70代・どうなる生前贈与??教えてください!|悩みを解決!(17)
出典:編集部にて作成
ひとは老若男女を問わず、悩みを抱えて生きているものです。その悩みの中には家族や親しい友人には相談しづらくて、一人で抱え込んでしまう悩みがあります。辛くて押しつぶされそうになることもありますよね。
でも、人に話すだけで気持ちが少し軽くなることもあります。カウンセラーは、そんなお悩みに寄り添ってお話を聞きながら、一歩を踏み出すお手伝いをしています。
この「悩みを解決!」シリーズでは、カウンセラーが出会ったお悩みをご紹介します。今回は、サナエール先生に寄せられた相談です。参考になることが一つでもあるとうれしいです。人生は楽しくなきゃネ!
もくじ
【今回のご相談】生前贈与改正の可能性を考えて、どのように相続税対策をすればよいのかというお悩みです
■年代:70代 ■性別:男性 ■相談カテゴリ:相続・贈与
─── 今回ご紹介をするのは、70歳になり相続を考えはじめていたところに、生前贈与が改正されるとのことで色々と迷うことになってしまった男性のお悩みです。
「私は定年まで会社人生をまっとうし、妻と子供にも恵まれマイホームも持ち、それなりに貯蓄もしてきました。子育ては妻に任せきりでしたが、子供たちはのびのびと育ち、今では独立してそれぞれの基盤を築いております」
「なかなか言葉にはできませんが、そんな妻や子供たちにはいつも感謝しています。少しでも多く財産を残してあげたいと思っています」
「あっという間に70歳となり、相続について具体的に考えるようになりました。金融関係の担当者からは生前贈与のアドバイスなどを受けてはおりましたが、何かと忙しかったこともあり優先させずに過ごしてしまいました」
「最近、新聞やビジネス誌などで生前贈与の改正についての記事を見かけることが多くなり、どうしたらよいのか悩んでいます」
【お答え】 生前贈与改正の可能性はあります。駆け込み贈与等を検討される際には専門家に相談して慎重に!
「2022年(令和4年度)は生前贈与に関しての改正は見送られましたが、近い将来(来年の可能性も!?) 『生前贈与加算の期間の延長』や『暦年課税制度』の廃止などが考えられます」
「持ち戻しの期間(相続開始前3年以内に贈与した財産については相続財産に加算する)が、現在の3年から5年や10年になるかも。110万円の贈与税の非課税枠がなくなる(暦年贈与の廃止)かも。といった内容が予想されます。いきなり廃止するということになれば、色々と大きな反発もあるように思いますが……」
「改正後は、生前贈与を利用した相続税対策が難しくなりそうです。そのため駆け込み贈与に走る人も少なくないようですが、専門家に相談しながら慎重に進めることをお勧めいたします」
「また、贈与をする際は贈与契約書の作成が重要です(贈与契約書で検索しひな形を参考にして下さい)。贈与契約は口頭でも成立しますが、贈与契約書として書面にすることで、当事者間のトラブルや相続の遺産分割時のトラブル防止にもなります」
「特に、相続税の税務調査が入った際には、税務署からの指摘に対する証明となります。贈与を認めないとして指摘されるのは、次の2点がよくあるようです。名義預金(相続税逃れのために預金名義を子や孫にしているだけ)とみなされ相続税が課税される可能性があります。定期贈与(110万円以下の受贈)でも、数年にわたっていくら贈与するかを約束していた。例えば、5年にわたって100万円を贈与する場合、合計額500万円に対して贈与税がかかります」
「贈与契約書の作成も重要ですが、金銭の受け渡しを銀行振込みにするなどの客観的な事実を残すこと等の注意点もありますので、生前贈与をご検討される際には専門家に相談することをお勧めいたします」
カウンセラー:サナエール先生
交流会をメインに様々なお悩みに耳を傾けながら多くの出会いをサポートしてきました。 ウェブテストとインタビューで診断するコミュニケーション診断やFP資格を活かしたオンライン相談カウンセラーとして幅広い問題解決アシストをしております。