【株式投資】決算銘柄を狙うコツを伝授!発表直後の大チャンス見逃すな!

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株式投資を始めるとき、「どの株式を買うべきか?」で悩み、前に進めない方も多いようです。
そんな時にオススメなのが、企業が公開している「決算書」をチェックすることです。
「決算書」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、株式投資に役立つ決算書の読み方にはいくつかのポイントがあります。
そこで本記事では、株式アナリストであるロジャー堀が優良企業を見分ける決算書の読み方を初心者の方にもわかりやすく解説します。
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もくじ
決算書とは?決算書からわかること
出典:筆者にて作成(売上と利益)
決算書とは、簡単に言うと企業の成績表です。
人が1年に1回健康診断を受けるように、企業は1年に1回決算をします。近年では3ヶ月に1度の四半期決算も一般的になっていて、こちらは「決算短信」と呼ばれます。
決算書からわかることは、企業の過去、現在、未来のお金に対する体力、実力です。
売上と利益が増加していれば、体力も実力もある企業と言えます。投資家にとっては魅力的な企業ですね。
つい売上に目がいってしまうのですが、売上が上がっていても赤字の場合もあるので、利益も同時に見ることが必要です。決算書では売上と利益を同時に確認することができます。
決算スケジュールとタイミング
出典:筆者にて作成(決算スケジュール)
決算発表は企業の業績を報告するものです。
通常3ヵ月に1度、年に4回発表されます。
年度末にあたる3月が「本決算」という企業が最も多く、締め日(基準日)から約1ヵ月半後に発表されます。
ただし、上場企業がすべて上記の時期に決算発表をするわけではなく、時期は企業によって異なります。
押さえておきたい財務三表
出典:Motion Array(モーションアレイ)
一般的に決算書とは「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の財務三表のことを指します。
それ以外にも「株主資本変動計算書」「個別注記表」などもありますが、まずはこの財務三表を押さえておけば大丈夫です。
貸借対照表
【例】貸借対照表(単位:千円)
勘定科目 |
金額 |
勘定科目 |
金額 |
資産の部 |
負債の部 |
||
流動資産 |
355 |
流動負債 |
155 |
現金及び預金 受取手形 売掛金 商品 有価証券 貸倒引当金 その他 |
100 50 50 100 50 5 0 |
支払手形 買掛金 短期借入金 |
35 30 90 |
固定資産 |
600 |
固定負債 |
200 |
建物付属設備 土地 その他 |
100 500 0 |
長期借入金 |
200 |
負債合計 |
355 |
||
純資産の部 |
|||
資本金 利益剰余金 |
500 100 |
||
純資産合計 |
600 |
||
資産合計 |
955 |
負債合計 |
955 |
貸借対照表(バランスシート)は、企業の財政状態を一覧にしたものです。
バランスシートとも呼ばれ、「B/S(Balance Sheet)」と表記されることもあります。
資産・負債・純資産の状況を一定時点(決算日)で表した書類で、企業の資金調達方法や財政状況を把握するために用いられます。
勘定科目ごとに合計金額を記載するため、一目で資産や負債、純資産の金額を把握できます。
また「資産=負債+純資産」となり、記載される左右の金額は常に一致します。
損益計算書
【例】損益計算書(単位:千円)
科目 |
金額 |
|
本業の利益 |
①売上高 ②売上原価 ❸売上総利益(①‐②) ④販売及び一般管理費 ❺営業利益(❸-④) |
2000 1300 700 300 400 |
通常の利益 |
⑥営業外費用 ❼経常利益(❺-⑥) |
50 350 |
最終的な利益 |
⑧特別利益 ⑨特別損失 ❿税引前当期純利益(❼+⑧-⑨) ⑪法人税等 ⓬当期純利益(❿-⑪) |
10 5 355 100 255 |
損益計算書は、その企業における1年間の収益性・成長性などの経営成績を示す決算書です。
日本でもしばしば「P/L」と表記されています。
損益計算書に記載されている構成要素は、大きく分けて以下の3つです。
- 収益:いくらぐらいの収益が上がったか
- 費用:得た収益のうち、使った費用はいくらか
- 純利益:収益から費用を差し引いた金額
会社の損益は、その会社が定めている本業によって生じたかどうかで分類して損益計算書に記載されます。
また、本業以外で得た損益は、さらに経常的かどうかで分類されます。
このように分類して記載することにより、その年の収益は本業が好調なのか本業以外の影響が大きいのか、といったことも確認可能です。
キャッシュフロー計算書
【例】キャッシュフロー計算書(単位:千円)
①営業キャッシュフロー |
金額 |
当期純利益 減価償却費 有価証券評価損 固定資産処分損 固定資産売却益 売上債権の増減 棚卸資産の増減 仕入債務の増減 |
126 +100 +120 +150 ▲80 ▲40 ▲50 +300 |
営業キャッシュフロー |
356 |
②投資活動によるキャッシュフロー |
金額 |
固定資産の売却に関わる収入 |
+2000 |
投資活動によるキャッシュフロー |
2000 |
③財務活動によるキャッシュフロー |
金額 |
短期借入による収入 短期借入金の返済による支出 長期借入による収入 長期借入金の返済による支出 |
500 ▲1000 1000 ▲3000 |
財務活動によるキャッシュフロー |
▲2500 |
キャッシュフロー計算書とは、期首からどのようにキャッシュが出入りしたのか、期末の残高はいくらか、を計算するための会計書類です。
キャッシュフロー計算書では、キャッシュの変動要因がわかるように、年度単位など、ある一会計期間におけるキャッシュの変動を、営業取引・投資取引・財務取引に区分して表示します。
3つの構造に分けてキャッシュの流れを把握することで、キャッシュの増減理由を明らかにすることが可能です。
なお、上場企業にはキャッシュ・フロー計算書の作成義務がありますが、非上場の場合はその限りではありません。
決算書で注目すべきポイント
決算書にはたくさんの情報が記載されていますが、株式投資では3つのポイントに注目するとよいでしょう。
- 収益性
- 安全性
- 成長性
この3つの項目を業種平均値や他社と比較することで、経営状態を把握しましょう。
では具体的に「収益性」「安全性」「成長性」を調べるにはどうすればよいでしょうか?
株式投資初心者の方がおさえておくべき4つの指標を解説します。
1株当たり純利益(EPS)
EPS = 当期純利益 ÷ 発行済株式数
1株当たり純利益(EPS:Earnings Per Share)は、企業の成長性分析の指標のひとつです。
1株に対して最終的な当期利益(当期純利益)がどれくらいあるかを表します。
1株当たり純資産数値が大きければ、企業の収益性が高く、小さければ収益性が低いことを示します。
EPSの推移を見ることで、企業の収益が好調であったかがわかり、今後の企業の成長見込みを判断する材料になります。
株価収益率(PER)
PER = 株価 ÷ 1株当たり純利益(EPS)
株価収益率(PER:Price Earnings Ratio)は、主に株価が相対的に割安か割高かを判断する株価指標のひとつです。
1株当たり純利益(EPS)に対して、今の株価が何倍かで測られ、倍率が低いほど株価が割安で、高いほど割高という目安になります。
一般的には、PERの目安は、平均15倍と言われていますが、業界・業種によって、基準の数値は異なります。
過去の実績値の平均を比較し、推移を見るのが有用です。
株価純資産倍率(PBR)
PBR = 株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS)
株価純資産倍率(PBR:Price Book-value Ratio)は簿価を基準に株価が割安かどうかを判断する株価指標です。
簿価(会計書類に記載されている資産や負債の価格)に対して株価が何倍かで測られ、倍率が低いほど割安で、高いほど割高とされます。
一般的には、簿価の水準である1倍を下回ると割安とされています。
1株当たり純資産(BPS)
BPS=純資産÷発行済株式数
1株当たり純資産(BPS:Book-value Per Share)は会社の純資産を、発行済株式数で割った数字です。
BPSが高いほど、企業の安定性が高いとされます。
会社四季報では、過去2年分が記載されています。
まとめ
決算書で重点的に確認するポイントは、以下の3つです。
- 収益性:企業の稼ぐ力。他社に比べて、収益力が高ければ魅力的な会社と言える。
- 安全性:主に財務の安全度合い。資金切れで、最悪の場合、倒産しないかという視点。
- 成長性:将来にわたって成長を続けていく可能性が高いか、という視点。
決算書からは企業の経営状況や業績の見通しを確認できます。
今回紹介した3つのポイントに分けて決算書を見ることで、決算書を見たことがない人でもどの項目を見ればよいかがわかるでしょう。
株価は、市場参加者の思惑や期待感、投資家の心理や市場の環境など、さまざまな要因が影響しています。
気になる銘柄の決算発表スケジュールを確認しつつ、決算内容や市場のトレンドなどをもとに、株価の動向を予測していきましょう。
【朝の10分間】株で毎日2万5千円の安定収入を目指す方法とは?
出典:筆者にて撮影(ロジャー堀プロフィール画像)
元タカラ社(現タカラトミー社)役員
(その他、複数の上場企業の役員歴あり)
株式アナリスト 投資コンサルタント
ロジャー堀
野村證券、上場企業2社(タカラトミー、インデックス)の役員を歴任し、2007年に日本マネジコを創業。「短期間で倒産寸前の状態から設立以来の絶頂期へと蘇らせるスペシャリスト」として上場企業の経営者から絶大な信頼を寄せられる。
タカラとトミーの合併など日本の経済界に名を残す大企業の再建を成功させるなど、堀氏がプロデュースした企業は数知れず。
これまでに請け負った会社再建で創り上げた時価総額は総額1兆円を超える。著書に『Yahoo!ファイナンス公式ガイド』など。
※本記事は、有価証券への投資を勧誘することを目的としておらず、また売買を推奨するものや利益を保証するものでは御座いません。
投資リスクをしっかりご理解の上、最終的な投資判断はご自身で行うようお願いします。