めかぶやナガイモで、つらい「膀胱炎」をスッキリ改善
さっきトイレに行ったのに、また行きたくなってトイレリターンの連続……。排尿時の痛みがひどくてつらい……。薬膳の力で、早めに不快な症状を改善しましょう。
膀胱内の「湿熱」を鎮めて、利尿を促す
膀胱炎は尿量が少ない頻尿、排尿時の痛み、不快な残尿感が残る、血尿といった症状がありますが、中医学では膀胱に余分な湿気がたまり、熱をおびた「湿熱」の状態であることが原因と考えます。
出典:photoAC
水湿とは身体の中でスムーズに水が巡らなかったことで発生する、余分な水分。細菌が侵入したり、脂っこいものや刺激物、アルコールの大量摂取などによって水湿が熱を帯びると、湿熱になってしまうのです。
湿熱が膀胱にたまると停滞しやすく、膀胱のもつ正常な働きがスムーズに行われなくなることで不快な症状が発生してしまうのです。湿熱が引き起こす症状として排尿時の灼熱感、尿の色が黄色い、尿に濁りがあるといった特徴がみられます。
よって、対策としてはまず膀胱の炎症を鎮めて、水分代謝を活発にし、利尿を促す食材を取り入れることが大切です。
膀胱炎の慢性化は「老化の証拠」!?
また、膀胱炎は中医学で、おもに下半身の水分代謝をつかさどる臓器「腎」の弱りからも引き起こされます。
中医学では、尿は膀胱に貯蔵され、腎によってその排泄が調節されるとしています。よって、腎と膀胱は関わりが深く、腎の働きが低下すると膀胱にその影響が伝わり膀胱炎が発生しやすくなってしまうのです。
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とくに、年に何度も膀胱炎を繰り返す場合は、そもそも「腎が弱っている」ということ。腎は、老化をつかさどる臓器でもあります。膀胱炎が慢性化しているならば、老化も加速しているという証拠。しっかりと腎のパワーをアップする食材を取り入れて、「トイレ引きこもり状態」を脱するとともに、若返りも図りましょう。
海藻類は症状改善に欠かせない「膀胱炎の神」食材
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おすすめは海藻類。海藻は余分な熱を冷まし、水分代謝をアップするとともに、腎の働きを高める作用があるという、まさに「膀胱炎の神」食材。トリプル効果で早期回復を目指しましょう。忙しいときは戻す手間いらずのめかぶ、もずくや、どこにでもすかさずまぶせる海苔などをこまめに取り入れること。
利尿作用が高い枝豆、とうもろこし、緑豆もやしも体内の余分な湿気を追い払う高い効果があるので積極的に取り入れたい食材。
また、南国のフルーツは体内の炎症を鎮めるのに役立ちます。利尿を促す効果も高い、キウイフルーツ、パイナップルがおすすめです。
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さらに、腎の弱りを改善するために役立つのがナガイモ。腎の働きを強めるとともに、人間のエネルギー源である気を補って免疫力をアップして回復を早めてくれます。膀胱炎にかかりにくい身体づくりのためにも、日ごろから摂取を。そのほか野菜ではブロッコリー、黒きくらげ、魚介類ではイワシ、カキ、ホタテも腎のパワーアップに役立ちます。
また飲みもので対策を図るならば黒豆茶を。腎の働きを高めるとともに、利尿と解毒作用に優れているのです。黒豆のゆで汁であれば、なおパワフルな効果があります。
これらの食材を取り入れるとともに、辛いものや、スパイスが過剰に利いた料理、揚げ物、アルコール類を慎むこともお忘れなく。
「膀胱炎の改善」におすすめの薬膳レシピ
出典:筆者にて撮影(めかぶとナガイモのパスタ)
★めかぶとナガイモのパスタ
腎のパワーをアップするとともに余分な熱を冷まし、利尿作用も兼ね備えたお手軽食材・めかぶと、水分代謝をアップする枝豆、腎を強力サポートするナガイモを組み合わせたレシピ。めかぶとオリーブオイル、かつおぶしは相性バッチリ。ナガイモのサクサク感も心地いい薬膳パスタです。
【材料】2人分
パックめかぶ 2パック
パスタ 200g
ナガイモ 100g
ゆで枝豆 20粒
A(しょうゆ・オリーブオイル 各大さじ2)
かつおぶし 6g
塩・こしょう 適量
【作り方】
①鍋に湯を沸かして、塩を入れて袋の表示通りにパスタをゆでる。
②ナガイモは皮をむいて、5mm角に刻む。枝豆はさやから出しておく。
③ボウルに、パスタ、めかぶ、ナガイモ、枝豆、A、かつおぶしを入れて混ぜ、塩・こしょうで味を調える。
次回は、「風邪対策」におすすめの薬膳情報とレシピをお届けします。
12月7日(火)の配信予定です