知って得する保険の知識(3)医療保険は安さよりも保障内容で選ぼう
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知って得する保険の知識の連載第3回目は「医療保険」についてお届けします。ここでお話しする「医療保険」とは、国の社会保障制度の「社会保険」に属する「医療保険」ではなく、任意で加入する「医療保険」についてです。
医療保険の選択ポイントは安さよりも保障内容
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保険会社が販売する民間の医療保険は、公的医療保険だけではカバーしきれない医療費などを補うものです。法律によって加入が義務付けられている公的医療保険とは違い任意加入となっています。この任意で加入する保険の中で、病気やケガに対する保険は第3分野と呼ばれ、なかでも人気の高い保険が医療保険です。医療保険には比較的安い保険料の商品もありますが、加入する際は保険料の安さだけでなく、保障内容をしっかり確認して選ぶことが大切です。
女性に人気が高い医療保険は?
数ある医療保険のなかでも、女性に人気の保険のひとつにオリックス生命の「新キュア・レディ」があります。
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乳がんや子宮筋腫といった女性特有の病気はもちろん、胃がんや結腸がんなどすべてのがん(悪性新生物・上皮内新生物)で入院した場合には、女性入院給付金を上乗せ保障するのが人気のポイントです。
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平成29年に女性特有の病気を患った人は約149.3万人。また、乳がん患者数は約22.9万人でした(厚生労働省「平成29年 患者調査」より)。乳がんは30代後半から急増し、さらに年齢を重ねるにつれ、胃がんや結腸がんなどの患者数も増えていきます。この保険は、入院の有無にかかわらず約1,000種類の手術を保障。
公的医療保険制度の給付対象となる手術・放射線治療・骨髄移植、先進医療、骨髄幹細胞の採取術を入院中に受けた場合には、主契約の入院給付金日額の20倍、外来で受けた場合には主契約の入院給付金日額の5倍の手術給付金が、それぞれ何度でも支払われます。
「先進医療に係る費用」については全額自己負担
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また、公的医療保険制度の給付対象とならない先進医療の技術料と同額が通算2,000万円まで保障されます。(交通費、宿泊費などに使える一時金も支払われます)。先進医療とは、厚生労働大臣が承認した先進性の高い医療技術のことで、医療技術ごとに適応症(対象となる病気・ケガ・それらの症状)および実施する保険医療機関(高度な技術を持つ医療スタッフと施設設備を持つ大学病院など)が特定されています。
「先進医療にかかる技術料」は公的医療保険制度の給付対象とならないため全額自己負担となり、高額となる場合があります。ちなみに、1件あたりの先進医療費用は陽子線治療だと約269万円、重粒子線治療では約308万円(出典:厚生労働省「第81回先進医療会議資料 令和元年度実績)もかかります。
引受基準緩和型医療保険にも注目!
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もうひとつ人気なのが「引受基準緩和型医療保険」です。これは持病や過去に大病を患った健康リスクが高い人でも入りやすい医療保険です。ただし、保険料は通常の医療保険よりも割高となります。
そのひとつであるメットライフ生命の「マイ・フレキシィ・ゴールド」は、持病があっても85歳まで申込み可能です。持病の悪化による入院・手術もしっかり保障し、給付金をお受け取りいただけます。また、通院・投薬中でも申込み可能です。「入院一時金型」「短期入院一時金60日型」「入院日数連動60日型」の3タイプが用意されるなど、保障内容の豊富さで人気を集めています。
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最近は保険料に「健康体割引」が適用される保険も人気です。健康体割引とは、BMIや血圧値、あるいは喫煙・非喫煙など、各保険会社の基準に該当する場合に保険料の割引を受けられるものをいいます。
充実した保障内容の保険や持病があっても加入できる保険など、最近では民間の保険商品も選択肢が増えました。そうはいっても、やはり日ごろから健康で過ごすことが1番大切です。バランスの良い食生活や適度な運動などを心がけ、健康な体を維持しましょう。
※本記事は情報の提供を目的としており、保険加入その他の行動を勧誘する目的で作成したものではありません。また記事の内容は、記事公開時の情報に基づいております。制度等が変更されることもありますので、ご注意ください。
監修:福地 健/1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®(日本FP協会会員)
構成/まめ得編集部 取材・文/秋山ヒロ(amap企画)