知って得する保険の知識(4)経済的負担を支える民間の「介護保険」
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知って得する保険の知識の連載第4回目は「介護保険」についてお届けします。介護サービスを支える公的介護保険は、度重なる改正によって自己負担が増え、自助努力の必要性が年々高まってきています。そこで今回は、介護の経済的負担を軽減する「民間介護保険」についてご紹介します。
高齢化の進展とともに高まっている介護リスク
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我が国の平均寿命(2020年現在、男性は81.64 年、女性は87.74年)※1は1990年から2020年の約30年間で5年以上伸びており、今後の20年間でも約2年伸びると推計されています※2。
※1.厚生労働省:令和2年簡易生命表より
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life20/dl/life18-02.pdf
※2.内閣府:令和元年版高齢社会白書より
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2019/html/zenbun/s1_1_1.html
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高齢化の進展とともに高まっているリスクが、「介護」です。要介護(要支援)認定者数は、2021年4月現在、約684万人(男性が217万人、女性が467万人)※3で、この20年間で約3倍に増え、特に近年、増加のペースが拡大しています※4。
※3.厚生労働省:介護保険事業状況報告(令和3年5月暫定版)より
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m21/dl/2105a.pdf
※4.厚生労働省:介護保険事業状況報告(令和元年度)より
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/19/dl/r01_point.pdf
出典:筆者にて作成
ただし、すべての介護サービスが公的保険の対象となるわけではなく、要介護度により受けられるサービスや支給限度額が決まっています。限度額を超過した分は、基本的に全額自己負担=家族の負担となります。こうした経済的ニーズに応えるのが民間の介護保険なのです。
女性に人気の「介護保険」は?
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民間介護保険の加入者は、50代、60代などの子育てを終えた世代で、親や家族などの介護を経験し、「自分自身の介護が心配になったから」という人が多いようです。また、男性よりも女性の方が長生きであることから、女性の方が加入への関心が高い傾向にあります。その女性に人気の介護保険のひとつに「朝日生命 介護保険」があります。特徴はなんといってもバリエーションの豊富なところです。
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例えば「年金タイプ」と「一時金タイプ」が用意されているのも特徴のひとつです。介護状態になると、ある程度まとまった金額を必要とするケースも多く、「一時金タイプ」の方が人気が高いようです。
また、「要支援2」以上の認定で一時金が支払われるタイプや保障範囲に後述する軽度認知障害(MCI)を含めるタイプも用意されています。「要介護1」以上の認定でその後の保険料は不要になるという点と、豊富なバリエーションが人気を支えているようです。
同社の「認知症介護一時金保険D 」は認知症介護を一時金で手厚く保障するもので、
I型(認知症診断一時金あり)の場合、早い段階から認知症を保障します。公的介護保険制度の要介護1以上と認定されたとき、最大500万円の一時金を受け取れるのです。また、親を被保険者とすることも可能なことも大きな特徴で、被保険者は40~75歳までの方が申込み可能です。
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民間介護保険も他の保険商品と同様に「絶対加入しなければならない」というものではありません。まず、自分が加入している公的介護保険や公的医療保険でまかなえる範囲を確認した上で、加入する必要性をよく考えましょう。
次回は、民間介護保険の商品について、お届けします。
※本記事は情報の提供を目的としており、保険加入その他の行動を勧誘する目的で作成したものではありません。また記事の内容は、記事公開時の情報に基づいております。制度等が変更されることもありますので、ご注意ください。
監修:福地 健/1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®(日本FP協会会員)
構成/まめ得編集部 取材・文/秋山ヒロ(amap企画)