60代・半血兄弟(異母・異父兄弟)の相続分に違いはあるの?|悩みを解決!(12)
出典:編集部にて作成
ひとは老若男女を問わず、悩みを抱えて生きているものです。その悩みの中には家族や親しい友人には相談しづらくて、一人で抱え込んでしまう悩みがあります。辛くて押しつぶされそうになることもありますよね。
でも、人に話すだけで気持ちが少し軽くなることもあります。カウンセラーは、そんなお悩みに寄り添ってお話を聞きながら、一歩を踏み出すお手伝いをしています。
この「悩みを解決!」シリーズでは、カウンセラーが出会ったお悩みをご紹介します。今回は、サナエール先生に寄せられた相談です。参考になることが一つでもあるとうれしいです。人生は楽しくなきゃネ!
【今回のご相談】先妻の子と後妻の子、相続分に違いはありますか?というお悩みです
■年代:60代 ■性別:女性 ■相談カテゴリ:相続・家族
─── 今回ご紹介をするのは、異母兄弟の相続について準備をしっかりしておきたいと考えている60代女性のお悩みです。
「退職した先輩の話ですが、ご主人が亡くなられて相続の手続きを進めていたら、『隠し子』がいることがわかったそうです。司法書士さんを後見人として全てお任せしたらしいよ~。そんな噂話を耳にしました。『隠し子』も相続人になりますよね」
「実は私は、その『隠し子』側の立場なのです。隠してはいませんが、息子が二人おります。その息子の父親とは離婚して、シングルマザーとして二人を育ててきました」
「元夫は再婚して子供もいます。その再婚相手との子供を見かけたことがあるのですが、私の息子の小さい頃の顔にそっくりで驚いたことがありました。異母兄弟ではありますが、元夫のDNAの強さにビックリです。」
「元夫は、養育費的な支援はしてくれていましたし、今でも息子たちとの関係は良好です。息子たちには、それなりの財産を残してほしいと思っています」
「先妻の子も後妻の子も、相続分は同じでしょうか? 息子たちを受取人とした生命保険にも加入しています。遺言も書くと言っていたので、あとは遺言書を書いてもらえば完璧でしょうか?」
【お答え】 子としての相続と半血兄弟間の相続では、法定相続分は違います
「最近は、離婚・再婚も当たり前になり、バツイチ子持ちの方の再婚率も上昇傾向にあるようです。今後、会ったこともない異父母兄弟(姉妹)がいる可能性も高くなりそうですね。その子にも同じように相続する権利があることを知って、戸惑うケースが増えるかもしれませんね」
「親の相続が発生した場合、先妻・先夫との子、後妻・後夫との子、ともに親の相続人となりその法定相続分は同じです。後妻の子と同じ相続分を受けることはできますが、感情的な問題を回避するためにも遺言書も作成しておかれると良いかと思います」
「また、今後の参考として半血兄弟との相続についてもお伝えしておきますね。
(子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする(民法900条4号))」
「例えば、ご長男(配偶者も子供も無し)が亡くなられ、ご両親もすでに他界している場合は、相続人は『実弟』と『後妻の子』となります。その相続分は『実弟2/3』『後妻の子1/3』となります。このような場合は遺言書の作成が重要となります」
「ご長男が遺言書を書いて『全ての財産を実弟に相続させる』としていれば、その遺言の通り実弟が全ての遺産を取得することになります。
遺留分(法律により最低限保証された相続分)があるので全て取得とはならないのでは?と、思われたかもしれませんね。
兄弟姉妹は、法定相続人にあたりますが、遺留分権利者の対象からは除外されています。
(兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次条第一項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合を乗じた額を受ける。
一 直系尊属のみが相続人である場合三分の一 二 前号に掲げる場合以外の場合二分の一(民法1042条1項))」
「様々なケースについて知識を持っておくことも大事ですね」
カウンセラー:サナエール先生
交流会をメインに様々なお悩みに耳を傾けながら多くの出会いをサポートしてきました。 ウェブテストとインタビューで診断するコミュニケーション診断やFP資格を活かしたオンライン相談カウンセラーとして幅広い問題解決アシストをしております。