つらい「口内炎」をタイプ別に解消。 「急性」は大根やキュウリ、「慢性」はかぼちゃやりんご
食事のたびに痛くてつらい口内炎。病院に行くほどではないけれど、なんとも不快な症状こそ、薬膳の出番です。
もくじ
身体にこもった過剰な熱が原因となる「急性口内炎」
一刻も早く改善を図るためには、症状のタイプを見極めることが重要です。
口内炎にはふたつのタイプがあります。まず「急性口内炎」。身体にこもった過剰な熱が、口の中を刺激して炎症を引き起こし、突発的に発生する口内炎です。
出典:photoAC
原因はおもに食べ過ぎ・飲み過ぎや、脂っこいもの、辛いものを摂り過ぎて、中医学で「脾」とよばれる臓器に熱が生じてしまうこと。脾は口との関係が深く、脾の熱は口内の粘膜の炎症につながるのです。また、脾とつながる「胃」の熱も口内炎を引き起こす原因になります。
出典:photoAC
それ以外にも、ストレスや睡眠不足によって「心」とよばれる臓器に、熱をもたせてしまうことも原因のひとつ。この場合は、心と関わりの深い、舌に口内炎ができやすくなります。
どちらにしても、熱や炎症を鎮めて、解毒作用のある食材を取り入れることが改善への近道です。
キュウリや大根、みょうがで熱を冷まして痛みをやわらげる
出典:photoAC
おすすめはキュウリ、大根。熱を冷ます作用が高く、口内の火消しにパワーを発揮します。ナスもつらい痛みをやわらげる野菜。黒焼きにしたものをつぶして、患部に塗るのも症状緩和に役立ちます。
また、みょうがも身体の余分な熱をとる優れた「清熱作用」とともに、炎症を鎮めて解毒する効果があり、口内炎にうってつけの食材です。
出典:photoAC
フルーツであれば、旬のスイカが腫れを抑えて早期回復に貢献します。
舌にできた口内炎には、炎症をクールダウンするとともに、心の熱を鎮めてくれるゴーヤがおすすめ。加熱するより生のままで摂取するほうが、即効性があります。
脾の弱りが原因。再発を繰り返す「慢性口内炎」
出典:photoAC
もうひとつのタイプは「慢性口内炎」。再発を繰り返したり、一度、症状が出るとなかなか治らない傾向がある口内炎です。
こちらは脾の働きが弱く、消化する力が低下して、粘膜が弱っていることが原因。ふだんから疲れやすく、胃腸が弱い人に多く見られます。
このタイプは、脾の働きを高めて根本的な改善を図ることが重要です。
かぼちゃやりんごで、再発をストップ
出典:photoAC
おすすめは、脾を力づけて人間のエネルギー源である「気」を補い、疲労回復にもよいカボチャ。さつまいもも脾を丈夫にして、口内の粘膜を強化します。フルーツでは、りんごが再発防止に役立ちます。
ものを食べるのもつらい……というときは、はとむぎ茶、玄米茶を。脾を強化しながら、炎症を鎮めてくれます。
出典:photoAC
また、どちらのタイプにも共通しておすすめなのが、はちみつ。殺菌作用があり、炎症を抑える作用がとても高いのです。水で薄めたはちみつ水は、つらい痛みを和らげるのに役立ちます。
「急性口内炎」におすすめの薬膳レシピ
出典:筆者にて撮影(みどりおろしとみょうがのそうめん)
★みどりおろしとみょうがのそうめん
熱や炎症を鎮める大根、キュウリをすりおろし、薬味は解毒効果の高いみょうがを添えた口内炎撃退レシピ。夏バテにもおすすめ。さわやかな風味で食欲がないときにも、するするいただけます。
【材料】2人分
キュウリ 1本
大根 3㎝
みょうが 1個
そうめん 2束
めんつゆ 適量
【作り方】
①キュウリ、皮をむいた大根をすりおろす。みょうがは粗いみじん切りにする。
②鍋に湯を沸かし、そうめん袋の表示通りゆでて冷水で冷やし、器に盛りつける。
③②に①をのせてめんつゆをかける。
「慢性口内炎」におすすめの薬膳レシピ
出典:筆者にて撮影(かぼちゃとりんごのはちみつ煮)
★かぼちゃとりんごのはちみつ煮
脾のパワーをアップして口内炎の再発ストップに役立つ、かぼちゃとりんごを使った薬膳レシピ。ホクホクかぼちゃと、トロッとしたりんごにはちみつのやさしい甘さが加わって、癒される味わいです。
【材料】2人分
かぼちゃ 300g
りんご 1/2個
はちみつ 大さじ3
レモン汁 少々
【作り方】
①かぼちゃ、皮をむいたりんごを食べやすく切る。
②鍋に①を入れ、ひたひたの水、はちみつを加えて加熱し、沸騰したら火を弱め、落としぶたをして15分程度煮る。かぼちゃとりんごがやわらかくなったら、レモン汁を加える。
次回は、「増毛」におすすめの薬膳情報とレシピをお届けします。
8月24日(火)の配信予定です。