害虫アザミウマの駆除方法から予防法まで紹介
出典:photoAC
農作物や花を育てている方のなかには「アザミウマの駆除方法が知りたい」「どのような防除方法があるの」と悩む方も多いでしょう。
アザミウマが発生している場合、花が咲かなくなる、収穫量が減る場合があるなどの被害があり、駆除したいと考えるのは当然です。
害虫のアザミウマは農薬を使用したり、天敵による捕食を促したりするなどの駆除方法があります。
本記事ではアザミウマの駆除方法や起こり得る被害、発生しやすい作物や防除方法などを解説します。
アザミウマを駆除したい方や、作物の被害を減らしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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駆除対象 | 害虫・害獣全般 | 害虫全般 | 害虫全般 |
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対応エリア |
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全国 |
対応時間 | 24時間365日 | 業者により異なる | 24時間365日 |
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アザミウマの駆除方法
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害虫のアザミウマを駆除するためには、葉を手で取り除いたり高温環境で駆除したりする方法があります。
アザミウマの駆除方法について解説します。
葉を手で取り除く
アザミウマの駆除方法として最も簡単なのは、葉を手で取り除く方法です。
小さい種類が多いアザミウマは、一匹ずつ見つけるのは難しいため、葉ごと処分すると効率よく駆除できます。
葉に白や褐色の斑点がついていたり、葉の形が丸まりおかしな形に変化していたりする場合は、葉にアザミウマが寄生している可能性があります。
被害が出ている葉を見かけたら葉を手で取り除き、葉ごと処分しましょう。
取り除いた葉を処分する際は、アザミウマがほかの葉に移らないように、殺虫剤を使用するか袋で密封する必要があります。
葉を手で取り除く方法は、アザミウマの最も簡単な駆除方法ですが、時間と労力がかかるため、ほかの駆除方法との併用がおすすめです。
高温環境で駆除する
ハウス内でアザミウマを駆除する方法として、高温環境で駆除するやり方が効果的です。42℃~45℃で5分~15分程度、ハウス内を高温環境にするとアザミウマを駆除できます。
ただし1週間おきに2~3回おこなう必要があり、手間がかかるのをデメリットに感じる方はいるでしょう。
作物も一時的に高温環境にさらされるため、思うように育たない、枯れてしまうなどの可能性があります。
ハウス内を高温環境にしてアザミウマを駆除する際は、作物が高温でも耐えられる品種なのかを確認する必要があります。
また高温での駆除をおこなう前は、作物に十分な水やりをしてからにしましょう。
農薬を使用する
アザミウマの効率的な駆除方法として、農薬を使用する方法も有効です。
農薬を使用すると、ほかの駆除方法と比べて手間をかけずに対策ができ、即効性も期待できます。
アザミウマは卵から幼虫、蛹、成虫と完全変態をしながら繁殖していく害虫です。
農薬を使用する際は、ふ化や羽化したあとにも継続的に駆除できるように、即効性農薬とともに長期的な効果が期待できる農薬を使用しましょう。
基本的にフェニルビラゾール系や有機リン系の殺虫剤、キチン合成阻害剤などの効果が高いとされています。
ただしアザミウマの種類や成長段階により効果のある成分が異なるため、状況に応じて農薬を選ぶ必要があります。
農薬を使用する際には、農薬ごとの散布方法や注意事項をよく確認してから使用しましょう。
天敵による捕食を促す
天敵となる生物農薬を使用して、アザミウマを駆除する方法も選択肢の一つです。生物農薬とは害虫の天敵を放して、アザミウマを捕食させ作物の被害を抑える方法を指します。
スワルスキーカブリダニやタイリクヒメハナカメムシなどは、アザミウマを捕食するため、駆除効果が期待できます。
ただし生物農薬となる虫の生態も理解する必要があり、単純に放すのみでは効果的な駆除はできない可能性があるため注意が必要です。
生物農薬となる虫を定着させる難しさに加えて、場合により別の被害が出るおそれもあり、気軽にできる駆除方法ではありません。
アザミウマの駆除方法として覚えておき、天敵による捕食を促す際には、専門家の意見を聞きながらおこなうほうがよいでしょう。
アザミウマの特徴
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害虫のアザミウマを駆除、防除するためには、特徴を理解しておくことも大切です。
アザミウマの生態や種類について解説します。
アザミウマの生態
アザミウマは雑草にもいる身近な虫ですが、植物のすき間に潜んでいるうえに体長が小さく、一般の方にあまり知られていない害虫です。
体長は1~2mm程度の微小な害虫で、成虫の体色は黄色や褐色、黒色系で種類により異なります。
成虫の胴体は細長く頭部から2本の触覚が伸びており、口の器官で植物に穴を空け、植物汁や破壊した組織などをエサとして食べています。
アザミウマは別名スリップスとも呼ばれ、まとめてアザミウマ類と呼ばれますが、日本国内で200種以上が確認されている害虫です。
4月~10月の温暖な時期に発生し、卵から成虫になるまで20日程度と生育サイクルが早く、対策を怠ると大量発生します。
また生育サイクルが早いため、農薬や殺虫剤に対する耐性が発達しやすい特徴があります。
アザミウマの種類
日本国内で発生する、主なアザミウマの種類は次のとおりです。
- ネギアザミウマ
- チャノキイロアザミウマ
- ミカンキイロアザミウマ
- ミナミキイロアザミウマ
- ヒラズハナアザミウマ
それぞれの特徴や発生する地域などは、次の表を参考にしてください。
種類 |
体長や体色 |
分布 |
ネギアザミウマ |
雄成虫:1.1~1.6mm 夏:黄色~黄褐色 冬:黒褐色 |
日本全国 在来種 |
チャノキイロアザミウマ |
雄成虫:0.8mm~1.0mm、黄色 雌成虫:0.7mm~0.8mm、黄色
|
日本全国 YT系は在来種 |
ミカンキイロアザミウマ |
雄成虫:1.4~1.7mm 夏:黄土色 冬:茶褐色 雌成虫:1.0mm~1.2mm、淡黄色 |
日本全国 海外からの侵入種 |
ミナミキイロアザミウマ |
雄成虫:1.2mm~1.4mm、黄色 雌成虫:0.9mm~1.0mm、淡黄色 |
本州、四国、九州、沖縄 海外からの侵入種 |
ヒラズハナアザミウマ |
雄成虫:1.3mm~1.7mm、褐色~黒褐色 雌成虫:1.0mm~1.2mm、淡黄色 |
日本全国 在来種 |
アザミウマの種類により、成虫の体色や体長が若干異なります。
アザミウマ類は幼虫で見分けるのは困難なため、成虫の体色や体長で判断するようにしてください。
アザミウマによる被害
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別名スリップスとも呼ばれるアザミウマは、さまざまな植物に寄生して被害をもたらします。
アザミウマによる被害について解説します。
葉が斑点状に変化する
害虫のアザミウマに寄生された葉は、斑点状に色が変化してしまいます。
アザミウマのエサは植物汁や花粉などで、葉に針を突き刺して穴を空け、内部の汁を吸いとります。
加害されている葉は傷がついて色が抜け、葉の表面に白や褐色の斑点が出るため注意が必要です。
放置するとアザミウマが爆発的に繁殖し、被害が出た葉以外にも寄生してほかの作物にも蔓延するおそれがあります。
斑点状に色が変化している葉を見かけたら、先ほど解説したとおり葉ごと処分して、被害を広げないように対策しましょう。
花が咲かなくなる場合がある
アザミウマが花に寄生して被害が進むと、花が咲かなくなる場合があります。
植物の花粉を好んで食べるアザミウマは葉の斑点が主な被害ですが、対策を怠ると植物全体に被害が広がるためです。
また花の場合、アザミウマは蕾が開きはじめたときに花弁のすき間から侵入して加害します。
初期は花弁の一部にシミのような変色が表れ、被害が広がると蕾のまま花が咲かない、早く咲き終わるなどの被害が出ます。
花弁の変色や葉が斑点状に変化しているのを見かけた場合は、アザミウマがいる可能性が高いため、早めに駆除しましょう。
果実が大きくなりすぎる
アザミウマによる被害は、果実が大きくなりすぎるケースもあります。
果実のなる植物の場合、アザミウマの幼虫が内部に潜り込み吸汁すると、果実の肥大が引き起こされるためです。
果実が肥大すると表面上に線状の被害痕が生じて、見た目も悪くなります。
とくにナス科やウリ科の野菜に与える被害は深刻で、ナスの場合は果実が肥大するとともに、果実の表面に茶褐色の縞筋状被害痕が出ます。
果実が大きくなりすぎる被害のほかにも、果実が通常の大きさに育たない、表面に黒ずみが出るなどの可能性があり深刻です。
果実のなる植物を育てる場合は、常にアザミウマの被害を念頭におき、必要に応じて対処する必要があります。
収穫量が減る場合がある
害虫のアザミウマの被害として、収穫量が減る場合があるため要注意です。
アザミウマはウイルスの媒介になるおそれがある害虫としても有名で、黄化えそ病やトスポウイルスなどのウイルスを媒介します。
ウイルスが発症すると植物の生育が抑制されて、収穫量自体の減少につながります。
たとえばタマネギやネギなどは、アザミウマの寄生によりウイルスが発症した場合、変色したあと最終的にはしおれたり、枯死したりするため要注意です。
アザミウマはウイルスの媒介により、作物の収穫量を減らす可能性があり、早めの対策をおすすめします。
アザミウマが発生する作物
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さまざまな被害をもたらすアザミウマは、発生しやすい作物があります。
発生しやすい作物を把握しておけば、対策が早めにおこなえるため、よく確認しておきましょう。
アザミウマが発生しやすい作物について解説します。
野菜
アザミウマが発生しやすい野菜の一例は、次のとおりです。
- ナス
- トマト
- ネギ
- キュウリ
- ピーマン
- アスパラ
- 春菊
アザミウマはナス科やウリ科などに発生しやすく、被害が大きくなりやすい傾向があります。
野菜への被害の有無や大きさは、野菜とアザミウマ類の組み合わせにより異なります。
種類によりナス科全般に発生する種類のアザミウマや、トマトには発生しないアザミウマもいるため注意が必要です。
とくにナス科やウリ科の作物を育てる場合は、アザミウマの被害を受けやすいと認識し、いつでも対策できるように心がけましょう。
果実
果実のなかでアザミウマが発生しやすいのは、主に次の作物です。
- スイカ
- いちご
- メロン
- ブドウ
- 柑橘類
- 柿
果実もスイカやメロンなどのウリ科が、アザミウマが発生しやすいため要注意です。
またバラ科のイチゴやミカン科の柑橘類も、被害を受けやすい果実です。
野菜と同様にアザミウマの種類によりイチゴに寄生する種類もいれば、ミナミキイロアザミウマのようにイチゴには被害を出さない種類もいます。
ウリ科やブドウ科、ミカン科などの果実を育てる場合は、アザミウマの被害が出ないように必要に応じて対策しましょう。
花卉
アザミウマの被害が発生しやすい主な花卉は次のとおりです。
- バラ
- カーネーション
- アジサイ
- ツバキ
- シクラメン
- マリーゴールド
花卉に関してはバラ科やナデシコ科などの特定の種類にかかわらず、さまざまな花卉で被害が発生します。
ミカンキイロアザミウマやヒラズハナアザミウマの被害が多く、次いでネギアザミウマの被害も多いとされています。
アザミウマは4月~10月の温暖な気候を好むため、暖かい時期に花卉を育てる場合は注意が必要です。
葉が斑点状に変色したり、花弁の変色が見られたりした場合は、アザミウマが発生している可能性が高いためすぐに駆除しましょう。
アザミウマの防除方法
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害虫のアザミウマを発生させないためには防除方法を知り、対策をおこなうと効果的です。
アザミウマの防除方法について一つずつ解説します。
繁殖しにくい環境を作る
基本的な防除方法として、アザミウマが繁殖しにくい環境を作る必要があります。
雑草はアザミウマが冬を越すのに最適な環境であるため、繁殖させないように周辺の除草をおこないましょう。
成虫の飛翔能力は5m程度のため、定期的に作物の周囲約5mを除草すると、アザミウマが寄生する可能性を大きく下げられます。
またアザミウマは花にも寄生しやすく、定期的に摘蕾をおこなうのも効果的な防除方法です。
一年を通して除草と摘蕾を定期的におこない、アザミウマが繁殖しにくい環境を作ると、作物に被害が発生しづらくなり、効果的な防除対策ができます。
防虫ネットを設置する
防虫ネットを設置して、物理的にアザミウマが寄生できないようにする防除方法も有効です。
網目が0.4~1mm程度のアザミウマに対応した防虫ネットが販売されており、使用すると防除効果があります。
アザミウマは赤色を認識できない特徴があるため、赤色のネットの使用がおすすめです。
赤色の防虫ネットを使用すると、アザミウマからは真っ黒なカーテンで覆われているようにしか、認識できないとされています。
防虫ネットを選ぶ際は網目の細かさと、ネットの色に注意して選び、アザミウマの被害から作物を守りましょう。
反射光を設置する
アザミウマの防除方法として、反射光を設置する方法もあります。
アザミウマは光の乱反射が苦手なため、反射光を設置すると防除対策として効果的です。
作物のマルチシートをシルバーにしたり、銀色の反射テープを使用したりする方法がおすすめです。
また防虫用のLEDライトを使用して、アザミウマを予防する防除方法もあります。
マルチシートや反射テープは、大きなコストをかけずにアザミウマを予防できるうえに、農薬を使用しないため、無農薬の作物にも向いています。
またアザミウマを予防するだけではなく、雑草を生えにくくする効果も期待できる防除方法です。
着色粘着テープを設置する
着色粘着テープを設置するのも、アザミウマの有効な防除方法です。
アザミウマは黄色や青色に強く引き寄せられる習性があり、黄色や青色の粘着テープを仕掛けるとトラップになり作物を守れます。
株元に設置するのみでよいうえに、コストもかからないため試しやすい防除方法です。
コストはかかりませんが、ある程度時間が経過したら粘着テープを取り替える必要があります。
防除方法としても有効ですが、アザミウマが発生したときの駆除方法としても使用できる点がメリットです。
育てている作物をアザミウマの被害から守りたい場合は、着色粘着テープも効果的なため、積極的に使用しましょう。
連作を避ける
最後にアザミウマの防除方法として効果的なのは、連作を避けるやり方です。
アザミウマは温暖な気候のなかで繁殖を繰り返し、爆発的に増殖するおそれがあります。
とくに蛹は土のなかにいるため、寄生されている事実に気付かずに連作すると、新しく育てた作物にもすぐに繁殖する可能性が高く要注意です。
連作を避けるとアザミウマが繁殖しづらくなり、作物を被害から守れます。
ただし連作を避けても、アザミウマが寄生する作物の種類は多いため、被害が続く可能性もあります。
被害が続く場合は1か月ほど作物の栽培をおこなわずに、期間をあけましょう。
期間を空けると成虫のアザミウマはエサがなくなり死滅するため、確実に被害をなくせます。
一度期間を空けたらほかの防除方法を活用して、作物をアザミウマから守りましょう。
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それぞれ、特徴を紹介するためぜひ参考にしてみてください。
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まとめ
出典:photoAC
害虫のアザミウマの駆除方法や受ける可能性のある被害、発生しやすい作物や防除方法などを解説しました。
アザミウマを駆除する方法は、主に次の4種類です。
- 葉を手で除去
- 高温環境で駆除
- 農薬を使用
- 天敵による捕食
アザミウマはナス科やウリ科の作物に被害が出やすく、果実が大きくなりすぎる、収穫量が減る場合があるなどの被害が発生します。
またほかにもさまざまな作物に寄生するため、早めの対策が必要です。
作物をアザミウマの被害から守りたい方は、本記事で解説した防除方法を参考に対策をおこない、安全に作物を育てましょう。
※本記事の情報は2024年6月公開時点のものです。
※最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。
※商品・サービスに関するお問い合わせは、サービス提供元まで直接ご連絡をお願いします。
※本記事には提携する企業のPR情報が含まれます。