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60代。子供がいない夫婦の相続人は誰に? |老後のマネー安心に(5)

出典:編集部にて作成


シニア世代の大きな悩みごとのひとつが「老後のお金」に関するあれこれです。

 

毎日のように、ファイナンシャルプランナー佐々木先生のもとには、老後のお金まわりの相談が寄せられています。その中から、みなさまにもきっと役立つ相談案件をこちらで紹介します。金融の知識は〝0〟で大丈夫! 気軽に、一緒に勉強して、老後の安心づくりを進めましょう。

 

【今回のご相談】子供がいない夫婦の場合、全財産を配偶者に渡すことはできるのでしょうか?

 

■年代:60性別:男性 相談カテゴリ:老後のマネー

 

───今回ご紹介するのは、子供がいない夫婦の相続の場合、配偶者に全財産を渡すことはできますか?というご相談です。

 

「私たち夫婦は子供には恵まれませんでしたが、大きな喧嘩をすることもなく仲良く過ごしてきました。程よい距離感でいられることが夫婦円満の秘訣かもしれません。お互い仕事をしていますから、経済的に困るようなこともなく、旅行や趣味なども楽しんでいます」

 

「そんな穏やかな生活のなかで、心配なことができました。健康診断で要検査項目が見つかり、検査することとなりました。今すぐに治療が必要ということではありませんが、生活習慣病は他人事だとのんきに思ってはいられなくなりました」

 

「私に何かあれば、妻に負担をかけてしまいます。また、子供がいない私たちの相続はどうなるのだろう?と心配になりました。財産は全て妻に残したいと思います。私の両親はすでに他界しており、兄弟が二人いるだけです。ギャンブル好きな兄とは音信不通で、私の財産を渡すようなことは絶対にしたくありません。アドバイスをお願いします」

 

【お答え】配偶者に全財産を相続させるという内容で遺言を作成しましょう

 

 

「子供がいないご夫婦の相続人は誰になるのか? 配偶者と親(直系尊属含む)となりますが、親が亡くなっている場合は、配偶者と兄弟姉妹(甥姪の代襲相続含む)となります。その法定相続分は、配偶者が4分の3・兄弟姉妹が4分の1の割合となります」

 

「こんなケースがありました。お子様はいませんでしたが、とても仲の良いご夫婦でした。旦那様が病気で亡くなり、しばらくしてから旦那様のご兄弟から財産分けの請求がきました。財産分けをしなければいけないのでしょうか?というご相談でした」

 

「旦那様の兄弟も相続人となります。遺産分割協議は相続人全員で話し合いをして合意を得ることが必要です。その際に旦那様の兄弟から法定相続分を主張されれば、そのとおりに分割することとなります」

 

「全財産を妻に残したい、兄弟と遺産分割協議をさせるのは避けたい、そう思われるのであれば、『配偶者に全財産を相続させる』という内容で遺言を作成することで有効な対策となります。なぜなら、兄弟姉妹には遺留分(法定相続人に最低限保障される遺産取得分)の権利がないからです」

 

「ご自身も、奥様の兄弟姉妹と遺産分割協議はしたくないと思うのであれば、夫婦揃って遺言を作成しておくとよいでしょう。相続でもめることになると、その後の関係も良くなくなります。奥様と相談しながら、早めに作成することをお勧めします」

 

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