お買物探偵団

牡蠣の燻製油漬け(木の屋石巻水産)。宮城のカキの美味しさをギュッと閉じ込めました|からだに美味しいお取寄せ(15)

出典:木の屋石巻水産

 

今回は、宮城県のカキを使った絶品グルメ「牡蠣の燻製油漬け」をご紹介します。

 

薬膳において、カキは「気分が落ちる」「眠れない」など、メンタルのトラブルに欠かせない食材です。カキの殻は精神安定の生薬として使われるほど、その効能は高く、うつうつと落ち込んだ気持ちをなごませるパワーが大。もちろん身にも十分に薬効があります。不眠の改善にも役立ち、まさに「癒し系シーフード」なのです。

 

また、血を補い、貧血、立ちくらみ、疲れ目にもおすすめ。そして中医学で老化をつかさどる臓器「腎」のパワーをアップし、アンチエイジングにも効果大。とくに更年期の症状に悩んでいる人には、ぜひとも積極的にとってもらいたい食材です。そのうえ肌にたっぷりと潤いを与える保湿パワーも! 心身の健康と美容に大いに威力を発揮してくれるのです。

 

「濃厚なのにスッキリ上品な味わい」。宮城のカキの魅力を発信する木の屋石巻水産とは

 

国内でカキ生産量2位を誇るのは宮城県。宮城県沿岸は入り江や内湾が多く、潮の流れが穏やかでカキの養殖に適した環境。恵まれた環境で育った宮城のカキは、生食で利用される割合が多く、プリッとした食感、濃厚でありながらスッキリとした上品な味わいが魅力です。

 

出典:筆者にて作成(宮城県石巻市に木の屋石巻水産は本社工場を構えています)

 

そんな宮城のカキの美味しさを堪能できるのが、宮城県石巻市・木の屋石巻水産の『牡蠣の燻製油漬け』

 

木の屋石巻水産は1957年創業。クジラ漁が盛んだった石巻で、クジラ行商からスタートしました。

 

出典:木の屋石巻水産(木の屋石巻水産美里町工場。東日本大震災による津波で、海にほど近い本社社屋と工場は壊滅。2013年、内陸部の美里町に設立された。直売所も併設)

 

そののち日持ちするものをと、いまでも看板商品として高い人気を誇る「鯨の大和煮」缶が誕生。

 

二代目の社長となった木村長門さんが、さらに地元の食材をいかした事業を展開したい、と三陸の魚を使った缶詰もラインナップに加わりました。

 

「缶詰作りは鮮度が命」を掲げ、石巻港で吟味して仕入れたサバやイワシ、サンマをすぐに工場へ搬入。手作業で缶に詰め、早ければ午前中に加工します。

 

冷凍ではなく、朝どれの魚の美味しさを詰め込んだ同社ならではの「フレッシュパック製法」、魚の美味しさを引き出すために厳選した調味料を使用した無添加・無著色の缶詰は、もはや「缶詰の概念を超える美味しさ」のものばかり。

 

出典:木の屋石巻水産(良質な素材、厳選した国産調味料を用いて、ていねいに手詰めで缶詰に。美里町工場では、工場ラインの見学も可能)

 

絶品サバ缶としてメディアに多々取り上げられる「金華さば味噌煮」「金華さば水煮」をはじめとする缶詰は、全国に熱烈なファンがいることで知られています。

 

デリケートなカキ。手間暇かけて完成した味わいは飲み込むのがもったいない美味しさ

 

そんな木の屋石巻水産のラインナップの中でも根強い人気を誇るのが、2018年から販売がスタートした牡蠣の燻製油漬け。「これまで扱っていなかった宮城県ならではの魚介を使った商品にチャレンジを、と開発を進めることになりました」と語るのは三代目である現社長の木村優哉さん。

 

出典:木の屋石巻水産(「牡蠣の燻製油漬け」。原料はカキ、綿実油、食塩のみ。)

 

ところが、カキの缶詰は思ったよりも苦労の連続だったと優哉さんは語ります。

「ほかの缶詰よりもはるかに手間がかかります。カキは極めてデリケート。身が崩れやすいのです。食感をやわらかく維持しながら、風味よく仕上げるために試行錯誤を重ねました」。

 

うっかりすると身がボロボロになり、商品化どころではなくなってしまうカキ。

 

製造工程における取り扱いと、温度管理は徹底する必要がありました。

 

原料となるカキはもちろん、厳選した宮城県産カキをおもに使用。奥松島の海と鳴瀬川と吉田川の合流する栄養豊富な水で育てられたカキは肉厚で、クリーミー。旨みと甘みが豊かなことで知られています。

 

工場に持ち込まれたカキは塩水でボイル。身崩れしないように、温度を調整し手作業で慎重に茹で上げます。「極めて、やさしく取り扱うことが必要です」と優哉さん。

 

そののち、殻が残っていないか目視で検査。「どうしてもカキはむき身にしても殻が残りがち。この過程は当然ながら徹底的に行います」(優哉さん)

 

そして燻製。「わたしたちは燻製を手掛けるのは初めて。まったくわからないので、10数回繰り返しました」。

 

使用するのはカキとベストバランスだったという桜のチップ。そして温度、風味漬けのバランスをトライ&エラー。

 

「熱をかけすぎると色が黒くなり、燻しすぎると味がくどくなるんです」と優哉さんが説明する。

 

その結果、低温で香りづけをする程度の燻し加減で仕上げることに成功しました。

 

燻製にしたカキは、綿実油とともに缶詰に入れて加熱処理して仕上げます。

 

オイルはいろいろと試してみたなかで、綿実油がもっともカキの味わいを損なわず、旨みを堪能できる味わいに仕上がったそう。

 

「時間は短めに。サバ缶の3分の2程度の火入れ加減でやさしく仕上げます」

 

説明にあたって、優哉さんがたびたび口にしたのは「やさしく」という言葉。わが子のようにやさしく大切に扱われたカキは、缶詰に仕上げるまでには、34日を要します。

 

手間暇かけたカキを味わってみました。

 

出典:筆者にて撮影(綿実油で仕上げた牡蠣の燻製油漬け。油はいろいろと試してみたなかで、綿実油がもっともカキの味わいを損なわず、旨みを堪能できる味わいに仕上がったそう)

 

心地よいおだやかな薫香とともに、ふんわりとスモーキーな味わい。そしてしっとりとした濃厚な旨み。その味わいはまるでフォアグラのよう。あるいはテリーヌ。なめらかな美味しさに、飲み込んでしまうのがもったいなくて、キャラメルのように舌の上にとどめてゆるゆる溶かしていく……。思わずそんな食べ方になってしまいます。

 

そして名残惜しくも形が消えていくと、そこには確かな「海の味」。いつまでも、余韻に浸っていたい味わいです。

 

出典;筆者にて撮影(取り出してみると、オイルの海の中に、ころん、ぽってりした身。美しい……)

 

そして濃い旨みがあるのですが、極めてピュアでやさしく「圧がない」風味も魅力。これも「やさしさ仕上げの」賜物!?

 

牡蠣燻製といえば白ワイン、ハイボールのイメージが強いですが、日本酒にもぴったりです。

 

カキの旨みが染み出たオイルは余すことなく使いたい

 

そして、もうひとつのお楽しみ。カキもさることながら、旨みがしみ出たオイルが絶品! もちろんバケットにしみこませていただくのもよし、パスタやサラダに使うのもよし。

 

「ぜひ、余すことなく使っていただきたいです」と力をこめる木村さんのおすすめは、「チーズのオイル漬け」

 

オイルにベビーチーズを入れて冷蔵庫で一晩~二晩漬け込んで置くと、「スモークチーズ」が完成! 牡蠣の旨みもしみ込んで絶品の味わいです。

 

オイルをいかしつつ、牡蠣の燻製油漬で、カキ薬膳メニューを作ってみました。

 

やさしい味わいをいかして、「牡蠣の燻製とナガイモ丼」。ごはんの上に身と、さいの目に切ったナガイモをのせて、オイルをたらり。刻みのりをのせてわさび醤油をかけていただきます。

 

とろけるカキにサクサクナガイモがいいアクセント。そしてオイルがしみたごはんがまたまた美味しい! おだやかな味わいなのでわさび醤油がピタッと合います。

 

出典:筆者にて撮影(牡蠣の燻製とナガイモ丼。カキ同様アンチエイジングに役立つナガイモ、のりを組み合わせたレシピ。オイルをたらすのをお忘れなく!)

 

もう1品。「牡蠣のスクランブルエッグ」。卵を割りほぐし、身、牛乳、オイル適量を加えてオリーブ油とバターを熱したフライパンに入れてかき混ぜて仕上げます。

 

加熱するとカキの身はギュッと味が濃厚に。スモーキーな旨みが卵に加わって、なんとも大人っぽいスクランブルエッグに。おつまみにぴったりです。

 

出典:筆者にて撮影(牡蠣のスクランブルエッグ。こちらはカキの「落ち込み気分改善」の効能を活かし、同じ作用がある卵、牛乳を組み合わせたレシピ。仕上げに刻みパセリ、ピンクペッパーをのせて)

 

木の屋石巻水産では、珍しい「牡蠣の水煮」も販売しています。

 

出典:筆者にて撮影(牡蠣の水煮缶。使用しているのはカキ、水、食塩のみ。まさに「ごまかしのきかない」商品)

 

カキを塩水とともに缶詰に入れて仕上げたものですが、ふっくらもっちりした身、そして旨みいっぱいの缶汁は感動モノ!

 

出典:筆者にて撮影(白濁した缶汁はまさに「旨みエキス」!)

 

スープに使うととんでもなく美味しく仕上がります。

 

こちらも、薬膳レシピとして「カキの美肌豆乳チャウダー」に。オリーブオイルとバターでレンコン、にんじん、たまねぎ、ナガイモを炒めて水を足し、牡蠣の水煮を缶汁と水ごと加えて煮こみ、仕上げに豆乳を加えて味噌で味付けします。

 

カキの身はもっちり、缶汁の旨みで驚くほど美味しいスープに。カキのない時期でもこれがあれば、とんでもなく美味しい「カキチャウダー」がいただけるなんてうれしい!

 

出典:筆者にて撮影(カキの美肌豆乳チャウダー。肌に潤いを与えるレンコン、ナガイモ、豆乳を使用。カキのエキスがしみた野菜も美味しい)

 

ちなみに、木の屋石巻水産では直売所限定で、大型サイズのカキだけを使った「牡蠣の燻製油漬 極」も販売されています。「旨みの海に溺れる」ような味わい! カキ好きはぜひ、現地で入手して食べるべき!

 

出典:木の屋石巻水産(通販されていない「牡蠣の燻製油漬 極」は直売所にて!オイルの旨みもすさまじいです……)

 

やさしくやさしく。

 

「海のゆりかご」から、木の屋石巻水産のいわば「陸のゆりかご」で育まれたカキの缶詰。美味しく、そしてやさしさに満ち溢れたカキ缶で、ぜひ癒されてくださいね。

 

■「牡蠣の燻製油漬け」はじめ「金華さば醤油煮」などの缶詰グルメの数々は、木の屋石巻水産公式サイトでお買い求めください。

 

 

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