天然大あなご一夜干し「天女の羽衣」。大田市・岡富商店から。あなご概念が変わる！｜からだに美味しいお取り寄せ（12）
出典：岡富商店
今回は、島根県大田市から絶品あなごグルメを紹介します。
薬膳において、あなごは血を増やす優れた効能があり、貧血、めまい、立ちくらみの改善に役立ちます。また、人間のエネルギー源である気を補う働きにも優れ、滋養強壮、免疫力アップにもおすすめ。
そのほか、疲れ目、不眠、高血圧、動脈硬化にもよく、女性にとっては肌荒れ、顔色の悪さの改善、美髪と美容面においてうれしい食材。「たまにお寿司で」ではなく、もっと日常的に取り入れてもらいたいお魚なのです。
「一日漁」で獲れた、50センチ以上の大あなご
日本有数のあなご漁獲量を誇る島根県。なかでもその半数以上の水揚げがあるのは、県中部に位置する大田市です。
出典：筆者にて作成
大田のあなごの特徴は、なんといってもその大きさ。いわゆる江戸前のあなごは「めそ」とよばれる30センチほどの細目で小型ですが、大田で漁獲されるのは50センチ以上の大型が主流。
漁場となる島根半島沖は暖流と寒流がぶつかり、清流・高須川から流れこむ栄養によってプランクトンが豊富な好漁場。多くの小魚が生息します。それらをエサにあなごは大きく育ち、分厚くふっくらした身、バツグンの脂のりが魅力です。
出典：岡富商店（大田で水揚げされる、まるまると太った大きなあなご。あなごは、大きくなるほど脂のりがよいという）
そして大田のあなごの美味しさを支えるのが「一日漁」。かつては日本全国で行われていたものの、いまは途絶えた漁がいまも大田では引き継がれているのです。
一日漁とは、早朝に港を出て、近海で獲れた魚をその日の夕方に水揚げする漁の形態。したがって、その鮮度はバツグン！
出典：岡富商店（大田界隈は小さい港が多く、小型底引き網船が主流。早朝出漁し、夕方帰港する一日漁を行う）
出典：岡富商店（一日漁 水揚げ風景）
「大田の魚を食べたシェフや料理研究家の方が、『大田の魚は味が濃い』とよくおっしゃいます」と語るのは岡富商店の会長である岡田明久さん。
岡田さんは、地元の繁栄を願って「おおだ一日漁推進協同組合」の組合長として、全国でも希少な「一日漁」で獲れた魚のブランド化を推進。そして、4年前から大田で漁獲されたあなごを、「大田の大あなご」の名前でブランド化するべく、市や商工会議所とともに積極的な活動に取り組んでいます。
じつは、地元では「さばくのに手間がかかる」ゆえに、あなごを提供しているお店がほとんどありませんでした。ブランド化に向けての熱心な取り組みによっていまでは、30店舗を超える飲食店であなご料理が提供され、多くの観光客が訪れるほどに。メディアの取材が後を絶たない「あなごのまち」として盛り上がりをみせています。
岡富商店は昭和25年に創業。岡田さんの父・岡田富男さんが立ち上げ、リヤカーによる鮮魚の販売を行っていました。のちに岡田さんが一夜干しの通販をスタート。現在は息子である社長の昌一朗さん、課長の和樹さんと家族一丸で一日漁の魚を使った、上質な一夜干しをはじめとする商品の製造販売を行っています。
全国に多くのファンをもつ岡富商店の一夜干しは、とことんこだわりを尽くしたもの。魚はすべて、一日漁の新鮮な魚。鮮魚としても最高ランクのものを、市場から仕入れスピーディに加工します。使うのは「塩」のみ。魚の種類によって、天日塩と並塩を使い分け、低塩度の冷水に一昼夜つけこむ「低塩熟成製法」で仕上げます。「低塩度」なのは、もともと旨みが濃い一日漁の美味しさをいかすため。本来の旨みをいかし、さらに際立つ仕上がりを目指しています。
あなご概念が変わる！大あなごの一夜干し「天女の羽衣」
あなごの一夜干しは、ブランド化を目指すにあたって開発されたもの。あなごといえば、蒲焼や煮あなごに加工されることが多い中、岡富商店ならではの技を駆使して珍しい「あなごの一夜干し」を完成させました。
「大田のあなごならではのフワフワ、もちもち、プリプリ感を楽しんでいただけるように工夫を重ねました」と岡田さん。
とはいえ、あなごは岡富商店で一夜干しにするのどぐろ、かれいなどの魚とは形状がまったく別モノ。しかも大型サイズ。さばくのは手間がかかります。
市場で厳選したあなごは、背開きに。そしてここから、骨をとる作業にかかります。「あなごには頭の方からお腹にかけて、三角ばった骨があり、包丁があたってさばきづらいんです。当初は、時間がかかり苦労しました」と岡田さんが振り返る。
骨を取ったあなごは、血合いなどを流水でしっかりと洗います。そして深層海水の天日塩を加えた冷水に付け込み、水分がほどよく残る加減まで干して仕上げます。
「塩加減、干し時間など各工程は、あなごの美味しさを引き出すために研究を重ねました」と岡田さん。
完成したあなごの一夜干しは「天女の羽衣」と命名。なんとも優雅な商品名は大田のあなごの、白くふっくらした身が「羽衣伝説」に登場する「天女の羽衣」のように美しいことから名づけられました。
出典：岡富商店（天女の羽衣。重さによって、小・中・大・特大のラインナップがある）
その味わいは評判を呼び、リピーターが続出する人気商品に。「あなごの概念が変わったとおっしゃるお客さまが多いです」と岡田さん。
肉厚すぎるふっくらあなごは、素焼き、天ぷら、ソテーでも絶品
天女の羽衣は、おしゃれでコンパクトなパッケージに入っています。
出典：筆者にて撮影（水引のイラストが目を引くスタイリッシュなパッケージ。ギフトにもぴったり）
でも、開けてみるとこのとおり。
中には、半分に切ったあなごの真空パックが二つ折りで入っています。広げてみると、そのサイズは約50センチ！ なんとも豪快！
出典：筆者にて撮影（パッケージの中には、見事なサイズのあなごが！ ひじから手の先までくらいの長さ）
パックから出してみるとなめらかでつややか、ふわっとした美しい身。まさにその名のとおり「羽衣」のよう。
出典：筆者にて撮影（幅広で、ふわっと白く美しい。干物といっても、塩気も少なく乾燥の度合いも少ない、「限りなく生に近い干物」）
まずは、シンプルに素焼きでいただきます。焼くと身がふっくらふくらんで、肉厚！ 見るからにふかふか感がいっぱいのあなごを食べると、パリッと香ばしい皮の食感に続いて、締まりはプリッとあるのに、ジューシーでふわふわな身。一見矛盾するような形容詞が連なりますが、これまで食べてきたあなごとはともかく、まったく別物。あのペッタリ感はみじんもありません。
出典：筆者にて撮影（素焼きした天女の羽衣。皮の美味しさも特筆すべきものがある。わさびをつけて食べるのもおすすめ）
さらに、上品で深みのある旨みに驚きます。そのやさしい風味は食べ終わった後も、口の中に残ったまま。まさに天女の羽衣のような「優美な余韻」が残ります。シンプルな一夜干しだからこそ堪能できる、あなご本来の美味しさは感動モノです。
出典：筆者にて撮影（もっちりとふくらんだ、肉厚すぎる身。一般的なあなご3倍くらいはありそう）
天女の羽衣は薄塩で仕上げてあるので、さまざまなアレンジが楽しめます。岡田さんのおすすめは「天ぷら」。「水分がほどよくとんで、濃厚な風味が楽しめますよ」と岡田さん。
衣をつけてからりと揚げていただくと、身のプリッと感が引き立ち、コクと甘みにあふれた仕上がりに。どこか、フグの天ぷらにも似た味わいです。
そしてまた、あの「魅惑の余韻」が押し寄せます。
出典：筆者にて撮影（天女の羽衣を天ぷらに。品のよい味わい。ほどよく塩けがあるので、そのままでも美味しくいただけます）
「細かく切ってばら寿司に入れたり、茶碗蒸しに使うのもおすすめです」と岡田さん。
また、洋風にソテーにしても絶品。あなご薬膳レシピとして「あなごのフルーティ赤ワインソース」を作ってみました。
あなごに小麦粉をはたいて、オリーブオイルでこんがり焼き、赤ワインとバルサミコ酢に、はちみつ、レーズン・クランベリー・クコの実を加えて煮詰めてバターを入れ、塩で味を調えたソースをかけます。
ソテーしたもっちり、ふかふかのあなごに、甘酸っぱいソースがぴったり。白身魚や鶏肉の感覚で使うと、まだまださまざまな楽しみ方ができそうです。
筆者にて撮影（血を増やすあなごに、同様の効能がある赤ワイン、レーズン、クランベリー、クコの実、そしてサラダほうれんそうを添えた「あなごのフルーティ赤ワインソース」）
岡富商店ではほかにも、あなごを使ったさまざまな商品を手掛けています。「あなご炊き込みご飯の素」は、3センチ角に切ったあなごをしょう油や砂糖などで調味したもの。ごはんと一緒に炊き込めば、カンタンに大田のあなごの美味しさを炊き込みご飯で楽しめます。
出典：筆者にて撮影（「あなご炊き込みご飯の素」。パッケージの天女のイラストもすてき）
化学調味料はいっさい不使用、あなごから出ただしで仕上げた炊き込みごはんは、雑味がまったくない「やさしくじんわりした」美味しさ。あなごのもつ旨みを実感できます。冷めても美味しいのが魅力。
出典：筆者にて撮影（あなごの旨みがしみこんだ、炊き込みご飯。冷めても美味しいので、おにぎりにするのもおすすめ）
あなごの概念が変わる大田の大あなご、ぜひ味わってみてくださいね。
■天然大あなご一夜干し「天女の羽衣」は、岡富商店公式サイトでお買い求めください。
