
24,690円 |
教養・娯楽 |
15,277円 |
その他支出 |
50,839円 |
その他支出 |
30,821円 |
直接税 |
13,090円 |
直接税 |
6,437円 |
社会保険料 |
18,435円 |
社会保険料 |
5,799円 |
合計 |
282,497円 |
合計 |
157,673円 |
上記は、あくまでモデルケースです。
ですが、老後にかかるおおよその費用としては、夫婦2人の無職世帯で約28.2万円、単身無職世帯で約15.7万円となりました。
ただし、ゆとりある老後生活を暮らすには、もう少しお金が必要になるかもしれません。
生活費以外にかかる老後資金は?
上記で老後に必要となる生活費のモデルケースを紹介しましたが、老後に必要な生活費は、ご自身のライフスタイルによって変わります。
まず、自分はどういったライフスタイルなのかを把握して、将来の老後の生活費について考えてみましょう。
夫婦か、一人暮らしか、家族構成で変わる
老後の生活費は、家族構成によって大きく異なります。
例えば、夫婦二人で過ごす場合、生活費は一人暮らしよりも高くなりますが、共有することで費用が分担され、効率的になる面もあります。
さらに、子どもが同居する場合や、親を介護する必要がある場合、その分の支出が増えるため、家族構成を考慮した資金計画が不可欠です。
住宅のリフォームや修繕費
老後の生活には、住宅のリフォームや修繕が必要となることが多いです。
特に高齢期には、バリアフリー化や設備の更新が重要です。
例えば、段差を解消するための工事や、手すりの設置、浴室やトイレの改修など、高齢者にとって快適で安全な住環境を作るためには一定の費用がかかります。
これらの修繕費用は突然発生することもあり、老後資金に計画的に含めておく必要があります。
入院・通院費
老後の健康リスクは避けられないもので、入院や通院費がかかる可能性が高くなります。
病気やケガの治療には医療費がかかり、年齢を重ねるごとにその頻度や額が増えることが一般的です。
健康保険制度を利用しても自己負担が発生し、高額療養費や差額ベッド代などが必要となる場合もあります。
特に、長期的な治療やリハビリ、介護が必要になる場合には、予想以上の費用がかかることがあります。
そのため、老後資金には医療費や介護費用の予備費を含めて準備しておくことが不可欠です。
葬儀やお墓の費用
葬儀やお墓の費用は、老後資金を考える上で忘れがちな項目ですが、事前に準備しておくことで遺族の負担を軽減できます。
特に葬儀費用は、規模や内容によって大きく異なります。
例えば、家族葬や一般葬、あるいは近年人気の直葬など、選ぶ葬儀の形式によって費用が大きく変動します。
また、お墓の購入費用や維持費も必要です。
お墓を購入する際、場所や墓石の種類によっても価格が異なります。
事前にこれらの費用を見積もり、老後資金に織り込んでおくことが大切です。
予想外の出費となりがちなため、早めに準備しておくことが重要です。
貯金なしでも老後資金を作るには?
現在、貯金がない人は老後生活を不安に思うかもしれませんが、仮に貯金がなくてもしっかりと資産を運用すれば老後資金に対して対策を行うことは可能です。
大切なのは、計画的に行動を起こすことです。
以下は、貯金がない人でも今からできる老後資金の作り方です。
貯金がないからといって諦めず、まずは一歩を踏み出してみましょう。
毎月の家計簿をつける
まずは現状を見直し、毎月の収支を把握することから始めましょう。
家計簿をつけることで、自分の収支を正確に把握することができます。
毎月の支出がどこに使われているのかを知ることで、無駄遣いを減らすことができ、貯金や資産運用に回すお金を作りやすくなります。
家計簿をつけることは、生活の見直しに役立つだけでなく、老後資金を作るための第一歩です。
収入の中からどれくらいを貯金や運用に回せるかを把握し、計画的に使い道を決めることで、老後に向けた資産形成が可能になります。
資産運用をする
貯金がない場合でも、資産運用を始めることで老後資金を積み立てることができます。
特に長期的に安定したリターンを狙える運用方法を選ぶことが重要です。
NISAや積立投資信託などを活用することで、少額からでも運用を始めることができます。
資産運用を通じて、少しずつ資産を増やすことができるため、老後の生活費を確保する手段として有効です。
リスク管理をしっかりと行いながら、少額からでも資産運用を始めることが老後資金作りの近道です。
稼ぐ力をつける
老後資金を作るためには、収入を増やすことも重要です。
定職以外でも、スキルを活かして副収入を得る方法があります。
例えば、フリーランスやアルバイト、副業などで得られる収入を老後資金に回すことができます。
自分の得意分野で稼げる力を身につけておけば、年齢に関係なく収入を得ることが可能です。
老後に向けた準備として、稼ぐ力を高めておくことは非常に重要です。
新しいスキルを学ぶことも、将来の経済的自由を得る手段となります。
デイトレードがおすすめ
稼ぐ力をつける方法として、仕事以外で投資で稼ぐ力をつけるのもいいでしょう。
なかでも「デイトレード」は、短期間で利益を上げることができるため、迅速に資産を増やしたい人に向いています。
特に株式市場などでのデイトレードでは、売買タイミングを計ることで利益を出すことができます。
しかしリスクも大きいため、初心者の方は十分な知識をつけてから始めてみましょう。
お金があるのとないので人生は大きく変わります
お金があるかないかは、人生の質を大きく左右します。
お金が決して全てではありませんが、お金は生活基盤を支える重要な要素であり、適切に管理することで、時間や選択肢の自由度が広がり、より充実した人生を築くことができます。
そしてお金の使い方次第で老後生活も大きく変わってきます。
健康に生きられる
お金があることで、健康を維持するために必要なリソースを確保できます。
例えば、高品質な医療サービスを受けることができ、定期的な健康診断や治療を受けることで、病気の予防や早期発見が可能になります。
また、健康を支えるための食事や運動を怠らずに行うための環境を整えることもできます。
お金があることで、健康に長く生きるための投資をすることができ、その結果、充実した老後生活を送ることができます。
自分の趣味に没頭できる
お金があると、趣味に使える時間や資源を増やすことができます。
具体的には、好きな旅行に行ったり、高価な趣味を楽しんだり、自己啓発のための学びを深めることなどができます。
また趣味に没頭することで、ストレスを軽減し、生活に豊かさや楽しさを加えることができ、精神的な充実感を得ることができます。
このように豊かな老後生活を楽しむためにも、趣味の選択肢を増やしておくことは重要です。
十分な人間関係を構築できる
お金があると、豊かな人間関係を築くための活動にも参加しやすくなります。
友人や家族との旅行、特別なイベント、またはサークル活動などで、多くの人と交流しやすくなります。
特に、老後生活は誰かと交流する機会が少なくなる傾向にあります。
ただし経済的な余裕があれば、社交的な場に参加するための時間や費用を負担でき、関係を深めることができます。
また、お金があることで、相手にプレゼントを贈るなど、感謝の気持ちを表現することができ、良好な人間関係を築くための手段も増えます。
まとめ
60歳代であっても金融資産をあまり保有していない世帯が多く、今貯金がない世帯でも決して悲観する必要はありません。
ただし老後に向けた時間は限られており、早期に資産形成への取り組みは必要です。
実際にシミュレーションして、どの程度のお金を自分で用意する必要があるか把握しましょう。
お金の不安は、知ることで解消されます。
むやみに怖がったり、「もう遅い」と考えたりするのではなく、自分の暮らしに合わせ、気づいたときから準備に取り組むことが重要です。
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出典:筆者にて撮影(ロジャー堀プロフィール画像)
元タカラ社(現タカラトミー社)役員
(その他、複数の上場企業の役員歴あり)
株式アナリスト 投資コンサルタント
ロジャー堀
野村證券、上場企業2社(タカラトミー、インデックス)の役員を歴任し、2007年に日本マネジコを創業。「短期間で倒産寸前の状態から設立以来の絶頂期へと蘇らせるスペシャリスト」として上場企業の経営者から絶大な信頼を寄せられる。
タカラとトミーの合併など日本の経済界に名を残す大企業の再建を成功させるなど、堀氏がプロデュースした企業は数知れず。
これまでに請け負った会社再建で創り上げた時価総額は総額1兆円を超える。著書に『Yahoo!ファイナンス公式ガイド』など。
※本記事は、有価証券への投資を勧誘することを目的としておらず、また売買を推奨するものや利益を保証するものでは御座いません。投資リスクをしっかりご理解の上、最終的な投資判断はご自身で行うようお願いします。