50代。父の遺言に従ったのに、困ったことになりました……|悩みを解決!(43)
出典:編集部にて作成
ひとは老若男女を問わず、悩みを抱えて生きているものです。その悩みの中には家族や親しい友人には相談しづらくて、一人で抱え込んでしまう悩みがあります。辛くて押しつぶされそうになることもありますよね。
でも、人に話すだけで気持ちが少し軽くなることもあります。カウンセラーは、そんなお悩みに寄り添ってお話を聞きながら、一歩を踏み出すお手伝いをしています。
この「悩みを解決!」シリーズでは、カウンセラーが出会ったお悩みをご紹介します。今回は、しげはる先生に寄せられた相談です。参考になることが一つでもあるとうれしいです。人生は楽しくなきゃネ!
【今回のご相談】父の望み通りに家族葬を行ったのに、後から問題が……。どうすればよかったのでしょうか?
■年代:50代 ■性別:男性 ■相談カテゴリ:家族の悩み
───今回ご紹介するのは、故人の望み通りにお葬式を行なったが、 後で大変なことになってしまって……というお悩みです。
「父は飲食店の店主として、一生懸命働いてきました。地元でも多くのお客様に愛され人気店ではありましたが、年齢やコロナ禍のこともあり80歳で店を閉めました。仕事をやめて気が緩んだのか、2年ほどすると体調を崩し、あっけなく亡くなってしまったのです」
「ただ、幸いな事に父は遺言書を作成してくれていました。私はきちんと遺言をしてから亡くなった父を立派だと思い、父の気持ちを尊重しようと家族で話しました」
「父の遺言は財産の分け方だけでなく、葬儀の方法も指定されていました。それによれば派手な葬式はせず、家族葬にしてくれと。母は渋りましたが、父の望み通りにするのが良いと思い、家族だけで見送りました」
「ところがしばらくすると『お線香だけでも』と仕入先や父と親交があった方が頻繁に自宅に訪ねてくるように……。 母は『いつ誰が来るかわからないから大変だし、一人暮らしだから困る』と」
「母が叔父や叔母に愚痴を言ったようで、父の遺言書通りにしただけだと説明しても『こうなるのが当たり前だ、何で相談しなかった』と電話で責められてしまいました。私達はどうしたらよかったのでしょうか」
【お答え】故人の希望も配慮しながら、あとで困らないような形にすると良いでしょう
「しっかりと遺言書を用意して、ご自身の死後の整理される方は少ないです。残された家族が困らないようにと心遣いをされた、お父様はご立派ですね。」
「遺言書があると、書いてあることには必ず従わなければならないと思いますよね。ですが、相続人全員の合意がある、遺言執行者が指定されてないなどの条件はありますが、別の方法を選ぶ事もできるんです」
「最近はコロナ禍もあり、家族葬を選ぶ方も増えました。後から弔問に訪れる方が多くて困ってしまったという話は、意外に聞く話です」
「遺言に従ったせいで、残された家族が困ってしまった……というのは、お父様も本意ではないと思います。葬儀の方法に対する遺言に関しては、必ずしも遺言通りにしなくてもよいのではありませんか?」
「故人と親交があった場合、葬儀に参列できないことを悲しむ方もいると思います。お父様の遺志に配慮して葬儀は家族だけで行なったとしても、改めてお別れの会などを行うことができれば、一つの区切りとなるかもしれませんね」
カウンセラー:しげはる先生
ファンの多いコーヒー専門家が、コミュ力や会話の深め方等でも人気のカウンセラーとなりました。 喫茶店のマスターにでも話すつもりで、お話しください。あなたがたどり着きたいところに届くように、お力添えしましょう。