お買物探偵団

神山水産「頂鱒(いただきます)」。一流ホテルもフレンチに採用!|からだに美味しいお取り寄せ(28)

出典:神山水産

 

じつは、最近、国産のサケ・マスが注目を浴びているのをご存じですか?

 

全国各地で「ご当地サーモン」と呼ばれる養殖ブランドサケ・マスが数多く誕生しているのです。

 

今回は、一流ホテルのシェフから、なんと釣り人にまで絶大な人気を誇る「絶品ブランドマス」をご紹介します。

 

薬膳においては、サケ・マスは気力を養い、疲労回復に役立つ効能がある魚です。また、身体を温める働きも高いので、冷えが気になる人にはおすすめ。胃の不調、食欲不振、冷えによる胃痛の改善にも役立ちます。ぜひ、お役立てください。

 

キャッチ&リリースの代表格 ニジマスが「釣って楽しく、美味しすぎる」と釣り人お持ちかえりの定番に

 

出典:筆者にて作成(群馬県境に位置する日光市足尾の渓流域で、神山水産は頂鱒の養殖を手掛けています)

 

近年、「海のない」栃木県のブランドマスが全国的に注目を集めています。その名は「頂鱒(いただきます)」。養殖を手掛けるのは、日光市足尾の「神山水産」。群馬県との県境に位置し、山々に抱かれ目の前を渓流・神子内川が流れる自然豊かな地を拠点に養殖を行っています。

 

「もともと、祖父は民宿を経営し、敷地内に釣り堀を設けていました」と語るのは3代目となる神山勇人さん。”鱒界の頂点を目指す”を目標に、日々、ニジマスと向かい合っています。

 

出典:神山水産(神山勇人さんと頂鱒。大学卒業後すぐに家業を継ぐべく入社。頂鱒の養殖に情熱を燃やす。SNSでの情報発信も積極的に行う)

 

「祖父は、神子内川のイワナやヤマメを人工授精させて放流するようになり、次第に釣り堀業がメインになっていったようです」と勇人さん。

 

初代の後を継いだ、勇人さんの父である裕史さんは、本格的に養殖魚の商品化をスタート。そして、イワナやヤマメに比べて、はるかに格下扱いをされていたニジマスに目を向けるようになりました。

 

当時、安いエサで飼育されていたニジマスは、「美味しくない」と釣り人にまったく人気がなく、釣り上げても「リリース」されてしまう存在でした。

 

裕史さんは「手をかけて育てれば美味しくなり、持って帰ってもらえるのでは」と、開発へのチャレンジを決意。「味がよく」て、なおかつ「釣り」という観点から「姿も美しい」ニジマスを完成させるために研究を重ねました。

 

通常、ニジマスは2年程度で成熟し、産卵します。ただし、なかには産卵することなく成長を続ける個体がいることに着目。そこで、裕史さんは姿形がよいものを選抜してかけ合わせ、4~5年かけて成長する品種の繁殖に取り組み、見事成功を遂げたのです。

 

品種改良を重ねた渾身のニジマスは、より美味しさを追求してていねいに育てます。

 

養殖池にひかれている日光の澄み切った伏流水は、健康で美味しいニジマスの育成に欠かせないもの。それだけに「池の掃除」は徹底。気温がマイナスになる真冬も池に入り「どこよりも丁寧な掃除を心がけています」と勇人さん。

 

出典:神山水産(頂鱒が育つ足尾の養殖池。水温は夏は1516度、冬は2~3度という水温差が、身を引き締め、旨みを増すのだそう。現在、那須、群馬県尾瀬でも養殖を行う)

 

また、味わいを高めるためにはエサも重要。頂鱒用の良質なエサを開発しました。抗酸化作用のあるアスタキサンチン、そして、DHAEPAなどを独自の配合でブレンドしたものです。「通常、ニジマスの養殖過程では、大きくなり、仕上げの時期に入ると、もっともよいエサを与えるようですが、うちでは最初からずっと最高のものです(笑)」と勇人さん。

 

エサは自動給餌機を使うことなく、ニジマスの状態を見極めて与えます。勇人さんが「季節によってエサの食いつきは異なります。必ず目で見て判断して、適切な量を与えます」と説明します。

 

かくして通常の倍という、4年の月日をかけて育ったニジマスは大型で、銀色にほんのりピンク、秋には赤いラインがくっきりとした美しい姿。そして脂のりがほどよく、旨みのある身に仕上がります。

 

2018年、「見た目」と「美味しさ」を兼ね備えたニジマスは「頂鱒」と名付けられ、商標登録を果たしました。

 

出典:神山水産(頂鱒。一搬的なニジマスが2030cmのところ、頂鱒は5070cmとビッグサイズ!)

 

開発から商標登録までに要した月日は11年! けれど、その努力の成果は大きく、デビューするなり各地の管理釣り場で話題になりました。

 

頂鱒は見た目が優れているうえに、元気がよく、「引きが強くて釣りがいがある」と釣り人からの注目を集めたのです。そして「とんでもなく美味しい」と大好評! 「お持ち帰りが当たり前」という存在に。いまでは、「頂鱒の放流をウリにする釣り場」が増え、頂鱒を狙う釣り人が絶えません。

 

出典:神山水産(頂鱒を引き上げる勇人さん。ご当地サーモンは、早く成長する「3倍体」(通常2組の染色体を3組にした品種)が主流だが、頂鱒は「2倍体」。神山水産では、通常のニジマスをじっくり長期にわたって育てることにこだわっている)

 

釣り人の心をつかんだ頂鱒。この時点では、まだ頂鱒は「釣り場の『美味しいヒーロー』」でしたが、予想外の事態で釣りをしない人々やシェフたちの心をつかむことになったのです。

 

頂鱒はSNSで大ブレイク!一流ホテルのフレンチにもデビュー!

 

頂鱒はその美味しさが話題をよび、釣り場のみならず地元の飲食店でもブランドマスとして提供されるようになってきました。その矢先に起きたのが、新型コロナウイルス感染症の流行。

 

「観光業用に養殖していた頂鱒が、行き場を失ってしまいました」と勇人さん。苦肉の策で、一般消費者向けに、これまで行っていなかったECサイトでの販売をスタートすることを決意しました。

 

出荷に際しては、扱いやすいフィレにするためにさばくことが必要。「これまでやったことがなかった作業。商品として仕上げるために、猛特訓。1日中さばき続けたこともありました(笑)」。

 

販売をスタートするとSNSで次々と、頂鱒ファンが、その美味しさを拡散。「ありがたい限りです」と勇人さん。次第に、次々と注文が入るようになりました。

 

「とろける美味しさ」「口当たりがよく旨みがある」「脂のりがよいのにスッキリしている」「サーモン特有のクセがない」「いくらでも食べられる」とリピーターが続出。「サーモンがあまり得意ではない、という方も『これは美味しい!』とおっしゃってくださることが多いです」と勇人さん。

 

「サーモンキラー」な頂鱒は、数々のメディアに取り上げられ、ホテルやレストランからのオーダーも入るようになりました。

 

ついには、かの「ザ・リッツ・カールトン」のフレンチディナーに採用されるという快挙ぶり! 頂鱒は釣り場から飛び出し、とんでもない「グルメな回遊」を果たすことになったのです。

 

頂鱒の澄み切った脂、上品な旨み。いくらでも食べられる「わんこサーモン」!

 

そんな頂鱒を「いただきます」!

 

身は目にも鮮やかなオレンジ。思わず気分がアガリます。

 

出典:筆者にて撮影(美しい頂鱒のフィレ。神山水産では時期によって中オチや、燻製なども販売)

 

まずはお刺身にしていただきます。口当たりは極めてなめらか。舌の上でとろけるよう。みずみずしい脂は、澄み切った味わい。クセがなく、上品な旨みだけが口の中いっぱいにひろがります。

 

出典:筆者にて撮影(頂鱒の刺身。しょうゆをつけずに、「塩とわさび」だけでも美味しい! 頂鱒のクオリティの高さが実感できるはず)

 

一切れ食べると、思わずもう一切れ。これはもう、食べだすととまらなくなる、魅惑の「わんこサーモン」!

 

出典:筆者にて撮影(みずみずしい脂をたたえた頂鱒。美しい!)

 

また、脂のりがほどよく、スッキリしているので、オリーブオイルとの相性がバツグン。カルパッチョにしても最高の美味しさです。

 

さらに、焼いたときの美味しさも頂鱒の大きな特徴。ご当地サーモンのなかには、そのまま食べたときには、脂のりがバツグンで美味しくても、焼いたときに「ギトギトした重たい脂」や「サーモン特有のクセ」が感じられるものもあります。

 

ところが、頂鱒は焼いても、ほどよくさわやかな脂がジュワッ。軽やかな仕上がり。パクパクと食べ進められる、「焼いてもわんこ」なサーモンなのです。

そんな、頂鱒のよさをいかした薬膳レシピを作ってみました。

 

まず、疲労回復におすすめの「頂鱒の月見ナガイモ丼」。ごはんの上にたたいた頂鱒、刻んだナガイモ、卵をのせます。とろける頂鱒にたまごがとろりとからまると、身も心もとろけるような美味しさ! サクサクナガイモが絶妙なアクセントで、頂鱒の「わんこ」ぶりに拍車がかかります。

 

出典:筆者にて撮影(頂鱒の月見ナガイモ丼。マスと同様気を補うナガイモ、卵を組み合わせたパワーアップレシピ)

 

しょうゆ、わさびだけでももちろんいいのですが、オリーブオイルをちょっと加えてもさらにコクうまで、美味しくなります。

 

そして、冷え改善におすすめの「頂鱒のホットジンジャーソテー」。こんがりとオリーブオイルで焼いた頂鱒に、炒めてしょうゆで味付けしたしょうが、ねぎ、まいたけを添えます。さらに刻み細ネギと青じそも散らして完成。

 

出典:筆者にて撮影(頂鱒のホットジンジャーソテー。身体を温めるマスの効能をいかして、同様に温熱性のしょうが、ねぎ、しそを組み合わせた「冷え改善」薬膳レシピ)

 

頂鱒に、しょうが、ねぎのパンチが加わってごはんにも合い、ワインにも合う一品に仕上がります。

 

生でも焼いても美味しい頂鱒。勇人さんによれば「南蛮漬けもおすすめ」だそう。スッキリした味わいなので、どんな料理でもいかんなく実力を発揮します。

 

「頂鱒は四季折々の美味しさがあります」と勇人さん。夏はさっぱりと清涼感があり、秋冬は脂乗りが増して、濃厚でこっくりした味わいに。さらに、卵を抱えた時期はイクラも絶品!

 

レストランでも釣り場でも「頂点に挑む」頂鱒の、春夏秋冬の表情をぜひ、味わってみて!

 

 

■神山水産の頂鱒(いただきます)は、神山水産ポケットマルシェでお買い求めください。

 

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