フランスベッド福祉用具アドバイザーが教える(2)シニアの靴の選び方
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年齢を重ねても元気でいるためには、体を動かすことが大切です。健康のためにウォーキングを日課にされている方もいらっしゃるかと思いますが、みなさんは自分に合った靴を選べているでしょうか? 靴が足に合っていないと足腰に負担がかかるほか、転倒して思わぬ怪我を引き起こすことも。高齢者にとって靴選びはとくに重要といえます。
そこで、今回もフランスベッド(株)の福祉用具アドバイザーの中村幸子さんに、シニアの靴選びのポイントを教えていただきました。
最適な「靴」を選ぶ3つのポイント
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靴を買ったときには試し履きもしたし“ちょうどイイ”と思っていたのに、しばらく履いているうちに靴擦れを起こしたり、歩きづらかったりして結局履かなくなってしまうという失敗があります。そんな失敗をしないように、シニアが歩きやすい靴選びのコツを教えてください。
「1つめはつまずきにくさで選ぶということです。高齢になると筋力が低下し、すり足で歩くことが多くなります。ちょっとした段差につまずかないよう、つま先が少しそり上がっている構造のものがおすすめです。
2つめは脱ぎ履きのしやすさです。腰を曲げるのがつらい、視力の低下で足先が見えにくい、手先の動きが鈍くなって思うように動かせないという方は、簡単に固定でき脱ぎ履きが楽なマジックテープタイプがおすすめです。脱ぎ履きしやすい仕様のものは、人から履かせてもらいやすくもあります。
3つめは横幅のサイズで選ぶことです。むくみやすい方には、横幅にゆとりがある靴が適しています。靴を履いたときに5本の指が開くくらいの余裕があるとよいでしょう。また、素材は柔らかいものがおすすめです」(中村幸子さん・以下同)
目的別・おすすめの靴の選び方
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■お散歩やウォーキングに使用したい方向け
「長い時間歩く際には、ひざや腰への負担を軽減できる「靴」がおすすめです。着地する際に、踵から伝わる衝撃を分散吸収する構造が備わっている機能性の高い“靴”を選ぶとよいでしょう」
■普段のお出かけやお買い物に使用したい方向け
「足に合わない「靴」を長期間履き続けることで、外反母趾や、捻挫、骨折などのケガにつながる恐れがあります。トラブルを防ぐために、軽くて柔らかい素材、履き口が大きく作られている、左右で大きさが選べるなど足にフィットして安全に歩ける“靴”を選ぶことが大切です」
■福祉施設など室内で使用する方向け
「室内などでのリハビリのときは、脱ぎ履きがしやすく、歩きやすいリハビリシューズが必要です。介護用靴とリハビリシューズに明確な違いはなく、介護用靴の中でもリハビリの際に使う安全で動きやすい靴のことをリハビリシューズと呼んでいます。リハビリシューズには、リハビリを必要としている方が簡単に履くことができ、安全に歩けるようにサポートする機能が備わっています」
シニアにおすすめの靴
アサヒメディカルウォーク MF
18,700円(税込み)/アサヒシューズ(株)
足裏のスクリューが理想的歩行をサポート。立ち仕事にもおすすめ。
あゆみダブルマジックIII
片足:3,080円(税込み)、両足:6,160円(税込み)/徳武産業(株)
片足ずつ違う大きさを選べる!
快歩主義(屋内用)
7,590円(税込み)/アサヒシューズ(株)
1足で4Eから7E相当まで幅に対応
足に合う靴は、加齢による弱点をしっかりカバーしてくれます。スムーズに歩くことができるようになると、ウォーキングや外出もきっと楽しくなり、それによって体も温まり、代謝もよくなります。靴の選び方ひとつで健康寿命を大きく伸ばすことも可能になるでしょう。
◆教えてくれたのはこの方
■フランスベッド(株) リハテックショップ新宿店
福祉用具アドバイザー 中村幸子さん フランスベッド株式会社
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