〝伯方の塩〟の原産地とは?|お買い物トリビア(98)

「伯方の塩」といえば、日本を代表する自然塩として、長年多くの人に愛されてきた定番商品ですね。海の恵みであるにがりを残し、自然塩のまろやかな味わいが評判です。
しかし、ふと疑問に思ったことはありませんか?「伯方の塩」って、本当に伯方島で作られているの?
実は、この答えは「いいえ」なのです。えっ、まさか!?と驚いた方も多いのではないでしょうか。一体、「伯方の塩」の原産地はどこなのでしょうか?そして、なぜ伯方島で作られていない塩に「伯方の塩」という名前が付けられたのでしょうか?「伯方の塩」の意外な真実を知り、日本の塩の歴史や文化について理解を深めていただければ幸いです。
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お買い物トリビア「〝伯方の塩〟の原産地とは?」の答えはこちら。わかりましたか?
出典:photoAC(真っ白な自然塩の盛り塩)
正解は、「 メキシコまたはオーストラリア 」でした。
「伯方の塩」といえば、愛媛県伯方島で作られているイメージですよね。しかし、実はそうではないのです。伯方の塩は、メキシコまたはオーストラリアで採れた天日塩を原料としています。
なぜ日本産の塩ではないのでしょうか?実は、昔は日本各地で塩田で作られていた塩(自然塩)でしたが、昭和40年代にはほとんど姿を消してしまいました。その理由は、海水を煮詰めて塩を作るには多くのエネルギーが必要だったからです。高度経済成長期に入り、エネルギー効率の高い工場製塩が主流となったため、塩田は次々と閉鎖されていったのです。
しかし、自然塩ならではのまろやかな味わいを求める声が高まり、伯方島の塩田を残してほしいと運動が起きました。その結果は、塩田を残すことには至りませんでしたが、厳しい生産上の制約を満たせば作っても良いという許可が出たそうです。その制約のひとつに、「 国がメキシコやオーストラリアから輸入していた「原塩(天日塩田塩)」を利用すること。海水から直接塩を作ってはいけない」という項目があったのでした。
「伯方の塩」の名前には、「伯方島の塩田を復活させたい」という多くの人々の願いが込められているのですね。