50代。老後貧乏⋯⋯他人事じゃない! |老後のマネー安心に(19)

出典:編集部にて作成
シニア世代の大きな悩みごとのひとつが「老後のお金」にまつわるあれこれです。
毎日のように、ファイナンシャルプランナー佐々木先生のもとには、老後のお金まわりの相談が寄せられています。その中から、みなさまにもきっと役立つ相談案件をこちらでご紹介します。金融の知識は〝0〟で大丈夫! 気軽に、一緒に勉強して、老後の安心づくりを進めましょう。
【今回のご相談】老後貧乏にならないために、どのように生活を改善すればよいでしょうか?

■年代:50代 ■性別:女性 ■相談カテゴリ:老後のマネー
───今回ご紹介するのは、老後貧乏にならないために、どのように生活を改善すればよいか?というご相談です。
「老後貧乏という言葉を耳にするようになりました。我が家、危ないかも⋯⋯と思っています。コロナの時から、転職せざるを得なくなった夫の給料は下がる一方で、正社員ではないため退職金も期待できません。私のパート収入は扶養の範囲内です」
「子供の学費を払うので精一杯。住宅ローンもまだ残っています。何もかもが高くなって、節約しているつもりですが、生活レベルは落ちる一方です。物価は上がっても給料は上がらない。貯金なんてできない。それどころか減ってしまいました」
「今は、両親からの援助もあり生活できていますが、いずれは、両親の介護等で経済的な負担を負うことになることも考えなければいけないと思っています。両親も十分な蓄えがあるとはいえませんので」
「国は増税の話ばかりしているように思います。少子高齢化を考えると、私たちの老後の生活、子供たちの未来の生活、どうなってしまうのか⋯⋯不安しかありません。このままでは、間違いなく老後貧乏になってしまいます。今からでは遅いようにも思いますが、どのように生活を改善すればよいのでしょうか?」
【お答え】社会の変化を捉え、計画的に資産形成していきましょう

「出費が増えて生活が苦しくなった。貯金する余裕なんてない。貯金が減っていく。そんな声を多く聞くようになりました。何も考えず、何も知らずにいたら、間違いなく老後貧乏の仲間入りです」
「節約をしているつもりでは、将来の不安は回避できません。今までと同じように生活しているのに、なぜ生活が苦しくなってしまうのか、この先、社会はどのように変化していくのか⋯⋯。国の制度に関心を持って、変化に対応する準備をすることが重要です」
「2026年以降、日本が激変すると言われています。まず、2025年問題(団塊の世代が全員75歳以上になる)が頭に浮かぶ人も多いでしょう。医療費・介護費が大幅に増えることが予想されます。その財源は⋯⋯社会保険料・増税、国民の負担が増えることは、容易に想像できると思います」
「新たな増税が検討されています。国民年金の保険料納付期間延長(60歳→65歳)。子育て支援金。防衛特別所得税。たばこ税増税。退職金課税の見直し⋯⋯等々。年収106万円の壁も家計に大きく影響しますね。短時間労働者の社会保険加入要件はどう変わっていくのか⋯⋯」
「変動金利の住宅ローンを選択している場合は、金利上昇による返済額の増加も家計に大きく影響します。そして、止まらない物価高。食料品や日用品の価格上昇は、家計を圧迫する最大の要因ですね。では、どうしたらいいのか?まずは、家計の収支を把握しましょう」
「老後のために今から見直すこと。
『支出を減らす』固定費の見直し(生命保険・通信費など)・無駄な支出の削減。月に2,000円減らせれば、年間24,000円の節約になります。
『収入を増やす』働けるうちは少しでも収入を増やしましょう(副業・隙間時間の有効活用)。老後は健康維持にプラスになる無理のない働き方で。
『資産運用』少額からでも始められる制度の活用(iDeCo・NISAなど)」
「社会の変化を捉え、計画的に資産形成していきましょう。まずは、支出を見直し、無駄をなくすこと!老後貧乏にならない将来設計を進めていきましょう」



