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スズメバチの巣を見かけたら危険!適切な駆除方法とは

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生活圏内には多種多様な虫がいますが、毒針で人を襲う可能性のあるスズメバチはとくに注意が必要です。

 

しかし、スズメバチは予期せぬ場所やタイミングで人間を襲う可能性があるため、常に気を使って身を守ることは難しいでしょう。

 

スズメバチへの適切な対応を知っていれば、予期せぬ場所やタイミングでスズメバチを見かけても被害を最小限に抑えられます。

 

本記事では、スズメバチを適切に駆除するための手順や注意点について解説します。

 

ハチの種類を見分けることが難しいと感じる方も、スズメバチの見分け方から解説するのでぜひ参考にしてみてください。

 

身近にあるスズメバチの被害とは

 

出典:photoAC

 

スズメバチの被害は、人間にとって身近なところで起こります。

 

厚生労働省の人口動態調査(2019)によると、国内のハチによる刺傷事故での死者数は、熊による事故の死者数を上回るほどです。

 

ここでは、身近にあるスズメバチの被害について解説します。

 

参照元:令和元年(2019)人口動態統計

 

スズメバチの被害は庭や公園が多い

 

スズメバチによる被害の多くが、庭の手入れをするときに起こっています。

 

スズメバチによる被害が庭で起こる主な原因は、庭の木に巣が作られたり、花にハチが寄り付きやすかったりということが挙げられます。

 

また、春から夏にかけて庭の木や雑草が成長する時期と、スズメバチが活性化する時期が重なることも考えられるでしょう。

 

通常よりも庭にスズメバチが飛び回りやすい時期に庭の手入れをするときは、巣の有無を確認したり、肌の露出がない服を着るなどの対策をおこないましょう。

 

さらに、スズメバチによる被害は公園でも起こりやすいです。

 

子どもを連れて遊んでいたり、犬の散歩をしていたりするときにスズメバチに刺されるケースがあります。

 

子どもと公園に遊びに行くときや、愛犬の散歩をするときも油断せずにスズメバチに対して警戒することが必要でしょう。

 

予測できないケースも

 

スズメバチによる被害を防ごうと対策をしても、予測できない場面で被害が起こるケースもあります。

 

予測できないケースで多いのは、洗濯物にスズメバチが混入しており、取り込むときに刺されるケースです。

 

洗濯に使用する洗剤や柔軟剤の匂いには、ハチが好む成分が含まれていることがあります。

 

また、スズメバチはひらひらと動くものに反応しやすいため、風になびく洗濯物に寄ってくることも多いです。

 

万が一、家の近くにスズメバチの巣を見つけたら、匂いの強い洗剤や柔軟剤の使用を控えたり、部屋干しに切り替えたりして対策しましょう。

 

ハチの種類の見分け方

 

出典:photoAC

 

人間の生活圏内に現れる主なハチの種類は次のとおりです。

 

  • ミツバチ
  • アシナガバチ
  • スズメバチ

 

それぞれのハチの種類の見分け方について解説します。

 

ミツバチ

 

ミツバチは、アシナガバチやスズメバチに比べると攻撃性が非常に低いです。

 

胴体はずんぐりと太めで、全体的に丸い印象であればミツバチの可能性が高いでしょう。

 

また、巣の形状からもハチの種類を見分けられます。

 

ミツバチの巣は板型で、大きさは最大1mほどです。

 

アシナガバチ

 

アシナガバチは、スズメバチに比べると大人しい性格ですが、刺激を与えると攻撃的です。

 

胴体が黄色っぽく、脚が黄色ければアシナガバチの可能性が高いでしょう。

 

アシナガバチは、後ろ脚をだらりと垂らしてふらふらと飛んでいることが多く見受けられます。

 

スズメバチよりも飛ぶスピードが遅いため、スズメバチに比べると見かけたときに逃げやすいです。

 

また、アシナガバチの巣はお椀のような形で、灰色がかった色をしています。

 

巣を作る場所は、木の枝や軒下などの開放的な場所が多いため、庭の木や家の軒下を注意して見ておくとよいでしょう。

 

スズメバチ

 

スズメバチが持つ毒は「毒のカクテル」と呼ばれるほど毒性が強いです。

 

スズメバチは、同じ針で何度も刺すことが可能で、刺すたびに毒が効きやすくなります。

 

そのため、スズメバチに刺されたらいち早く治療を受けなければなりません。

 

スズメバチは胴体がオレンジ色っぽく、脚は黒いものが多く見られます。

 

ミツバチやアシナガバチに比べると飛ぶスピードが速く、なめらかに飛び回ります。

 

また、スズメバチの巣は球状であり、全体的に茶色っぽい色です。

 

巣の場所は、開放的な場所にも作りますが、閉鎖的な場所にも作る点がアシナガバチと異なります。

 

土の中や屋根裏、床下、壁の中、樹洞に作る可能性もあるため、注意深く見ておくことが必要です。

 

自力でスズメバチを駆除する手順

 

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家の庭やベランダなどに現れたスズメバチを、自力で駆除する手順は次のとおりです。

 

  • 刺されないように準備する
  • 巣に殺虫剤を噴射する
  • 巣を取り除く

 

それぞれについて解説します。

 

1:刺されないように準備する

 

スズメバチの駆除をするときは巣に近づくため、刺される可能性があります。

 

そのため、まずはスズメバチに刺されないよう準備が必要です。

 

防護服や長靴、手袋などを身に着けてスズメバチに刺されないような格好をしましょう。

 

服の間からスズメバチが侵入しないよう、ガムテープを巻いて隙間を作らないようにしてみてください。

 

また、夜に駆除するときは懐中電灯の準備も必要です。

 

通常の懐中電灯の明かりは、スズメバチが反応する可能性があるためそのまま使用するのは避けましょう。

 

スズメバチを刺激しないよう、赤いセロファンをかぶせたり、赤色のライトのものを用意すると安全性が高まります。

 

2:巣に殺虫剤を噴射する

 

殺虫剤はジェット噴射ができるスプレータイプのものを2本以上用意してみてください。

 

迅速かつスムーズに駆除するために、スプレーを両手に持つことをおすすめします。

 

巣に殺虫剤を噴射するときは、風の向きにも注意し、風上からゆっくりと静かに巣に近づきましょう。

 

巣から2m以上離れた場所から、殺虫剤を巣の穴に向かって噴射します。

 

10分~15分程度連続して噴射し、スズメバチが巣から出てこなくなることを確認してみてください。

 

完全に出てこなくなったら、さらに数十秒間噴射して確実に駆除します。

 

3:巣を取り除く

 

巣からスズメバチが出てこないことと、周辺にもいないことを確認できたら巣を取り除きます。

 

ノコギリで巣の根元から切り落としましょう。

 

巣を切り落としたら、万が一巣の奥に生きているスズメバチがいることを想定し、脱脂綿を詰め込んでおいてください。

 

切り落とした巣やスズメバチの死骸は、厚手のビニール袋に入れます。

 

死んだスズメバチから毒針が出ても刺されないよう、手で拾わずほうきやちりとりを使いましょう。

 

自力でスズメバチを駆除するときの注意点

 

出典:photoAC

 

自力でスズメバチを駆除するときは、次の点に注意しましょう。

 

  • 防護服を着る
  • 夜に駆除する
  • 7月~9月の駆除は避ける

 

注意点を知ることで被害を最小限に抑えられるため、ぜひ参考にしてみてください。

 

防護服を着る

 

スズメバチを駆除するときは防護服を着ましょう。

 

厚手の普段着だとしても、スズメバチの針は4mm~7mmあるため、刺された場合に服で守れず非常に危険です。

 

しかし、防護服を一般人が購入する場合は数万円ほどの料金がかかります。

 

防護服の料金を知って購入を躊躇する方もいますが、大切なのは自身の身を守ることです。

 

自力でスズメバチを駆除するときは、安全性の観点から防護服の購入を検討してみてください。

 

また、自治体によっては防護服のレンタルをしているところもあるため、問い合わせてみるとよいでしょう。

 

どうしても防護服を用意できない場合は、厚手の作業着や雨ガッパでの代用も検討してみてください。

 

夜に駆除する

 

自力でスズメバチを駆除するとき、駆除する時間帯も考慮しましょう。

 

おすすめの時間帯は、スズメバチが活発に活動しない夜です。

 

スズメバチが活発に活動する昼間は、駆除する時間帯として適切ではないため避けましょう。

 

夜の時間帯は辺りが暗く、照明がなければ暗さが苦手なスズメバチは活動できません。

 

自力でスズメバチを駆除するのは非常に危険な行為であるため、夜を狙って駆除しましょう。

 

しかし、スズメバチの一種であるキイロスズメバチは、夜でも周囲の様子を警戒しています。

 

夜だからといって油断しないように注意しましょう。

 

7~9月の駆除は避ける

 

自力で駆除するとき、スズメバチの活動が活発な7月~9月におこなうと非常に危険です。

 

7月~9月は、スズメバチの巣が大きくなっていたり、スズメバチが巣に対して敏感になったりしています。

 

そのため、刺激をあたえると通常よりも攻撃的に襲ってくる可能性があります。

 

7月~9月にスズメバチを駆除したいときは、素人が無理に行わず専門家に依頼しましょう。

 

自力の駆除が難しいなら行政か業者に依頼を

 

出典:photoAC

 

自力でスズメバチの駆除を試みても、安全性を考慮すると駆除できない場合もあります。

 

自力の駆除が難しければ、行政や業者に依頼しましょう。

 

  • 無料で対応してもらえる行政
  • 行政が対応していなかったら業者に依頼
  • 業者に依頼する料金相場

 

依頼について、上記のポイントを踏まえて解説します。

 

無料で対応してもらえる行政

 

自治体によりますが、スズメバチの駆除について無料で応じてくれるところがあります。

 

たとえば、東京都北区では足場代や工事費が自己負担になるものの、駆除自体は無料です。

 

事業用に供していない持ち家(分譲マンションなど含む)の敷地内に出来たスズメバチの巣について、保健所からの業者派遣により公費で巣を撤去します。

引用元:東京都北区「スズメバチの巣の撤去」

 

また、無料ではなく駆除費用の一部を負担する自治体もあります。

 

前橋市内にできたスズメバチの巣の駆除を市の指定業者へ依頼した場合、駆除費用の一部を市が補助します。

引用元:群馬県前橋市「スズメバチの巣駆除費用の一部を補助します」

 

しかし、自治体によって対応方法が異なるため、お住まいの自治体の公式サイトで確認しておくとよいでしょう。

 

自治体に問い合わせるときは「環境課」「環境衛生課」が窓口になっていることが多く見受けられます。

 

行政が対応していなかったら業者に依頼

 

行政が対応していない場合は、スズメバチ駆除の専門業者に依頼しましょう。

 

スズメバチの駆除は、巣の場所や大きさ、時期によって対処方法が変わります。

 

そのため、自力での駆除は非常に危険かつ困難なことです。

 

専門業者に依頼すれば、料金はかかりますが適切な方法で駆除してもらえます。

 

専門業者を選ぶときは、次のようなポイントを踏まえて信頼できる業者を選びましょう。

 

  • 作業内容の説明があるか
  • 料金が発生するタイミングはいつか
  • 駆除できるハチの種類はなにか

 

業者に依頼する料金相場

 

スズメバチの駆除を業者に依頼する場合、一般的な料金相場は10,000円~50,000円です。

 

スズメバチを駆除する業者の安全を守るためにも、最低でも10,000円はかかると知っておきましょう。

 

業者からの見積もりが、相場よりも安すぎたり高すぎたりする場合は、費用の内訳を確認してみてください。

 

蜂の巣駆除の料金は、大きく分けると出張費と作業費で構成されています。

出張費は、業者が家まで来るときに発生する料金で、一般的には巣の状況により変動することはありません。


一方で、作業費は巣を駆除するために発生する料金で、巣の状況により変動します。


業者の公式サイトには、出張費のみ記載されている場合や作業費のみ記載されている場合もあります。

 

スズメバチ駆除の依頼を検討している業者があれば、個別に見積もりをもらって合計の料金を確認しましょう。

 

スズメバチを駆除するための料金は、巣の場所や大きさ、時期によって異なりますが、内訳を確認して妥当な料金なのかを見極めることは大切です。

 

スズメバチを駆除したあとのポイント

 

出典:photoAC

 

スズメバチを駆除したあとのポイントは次のとおりです。

 

  • 駆除したスズメバチをなるべく触らない
  • 巣を駆除した場所に殺虫剤を撒く

 

それぞれについて解説します。

 

駆除したスズメバチをなるべく触らない

 

駆除したスズメバチが動いていなくても、なるべく手で触らないようにしましょう。

 

スズメバチは死んでから1日経っても、反射的に針が動くことがあるからです。

 

死んでいると思って触ったときに、刺される可能性があるため死後1日は触らないでおいてください。

 

死んだスズメバチをビニール袋に入れたり移動させたりするときは、ほうきとちりとりを使用しましょう。

 

巣を駆除した場所に殺虫剤を撒く

 

巣を駆除してからも、定期的に駆除した場所には殺虫剤を撒きましょう。

 

駆除するときに駆除から逃れたスズメバチが、自身の巣に戻ってくる可能性があるからです。

 

自身の巣に戻ってくるハチは「戻りバチ」と呼ばれます。

 

戻りバチは、巣の周辺を1週間ほど飛び回ると言われているため、殺虫剤をこまめに撒いておくと効果的です。

 

スズメバチを駆除したら、紹介したポイントを踏まえて再発を防止しましょう。

 

スズメバチの被害に遭わないための対策

 

 

出典:photoAC

 

スズメバチの被害に遭わないための対策は次のとおりです。

 

  • 香りが強いものを身に着けない
  • 見かけても走って逃げない
  • 色の濃い服を避ける

 

それぞれについて解説します。

 

香りが強いものを身に着けない

 

スズメバチは、お互いに発するフェロモンでコミュニケーションを取ります。

 

なかでも、働きバチが周囲に危険を知らせる役割を果たすものが「警鐘フェロモン」です。

 

人間が身に着ける香水や整髪料に、警鐘フェロモンと似た成分が含まれている可能性があります。

 

香水や整髪料の成分を警鐘フェロモンと勘違いして、スズメバチが寄ってくる可能性が高まります。

 

また、警鐘フェロモンとは異なる成分でも何らかの匂いにスズメバチが反応し、襲うこともあるため、香りが強いものは身に着けないでおきましょう。

 

見かけても走って逃げない

 

スズメバチや巣を見かけたら、襲われないためにすぐに走って逃げたくなるでしょう。

 

しかし、走って逃げるとかえって目立ってしまい、スズメバチの標的になる可能性があります。

 

スズメバチや巣を見かけたら、走らず静かにその場を離れましょう。

 

色の濃い服を避ける

 

スズメバチにとって、色の濃いものの方が薄いものよりも目立って見えています。

 

そのため、色の濃い服を着ていると標的になりやすいです。

 

黒い服はもちろん、黒以外でも濃い服を避けておきましょう。

 

スズメバチの駆除に関するよくある質問

 

出典:photoAC

 

最後に、スズメバチの駆除に関するよくある質問を解説します。

 

  • スズメバチを寄せ付けない方法は?
  • スズメバチが追いかけてくる距離は?
  • スズメバチはいつ頃いなくなりますか?

 

スズメバチによる被害を防ぎたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

スズメバチを寄せ付けない方法は?

 

スズメバチによる被害を防ぐためには、そもそも近くに寄せ付けない工夫が必要です。

 

ここでは、次の2つの方法を紹介します。

 

  • スズメバチ専用の駆除スプレーを撒く

 

スズメバチの巣ができそうな場所に、予め駆除スプレーを撒いておく方法です。

 

駆除スプレーにはスズメバチが嫌う匂いの成分が入っているため、効果が期待できます。

 

しかし、駆除スプレーを撒いても雨で流されやすいため、定期的に撒くことがおすすめです。

 

また、木酢液やハッカ油の匂いもスズメバチが嫌う傾向があります。

 

無水エタノールや水と混ぜてスプレーに入れ、撒いておくのも効果的でしょう。

 

  • スズメバチの捕獲器を設置する

 

スズメバチが好む甘い匂いや餌が入った捕獲器を設置する方法です。

 

捕獲器にスズメバチが入って動かないことが確認できたら、捨てるのみでよいため簡単な方法といえます。

 

捕獲器はスーパーやドラッグストアで購入できるうえ、蜂蜜を水に溶かしてペットボトルに入れたものでも代用できます。

 

スズメバチが追いかけてくる距離は?

 

スズメバチが追いかけてくる場合、可能な限り遠くへ逃げましょう。

 

追いかけてくる距離は長くても80mほどですが、遠くへ逃げる方がより安全です。

 

逃げている間に手を振り回すとスズメバチを刺激する可能性があるため、避けることをおすすめします。

 

スズメバチはいつ頃いなくなりますか?

 

スズメバチは11月以降から徐々にいなくなります。

 

スズメバチの主な活動時期は、5月初旬から11月中旬です。

 

とくに8月から9月にかけては、スズメバチの活動が最も盛んで巣に対しても敏感になるため危険な時期です。

 

夏の間はスズメバチの被害が起きないよう、とくに注意する期間だと知っておきましょう。

 

まとめ

 

出典:photoAC

 

本記事では、スズメバチを適切に駆除するための手順や注意点について解説しました。

 

適切に駆除するための手順を知っていれば、万が一スズメバチの巣を見かけても焦らずに対処できます。

 

また、無料で応じてくれる行政や専門業者に依頼できることを知っておくと、自力での駆除が難しくても解決できるでしょう。

 

スズメバチから身を守り、適切な駆除ができるようぜひ参考にしてみてください。

 

※本記事の情報は2023年9月時点のものです。

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