ロジャー堀の資産運用お悩み相談|IPO投資銘柄の選び方 当選確率を上げる裏ワザとは?
出典:編集者
株式投資を始めるにあたって色々と調べてみたものの、「投資対象が多すぎてどのような銘柄を選ぶべきか分からない……」。
そんな、お悩み抱えていませんか?
老後資金に不安があり、これから本格的に株式投資をスタートさせたい方にまずお伝えしたいのが「IPO投資」です。
IPO投資は、これから上場する企業に投資をするため、他の株式投資に比べてみると、少しのコツと理解で簡単に、それも短期間で資産増を期待できます。
他の株式投資よりも低いリスクで運用できる点が、初心者には嬉しい特徴と言えるでしょう。
当記事では、IPO投資を進める際の手順や有望な銘柄を見つける方法について詳しく解説しています。
ロジャー堀
・元タカラ社(現タカラトミー社)役員 →その他、複数の上場企業の役員歴あり
タカラとトミーの合併に携わり、日本の経済界に名を残す大企業の再建を成功させる!
現在は株式アナリスト・投資コンサルタントとして活躍
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もくじ
そもそもIPOってなに?
IPOとは「Initial Public Offering」の略称で企業が初めて株式を一般の投資家に公開し、証券取引所で取引できるようにするプロセスのことです。
つまり、新しく上場する企業が初めて株式を一般の投資家に公開するということです。
日本語では「新規株式公開」とも呼ばれています。
IPOの目的
企業は株式市場に上場することで以下のような3つのメリットがあります。
①資金調達 |
IPOによって新規に株式を発行し、一般投資家から資金を集めることができます。この資金は、事業拡大や研究開発、新規プロジェクトなどに使用されます。 |
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②知名度向上 |
上場することで企業の知名度が上がり、ブランド価値が高まります。これにより、顧客や取引先の信頼を得やすくなります。 |
③従業員へのインセンティブ |
上場企業の株式は流動性があり、従業員に株式やストックオプションを付与することで、モチベーション向上や人材確保にもつながります。 |
企業がIPOをすると定期的な財務報告や経営情報の開示が必要となりますが、それ以上にメリットが多くあります。
IPO投資とは?
IPO投資とは、新規に株式市場に上場する企業の株を、一般の投資家が上場時に購入する投資手法のことです。
つまり、上場のタイミングで公開される株を買い、成長を期待して利益を狙うということです。
ただし、IPOをする株に投資をするためには抽選が必要です。
証券会社が抽選を行い、当選した人のみが購入できます。
人気のあるIPO株には応募が集中し、当選確率が低くなることもあります。
IPO投資メリット・デメリット
IPO投資のメリット・デメリットは以下です。
メリット | デメリット |
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IPO投資は、成長性の高い企業に早期から投資するチャンスがある反面、情報不足や初値割れなどのリスクも伴います。
短期的な値動きのリスクや抽選による購入難易度もあるため、しっかりとした情報収集とリスク管理が求められます。
IPO銘柄は上場初日がチャンス⁉
IPO銘柄は上場初日に短期的な利益を狙うことができるのが特徴です。
新規公開株は一般投資家や機関投資家の関心が高く、上場直後の初日には特に多くの取引が発生しやすいです。
これにより需要が高まり、株価が上昇しやすい傾向となっています。
特に人気企業のIPOは注目度が高く、上場初日の取引開始直後に「初値」が急騰するケースがあり、短期間で利益を得られる可能性があります。
なのでIPO投資をする際には、初日の株価急騰のタイミングで決済をすると利益が狙いやすくなります。
ただし注意が必要な点も・・・・・・ |
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必ずしも初値が上昇するわけではなく、上場直後に**初値割れ(初値が公開価格を下回る)**が発生することもあります。 ※公開価格(抽選で買える株価のこと)
成長が期待されていない、または市場の評価が低い企業では、初日に思わぬ損失を被る可能性もあるので、事前に企業の成長性や収益性を十分に検討し、慎重に判断することが求められます。 |
IPO投資は短期的に利益を狙うのにピッタリの投資です。
ただし、投資をするには抽選が必要だったりと運が必要であり、誰でもすぐにできる投資ではありません。
もしIPO投資以外に今すぐ利益が狙える投資を知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
↓↓
株のデイトレードで安定収入を目指す6つのポイントとは?|ロジャー堀の投資勉強会
IPO銘柄を購入する方法
ここではIPO株の買い方・始め方について解説します。
~IPO投資をするまでの流れ~ 1. 証券口座の開設 |
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手順1. 証券口座の開設
まずは取引に使う証券口座を開設します。
この証券口座を開設する際に注意していただきたいことがあります。
それは、全ての証券口座が平等にIPO株を取り扱っているわけではないことです。
証券会社によって新たに発行するIPO株数が異なります。
IPO株の取り扱いがあるネット証券4選 | ||
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証券会社 | 取扱い数※1 | 口座数※2 |
SBI証券 | 91社 |
1,200万 (2024年2月時点) |
松井証券 | 70社 |
145万 (2022年時点) |
楽天証券 | 60社 |
1,100万 (2024年4月時点) |
マネックス証券 | 53社 |
216万 (2022年1月時点) |
※1 取扱い数は2023年1月~12月の値
※2 オンライン口座数(端数切捨て)
取扱い数は、単純にどれだけのIPO株を取り扱っているかです。この数が多ければ多いほどIPO銘柄を手に入れるチャンスが多くなります。
口座数は「ライバルの多さ」を表しています。IPO株は抽選によって投資できるかどうかが決まるので、ライバルが少ない方が抽選での当選確率が高くなります。
手順2. 購入するIPO株を決める
口座開設をした後は、開設した証券口座で取り扱っているIPO株をチェックします。
時期によって扱うIPO株は次々と変わるので、「IPOスケジュール」の確認もしながらどのIPO銘柄を狙うのかをチェックします。
具体的にどういったIPO銘柄を選べばいいのかについては、次の項目で詳しく解説させていただきます。
手順3. IPO株の抽選に参加する
IPO銘柄を選んだら、証券会社のIPOページから申し込みを行い抽選をします。
この段階で、申し込み単位に応じた資金が必要となります。
また抽選方法が証券会社によって異なり、主に「完全平等抽選」と「優遇抽選」の2つを採用しています。
完全平等抽選 | すべての応募者が平等な確率で抽選される方式です。応募した株数や資金の多寡にかかわらず、すべての投資家が同じ当選確率を持ちます。 |
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優遇抽選 | 資産額や取引実績のある投資家、またはIPOに積極的に応募している投資家に対して、当選確率を優遇する方式です。特定の条件を満たしていると、当選確率が高くなることがあります。 |
抽選するIPO銘柄によって、この2つの抽選方法の比率が異なります。
「優遇抽選」を受けられない方は「完全平等抽選」の比率が多い銘柄を選ぶと当選確率が高くなります。
抽選に参加する時は選んだ銘柄がどういった抽選方式であるのか確認しておきましょう。
手順4. 当選したら株を購入する
IPO株の抽選に当選したら公募価格が発表され、抽選に当たった場合は株を買うか否かを選ぶことができます。
この時、数日間のうちに意思表示を示さないと購入を辞退することになるのでご注意下さい。
購入した場合は上場日に市場での取引が始まるまで待ち、初値が公開価格より高ければ、すぐに売却して利益を確定することができます。
また長期的な成長を期待して保有し続けることも可能です。
抽選に外れた場合はIPOのセカンダリー投資も検討してみよう |
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IPOセカンダリー投資とは、IPO銘柄が上場した後に市場で取引されるようになってから株を購入する方法です。
抽選に当選できなかった投資家でも、上場後に市場で購入するチャンスがあります。
またIPO銘柄が上場した後の市場動向を見てから投資をすることができるので、企業の実力や市場の評価を反映した価格で投資することができます。 |
成長するIPO銘柄の選び方
比較的利益が狙いやすいIPO投資ですが、より成功率を高めるためにはどのIPO銘柄に投資をするのかを判断する必要があります。
そこでIPO銘柄を選ぶ際に、チェックしておきたいポイントを6つまとめました。
1.公募株>売出株になっているか
2.市場の規模>吸収金額になっている?
3.再上場銘柄ではないか
4.2桁の増収増益が続いているか?
5.旬のテーマや人気の業種?
6.大株主にベンチャーキャピタルはいないか?
①公募株>売出株になっているか
まず最初におさえておきたいポイントとして、公募株数が売出株数を上回っているかどうかをチェックしましょう。
公募株というのは上場する会社が市場へと放出するものであり、売出株というのは元々の株主が手持ちの株を市場へと放出するものです。
この既存の株主が利益を得るための株と、事業拡大の資金調達のための株どちらが多いかで今後の企業の成長が変わります。
資金を事業拡大に使ったほうが会社は大きくなるので、株価も将来的に上昇することが期待できます。
なので投資家は公募株数が売出株数を上回っている方を好むのです。
もし公募株が売出株より少ない場合は、初値が公募価格割れする可能性が高くなってしまいます。
②市場の規模>吸収金額になっている?
市場の規模と吸収金額もチェックしましょう。
「市場の規模」は、IPO銘柄が上場する市場の規模や、株式が取引される市場全体の大きさを指します。
- プライム市場…数百億から数千億円
- スタンダード市場…数十億円から数百億円
- グロース市場…数億円から数十億円
「吸収金額」とは、IPO時に、企業が調達する額と既存株主が売り出す金額の合計(投資家から資金を吸収する金額)を指します。この吸収金額については「(新規発行株数+既存株主による売出株数)×公募価格」で算出することができます。
IPO銘柄を選ぶ際は、この上場する市場と吸収価格とを比較してみてください。
例えば企業が100億円を「吸収」すれば、その分、後から市場に株式の売却が出てくるわけですから、小さな市場・小さな銘柄なら、これが圧力となり、株価上昇が抑えられてしまいます。
なので吸収金額が市場の規模の範囲内に収まっているかどうかが重要となります。
③再上場銘柄・市場区分の変更銘柄ではないか
IPO銘柄の中には、過去に上場廃止となった後、業績を回復して再度上場する会社もあります。
この再上場した会社の場合、通常よりも投資家の判断は厳しくなります。
投資家は上場廃止となった過去を持つ会社を厳しい目で判断をするので、初値が公募価格割れする可能性があります。
再上場する会社を選ぶ際、よほどの好材料がある場合以外は控えるようにしましょう。
また、市場区分の変更とは、グロース市場やスタンダード市場からプライム市場へ格上げする場合など、上場市場が変更になるケースのことを言います。
逆にプライム市場からスタンダード市場へ格下げする企業もありますが、この場合は通常、資金調達などはなく、IPO銘柄として出ていません。
市場区分変更に伴うIPOについては、もともと上場している企業の市場が変更されるだけですので、新規IPOとは事情が大きく異なり、ここで説明したセオリーは全く適用しませんので、注意しましょう。
④2桁の増収増益が続いているか?
もちろんですが、増収増益が続いている会社の方が市場の評価は高いです。
ただし一番見るべきポイントは「どのくらいの増収増益幅か」ということです。
増収増益が続いている場合でも、その割合が5%や6%など1桁の場合はそこまで評価されません
増収増益率が2桁の10%以上の場合に評価がされます。
なので今後の増収増益率の見通しが10%以上になると予想されている銘柄を選びましょう。
⑤旬のテーマや人気の業種?
事業内容によって、人気が出るものと不人気なものが分かれることがあります。
特に旬の事業内容の場合は人気になりやすい傾向にあります。ただし直近の業績が見通しづらい業種は不人気となることがあります。
例えば、AIなどの注目が集まっている「IT」分野などの銘柄は評価されやすいですが、人手不足や人件費上昇などの懸念がある「物流・運送」分野の銘柄は評価されにくいです。
なのでIPO銘柄を選ぶ際には、なるべく旬のテーマに沿った事業内容を選ぶようにしましょう。
⑥大株主にベンチャーキャピタルはいないか?
大株主にベンチャーキャピタルがなっている銘柄は慎重に判断をしましょう。
このベンチャーキャピタルが大株主となっている場合、上場後に株を売却してしまう可能性が高いです。
大株主は保有している株数も多いので、一気に株を売却してしまうと株価が一気に暴落してしまいます。
ちなみにベンチャーキャピタルとは、資金を提供する投資会社やファンドのことです。未上場の会社の株を買って、事業の拡大を支援しながら上場までをサポートしています。
このベンチャーキャピタルですが、最終的には投資した企業からリターンを得るために、株式を売却して利益を目指しています。
なのでベンチャーキャピタルが大株主の場合、投資家からは警戒されてしまい、上場しても初値が公募価格割れしてしまうことがあります。
IPOに当選する確率を増やす裏ワザ
IPO投資をするにはまず抽選で当選しなければいけません。
ですがIPOの抽選は非常に競争が激しいため落選してしまうことが多いです。
そこでIPOの当選確率を上げる裏ワザについて解説します。
IPOに強い複数の証券口座を開設する
IPO投資をするためには、まずはトライ回数を増やしましょう。
落選してしまっても諦めずに何度も抽選を行えば、当選する確率を増やすことができます。
そのためにも、できるだけ多くの証券会社で口座を開設し、トライする回数を増やすことが重要です。
また、各証券会社で異なる抽選ルールが適用されるため、応募する証券会社を増やすことで当選確率を高めることができます。
家族に協力してもらい複数口座を開設する
IPOの抽選確率を上げるには、家族で同時に申し込む方法もあります。
証券口座は一人1つまでしか開設することができないので、1回までしか抽選ができませんが、家族に協力してもらえば複数の抽選を受けることができます。
例えば、家族が5人いてひとり4口座を作ったとしたら20口座となります。
自分一人でひと口座しか持っていないと抽選は1回きりとなりますが、家族全員が複数の口座を持っていれば20倍もチャンスが広がります。
ただし、家族口座を利用する場合は必ず本人に取引してもらうようにしてください。
口座名義人と異なる人が勝手に売買することは法律で禁じられています。
IPO投資でよくある失敗事例
IPO投資は、短期間で高いリターンを期待できる一方で失敗するリスクも存在します。
ここではそんなIPO投資で失敗してしまう代表的なパターンを紹介していきます。
初値売りで全売却しなかった
IPO銘柄は、上場直後に人気が集中し、初値が高騰することがあります。
しかし、その後すぐに株価が急落してしまうことがよくあります。
なのでIPO投資で利益を狙うには、公募価格よりも上がった初値で売り抜けることです。
ただし、いざ株価が割高になると「まだ上がるだろう」と期待をしてしまうものです。
その結果、予想が外れて株価が暴落してしまい公募価格よりも下がって含み損を抱えてしまいます。
投資で重要なことは「負けないこと」なので、少しの利益でも売り抜けることをおすすめします。
初値が公募価格を上回らず損する
IPO企業の事業リスクや収益構造を正確に理解せず、投資してしまうと、上場後に業績悪化や想定外のリスクが顕在化することがあります。
IPOで抽選に当選したからと言って、良く調べずに投資をしてはいけません。
何度も抽選をした苦労の末、やっとの思いで当選したので、とりあえず投資をしてしまうことが良くあります。
IPO銘柄の中でも不人気な銘柄もありますので、事前にしっかりと調べてから投資をするようにしましょう。
まとめ
IPO投資は高確率で短期的に利益が狙えることで人気な投資法ですが、IPOの抽選は激戦です。
普通に抽選を申し込んだだけでは当選する確率がどうしても低くなる傾向にあります。
当選確率を少しでも上げる為にも、家族に協力してもらい複数の証券会社を利用して何度も抽選を行うことが重要と言えるでしょう。
もしも何度やっても抽選に受からない場合は、IPO投資以外の方法に目を向けてみるのも良いかもしれません。
資産運用で成功する鍵は、資金を分散して投資することにあると言えます。
分散投資を行うことによって、大損するリスクを減らすことができますからね。
IPO投資以外に、短期的に資産を運用したいと考えている方は、以下もご参照ください。
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