お買物探偵団

沼津市・杉初水産〝沼津めんち〟肉より旨い!さばメンチカツ|からだに美味しいお取り寄せ(37)

出典:杉初水産

 

冷えが気になるこの季節。とくに手足の冷えに困っている、という方におすすめなのがサバ。血流をアップして、全身にしっかりと送り届けることで、身体の末端の冷えを改善するのに役立ちます。

 

サバを使った加工品はいろいろなものがありますが、今回は「肉を上回る美味しさ」という絶品「さばメンチ」をご紹介します。

 

老舗さば節加工店の新たな「さばグルメ」

 

出典:筆者にて作成(さば節加工の老舗・杉初水産から、肉より美味しいと大人気のさばメンチ「沼津めんち」をお届けします)

 

静岡県沼津市は日本有数の「さば節」の産地。さば節は、香りはあっさりしているものの、ふわっとした甘み、コクが魅力。単体で使うことは少ないものの、美味しいだしの「バイプレイヤー」ともいえる存在です。

 

「沼津では、昭和2030年代ごろから、豊富に水揚げされたサバを加工した削り節が盛んに行われるようになりました」と語るのは、静浦地区の老舗さば節加工店「杉初水産」の営業部統括マネージャーでもある杉本いずみさん。3代目社長である杉本恭彦さんの奥さまでもあります。

 

出典:杉初水産(杉初水産。主に沼津港水揚げのサバを使ったさば節や、加工品などを手掛ける。静浦地区は市内でもとくに、さば節製造が盛んだったエリア)

 

出典:杉初水産(杉本いずみさん(右から二人目)。中央は社長の杉本恭彦さん、その左は4代目である息子の「さば王子」こと、杉本隼規さん。隼規さんは、三島市松本「エッグマート松本店」で鮮魚販売を行う)

 

杉初水産は昭和22年創業。「主人の祖母が初代。魚の行商で4人の子どもを育てあげたと聞いています」といずみさん。2代目から、さば節の加工をメインに手掛けるようになったそうです。

 

長い経験にもとづき、職人たちが造り上げるこだわりのさば節はじつに、手間暇かけたもの。水揚げされたサバの鮮度を落とさないように、サバの鮮度を見極め、スピーディーに作業にとりかかります。

 

出典:杉初水産(おもに沼津港で水揚げされたサバを搬入)

 

そののち煮て、くぬぎ、ならの薪木で焙燻。風の力によってじっくりと乾燥させる「静浦式」と、密閉された庫内で、煙を対流させる「焼津式」を使い分けながら燻し上げます。

 

出典:杉初水産(昔からこのあたりで使用されてきた静浦式の乾燥器。焼津式と使い分けながら、熟練の職人の技で、上質なさば節に仕上げる)

 

「浜から揚がった大量のサバを手作業で的確にさばき上げるのは、わたしが見ていても本当にすごいこと。焙燻も、夜通しサバの状態を見ながら薪をくべて、調整することもあります。お嫁に来た時には、なんでダンナはこんなに家に帰ってこないんだろうと思いました(笑)」といずみさん。

 

「でもそんな努力があってこそ、美味しいだしがとれるさば節になるんです。削りやすく、よいだしが出ると評価をいただいています」

 

出典:杉初水産(杉初水産自慢のさば節。削り節はじめ、さまざまな加工品も販売)

 

だしソムリエでもあるいずみさんは、だしセミナーで最初に説明することなくかつお節と、自社さば節でとっただしを試してもらうと、「みんな、さば節が美味しいって言うんですよ」と笑顔で語ります。

 

「だしは日本人にとって『美味しい』の原点だと思うんです。だしの『旨み』は日本が誇る食文化の原点。そして『美味しい』の原点です」といずみさん。

 

杉初水産の企業理念は「おいしいの原点を次世代へつなぐ」。近年、だしを使う機会が家庭で減ってきていることを、いずみさんは懸念していました。

 

「栄養面においても、だしは健やかな身体を作るために欠かせないものです。この貴重な文化を絶やすわけにはいきません」と気軽に楽しめるだし商品を考案してきました。

 

所属していた組合と共同で開発した、サバやカツオのだしをきかせたスナック「だしップス」。だしパックをティーパック型にして、お茶やコーヒーのように取り入れられる「無添加飲むだしティーパック」はメディアでも取り上げられ、好評を博しています。

 

出典:杉初水産(おからを使った生地を揚げて、だしをまぶした「だしップス」)

 

出典:杉初水産(無添加飲むだしティーパック。マグカップに入れて、お湯を注げば手軽に美味しいだしが完成。※材料不足のため、現在は製造休止中)

 

そんないずみさんは、家庭において魚食が減っていることも気がかりでした。

 

「魚を使ったお惣菜にチャレンジしてみよう」と思い立ったいずみさん。「やっぱり、うちといえば『サバ』。サバを使って気軽に楽しんでもらえるものをと考えました」。

 

そこで考案したのが「さばメンチ」。地元でよく食べられている魚介類のすり身を揚げた『イカメンチ』からヒントを得たものだそう。

 

サバと向き合ってきた経験をいかした、さばメンチ「沼津めんち」

 

もちろん、ただ単に「サバのミンチ」を揚げたもの、ではありません。長年サバと向き合ってきた杉初水産ならではの経験と技術が、ふんだんにいかされています。

 

使用するのはもちろん、さば節同様、沼津のサバ。脂のりがさわやかで、しめさばにしてもよし、塩焼きや味噌煮にしても軽やかな味わいが魅力です。

 

揚げるからといって、どんなコンディションのサバでもいいわけではありません。「美味しく仕上げるためには、何といっても鮮度が重要」と、獲れたてをミンチにします。その「刻み加減」も大きなこだわり。サバの身質をいかすための工夫があります。

 

「ふわっとジューシー、食感よく仕上げるために、細かくしすぎないほどほどの大きさになるように試行錯誤しました」といずみさん。

 

ここに、地元産の玉ねぎとキャベツをプラス。こちらも「食べ応えを出すために、あえて大きめに刻んでいます」。

 

味付けは西伊豆・戸田の天然塩。ミネラル豊富な駿河湾の海水で作った塩で、サバの「旨み」を引き出します。練り上げたタネに、生パン粉をつけてカラリと揚げて完成。すべて手作業でていねいに作り上げています。

 

出典:杉初水産(さばメンチは、すべて手作業で仕上げる。毎月第2・第4木曜日には、杉初水産駐車場で11時から揚げたてをいただける)

 

何度も試作を繰り返したさばメンチは「沼津めんち」の名前で、2012年にデビュー。

 

出典:杉初水産(沼津めんち。オリジナル、粉末状の中骨入りの「サヴァリッチ」、生姜味、チーズの4種類がある)

 

自社で販売したところ大人から子どもまで「美味しい」と大絶賛。「食べた方が、『これ、肉じゃないの?』と驚かれるんです。『メンチは肉じゃなくて、サバでいいんじゃないか』って(笑)」といずみさん。「魚が苦手だという子どもも、パクパク食べてくれるんです。うれしいですね」。

 

美味しさは話題をよびイベントでも大好評。静岡県の加工品コンテスト「令和2年ふじのくに新商品セレクション」金賞も受賞、ふるさと納税でも好評を博しています。地元のサービスエリアでも「売上ナンバー1」になることがあるという、大ヒット商品になりました。

 

サバのいいところを凝縮した「サバの旨み爆弾」

 

サバを知り尽くした杉初水産渾身の沼津めんち。揚げたてをいただくと、衣はサクサク、そして中はもっちり、ふわふわ。噛むととんでもなくジューシー! 肉汁ならぬ「さば汁」がみずみずしく弾けます。

 

出典:杉初水産(まあるい、かわいいかたちの沼津めんち)

 

出典:筆者にて撮影(割ってみると、粗めにミンチしたサバと具だくさんの野菜。とにかくジューシー!)

 

クセは一切なく、肉のメンチに比べて、ほっこりやさしい味わい。なのに、あとからしっかりとしたコクのある旨みを感じます。これぞ、サバならではの「底力」! サバの旨みと脂のりをじつにいかしきった、杉初水産の匠の技を実感します。

 

沼津めんちは、いうならば「サバのいいところ」をギュッと凝縮した「サバの旨み爆弾」! しかも、食べ終わった後もあっさり。軽快な味わいで胃にもたれず、つい「あともうひとつ」と手が伸びる「魔性のメンチ」でもあります(笑)。

 

「このままでも十分美味しいので、ソースは不要。あえてかけるならポン酢が合いますよ」といずみさん。自社開発の「沼津の鯖だしぽん酢」は、とくにぴったりだそう。

 

出典:杉初水産(沼津の鯖だしぽん酢。杉初水産のさば節粉末と静岡県産のみかんを使用した、だしの効いた塩ぽん酢)

 

おすすめアレンジは、さばサンドや、卵でとじてごはんにのせた「さばメンチ丼」。「お米と合うので、『おにぎり』にするのも好評です」といずみさん。

 

汎用性はかなり高く、いずみさんによればお客様も多彩なアレンジをされているのだそう。「キャベツで巻いてトマトソースで煮込んだ『ロールキャベツ風』や、お米にのせてチーズをトッピングして焼いた『ドリア風』で楽しんでいる方もいらっしゃいます」。

 

わたしも、沼津めんちを薬膳アレンジしてみました。まず、「沼津めんち薬膳卵とじ」。いずみさんのおすすめにヒントを得て、たまねぎ、黒きくらげとともに卵とじに。だしがほろっとしみた、沼津めんちに、卵。なんとも癒される味わいです。もちろん、ごはんにのせても美味しくいただけます。

 

出典:筆者にて撮影(沼津めんち薬膳卵とじ。だしで沼津めんちと血行促進によいたまねぎ、黒きくらげを煮て、卵でとじたレシピ。サバだから、いい塩梅にだしがしみて美味しい!)

 

そして、「沼津めんち薬膳そば」。ネギ、さっとゆでたニラと沼津めんちをトッピング。こちらも、だしがしみてほわっとした沼津めんちとネギやニラがバツグンの相性。そして、サバの旨みがしみ出して、だしも美味しくなる! これは肉のメンチには当然できない芸当。料理そのものの旨みをアップする、「凄いメンチ」でもあるのです。

 

出典:筆者にて撮影(沼津めんち薬膳そば。血行促進とともに身体を温める効果の高いニラとねぎをトッピング。沼津めんちでだしの旨み倍増!)

 

さば節を手掛けてきたからこそできる、味わい。サバの旨みをメンチで満喫してみてくださいね。

 

■「沼津めんち」やご紹介した商品は、杉初水産公式サイト内のオンラインストアからお取り寄せください。

 

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