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60代。自転車の取り締まりが厳しすぎない? |老後のマネー安心に(13)

出典:編集部にて作成


シニア世代の大きな悩みごとのひとつが「老後のお金」に関するあれこれです。

 

毎日のように、ファイナンシャルプランナー佐々木先生のもとには、老後のお金まわりの相談が寄せられています。その中から、みなさまにもきっと役立つ相談案件をこちらでご紹介します。金融の知識は〝0〟で大丈夫! 気軽に、一緒に勉強して、老後の安心づくりを進めましょう。

 

【今回のご相談】思いがけない自転車のルール違反を注意されて、厳しすぎるのでは?と疑問に感じています

 

■年代:60性別:女性 相談カテゴリ:老後のマネー

 

───今回ご紹介するのは、思いがけない自転車のルール違反を指摘されて、厳しすぎるのでは?と疑問に感じているというお話です。このご相談、老後のマネーとは無関係にも思えるのですが……実は、そうではないのです。

 

「私は車を持っていませんし、日々自転車を使うことが多い生活です。通勤でも使いますし、買い物にも使います。もともとは歩くことが好きでしたので、若いころは重い荷物を持っていてもよく歩いたものでした。ですが今は、買い物した荷物などは自転車に乗せないと、さすがにきつくなりました」

 

「このように、自転車が生活に欠かせないものになっている私に、思いもよらないことが起きました。いつものように自転車で買い物に行く途中のことです。後ろから呼び止める声がして、振り返ると警察官でした。落とし物でもしたのかと思いましたが……そんなのんきな話ではありませんでした」

 

「『一時停止で止まりませんでしたね』と言われたのです。罰金はありませんでしたが、名前や住所など聞かれました。緑色の紙を渡され、それは自転車指導警告カードでした。もちろん事故を起こさないように気を付けて運転はしていますが、そこまで気にもしていなかった一時停止です。完全に自動車扱いだと思いました」

 

「自転車でも大きな事故になることもあると知ってはいますが、自転車のルールが、自転車利用者にはピンときていない現実があると思います。愚痴のようになりましたが……自転車の取り締まりが厳しすぎると思いませんか?」

 

【お答え】危険行為による事故が改善されなければ取り締まりは強化されます。また、賠償責任を負うリスクがあることを意識して行動しましょう。

 

 

「運転中のながらスマホなどの危険な行為が増えて、取り締まりが厳しくなっていると思います。事故を未然に防ぎ利用者を守るためであると、前向きに受け止めたほうが良いかもしれません。事故を起こしてからでは取り返しのつかないことになるかもしれませんから……」

 

「自転車事故による高額賠償事例『神戸地裁・平成2574日判決・賠償額9,521万円』は、よく取り上げられているので、耳にしたことがあるのではないでしょうか。男子小学生が自転車走行中に、歩行中の女性(62)と正面衝突し、女性は頭蓋骨骨折等の傷害を負い意識が戻らない状態となった事故です」

 

「また、私の身近で起きた事例ですが、自転車で走行中に自動車と衝突してしまったという事故がありました。相手は自動車ですから、自転車側は被害者になるとイメージされる方もいると思いますが、過失割合分を負担することとなりました。幸い『日常生活賠償特約(個人賠償責任保険)』に加入していたため、示談交渉も損害保険会社に任せることができ、補償もされたので助かったということでした」

 

「自転車と自動車の事故の場合、自動車の過失が高く、自転車の過失が低くなる傾向にありましたが、最近『自転車側に100%過失』(20241119日時点・大阪地裁で自転車100%過失を認定・自転車側が上告中)という事例がありました。児童が運転する自転車と自動車の衝突事故です。ドライブレコーダーにより、自転車は歩道上を徐行せず赤信号無視、自動車は自転車が飛び出すと予見不可と証明されたことから、このような過失判断になったようです」

 

「高額な賠償責任を負うようなことになれば、残りの人生がかなり辛いものになってしまいます。令和6年111日からは、反則金制度が導入されました。また、自転車指導警告カードは、罰則や講習の対象にはなりませんが警察の記録には残ります。自転車のルール(警視庁のHPなどをチェック)をしっかり確認しておくことが大事ですね!」

 

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