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眼科専門医が答える!(2) 高齢者に多い目の病気

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50代に入ったあたりから徐々に目の病気が出てきますよね。老眼も老化現象のひとつですが、誰もが避けては通れない目の3大疾患といえば白内障、緑内障、加齢黄斑変性症でしょう。それぞれどんな症状が出てくるのか? 知っておけば早めに治療を行うことができます。今回も眼科専門医の足立和孝さんにお話しを伺いました。当てはまる症状がある方は、一度クリニックへ足を運んでみてください。

 

 

シニアの代表的な目の病気は白内障・緑内障・加齢黄斑変性症

 

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「1記事目(60歳を過ぎたら気にしたい目のこと)でもお話ししましたが、シニアになると目にはさまざまな症状が出てきます。その代表的なものといえば白内障・緑内障・加齢黄斑変性症でしょう。完全に症状が出ないように予防することは難しいのですが、症状の出始めを遅らせたり、出てしまった症状を改善する治療法はあります。まずは、どんな自覚症状が出るのかを知っておくことが大切です」(足立和孝先生・以下同)

 

 

◆白内障

 

「一般には昔『しろそこひ』といわれ、眼の瞳(瞳孔)の後にある透明な水晶体(直径9ミリ、厚さ4ミリの凸レンズ状の組織でカメラのレンズに相当するもの)が、白く濁ってくる病気です」

 

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「白内障の種類と原因は以下のものがあります。

 

・加齢性白内障…加齢

・全身疾患に合併する白内障…アトピー性皮膚炎、糖尿病など

・先天性白内障…風疹など

・外傷性白内障…目のケガなど

・併発白内障…ぶどう膜炎など

・その他…放射線、薬剤(ステロイド剤)

 

シニアの方に見られるのは加齢性白内障でしょう。症状としては、物がかすんで見える、ぼやけて見える、眩しくなる、暗い所で物が見えにくい、近視化する、物が二重や三重に見えるといったものです」

 

白内障の治療法

 

「白内障が軽度で、あまり視力に影響がない場合は点眼薬で進行を予防します。定期的に通院していただき、白内障の進行の予防や合併症のチェックを行っていきます。進行した場合には手術を考慮します。現在ほとんどの場合、手術は切開部分が小さい水晶体超音波乳化吸引術で行います。進行している場合は、水晶体嚢外摘出術(すいしょうたいのうがいてきしゅつじゅつ)を行います。手術で濁った水晶体を取り除くと、光が透過するようになります。水晶体の代わりに人工のレンズ(眼内レンズ)を手術と同時に挿入します。眼内レンズは本物の水晶体と違って焦点は常に一定に固定されたままですので、メガネが必要になります。また日帰りで行えますが通院は必要です。近年では、おおむね遠方も近くも見えるという多焦点眼内レンズというのも出てきていますが、選定療養のため当院の場合でしたらレンズ代が30万円ほどかかります。また、多焦点眼内レンズを挿入しても車の運転などでは眼鏡が必要になる場合もあります」

 

 

◆緑内障

 

「緑内障とは、その人の目の耐えられる圧力を超えて、眼の固さである眼圧が高くなることにより視神経が圧迫され障害が起こり、徐々に見える範囲(視野)が狭くなる病気です。死んでしまった神経を元に戻すことはできませんから、視野を広げることはできません。できるだけ早く発見して適切な治療を行うことが肝心です」

 

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「症状がないのが緑内障の特徴で、見える範囲が外側から欠け始め、中心部まで影響が現れる頃にはかなり進行している状態です。早い人では40歳代から症状が出始めます」

 

緑内障の治療法

 

「初期の症状でしたら点眼薬を使い進行を抑えます。視野の欠損が進行する場合は外科的治療を行います。レーザー療法や線維柱帯切除術などがあります。緑内障とは、一度発症したら一生付き合っていかなくてはならない病気ですので根気よく治療を続けていくことが大切です」

 

 

◆加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせいしょう)

 

「加齢により、網膜の黄斑という部分が正常に働かなくなることで視力が低下する病気が加齢黄斑変性症です。物が歪んで見える、視野全体が暗い、見える範囲が狭い、メガネを変えても視力が改善しないといった症状が出ます。加齢黄斑変性は障害を受けた部分の網膜を再生させることができないので、早期に発見し、ある程度進行をくいとめたい病気です」

 

 

加齢黄斑変性症の治療法

 

「萎縮型の場合はとく良い治療法はありません。滲出型の場合は急激に視力が低下することがあり、抗VEGF療法という新生血管を沈静化させる薬を硝子体内に注射する方法が一般的です。ですが、再発することがあるため定期的な検診が必要です」

 

 

 

(先生のプロフィール)

足立和孝先生/医療法人社団順孝会 あだち眼科理事長。順天堂大学医学部卒業。医学博士、眼科専門医、日本白内障学会会員、日本緑内障学会会員、日本糖尿病眼科学会会員など。順孝会あだち眼科として、埼玉管加須市・久喜市・白岡市・猿島郡に4医院を開設中。『あなたの眼は大丈夫?』(ジュリアン)、『老眼をあきらめるな!」(廣済堂出版)ほか著書多数。

http://adachi-eye-clinic.com/

 

 

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