フランスベッド福祉用具アドバイザーが教える(1)歩行の友、杖の選び方
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若い頃、欧米の生活スタイルに憧れていたまめ得世代にとって、『フランスベッド』は同じく憧れのブランドでした。そのフランスベッドが、いま介護福祉分野にも進出していることをご存知でしょうか?
そろそろ杖があった方がスムーズに歩行ができるという方のために、フランスベッド(株)の福祉用具アドバイザーの中村幸子さんに、杖選びのポイントやおすすめの商品を伺いました。
フランスベッドは今やメディカルサービス事業でも大躍進
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フランスベッドはベッドなどのインテリア健康事業とともに、福祉用具レンタルなどのメディカルサービス事業でも大きな売り上げを上げています。
フランスベッドは、1949年に前身の双葉製作所が車両用シート製造からスタート。1955年に日本初となる分割式ベッド「フランスベッド」を製造、翌年に発売したところ大ヒットし、1961年には社名をフランスベッド(株)に変更しました。
1983年には療養ベッドの家庭向けレンタル事業を開始し、現在では福祉用具貸与事業を拡大、今やインテリア健康事業に引けを取らないほどの業績を誇り、業界のリーダー的存在でもあります。
当然、社内にもシニアの生活について詳しい方がいるそう。そこで、今回はシニアに欠かせない杖の選び方について、フランスベッド(株)の福祉用具アドバイザー中村幸子さんにアドバイスを伺いました。
杖は身体の状態に合ったものを選ぶことが重要
触れる機会が少なくなかなか違いがわからないのですが、杖を選ぶ際のポイントを教えてください。
「1つめは軽さと丈夫さがポイントです。杖が重すぎると手や腕に負担がかかり疲れてしまいます。また、杖をついたときにガタついたりたわんだりするものは、体重を支えられない可能性があるので危険です。杖の支柱が太いから丈夫、細いから丈夫でないとはいえないため、実際にお試しすることをおすすめします」(中村幸子さん・以下同)
持ち手もそれぞれ違うんですね。
「そうですね、選び方のポイントの2つめは、杖の持ち手の握りやすさです。杖の持ち手には、凹凸のあるものやなだらかな曲線のもの、平たい形状のものなど色々な形状、サイズ、素材があります。いずれも好みや使い心地など自分に合うものを選びましょう。また、木製の持ち手のものは、倒れてコンクリートなど固い地面に打ちつけられるとひび割れが生じやすいので注意が必要です。3つ目は長さです。足先から20cmくらい前方に杖をついて、肘が軽く30~40度曲がるくらいの長さで調節するのが理想的。または、身長÷2+3cmで割り出す方法もあります」
目的別おすすめの杖はこちら
「普段から歩行に杖を使われる方向けには、しっかりした1本杖や伸縮タイプの杖がおすすめです。使用頻度が高いと、支柱が緩んで体重を支えられなくなるため、月に1度は緩んでいないかをチェックしましょう」
ネオクラシカル伸縮
9,900円/(株)シナノ
レトロモダンなアイビー柄と、手が痛くなりにくい持ち手が特徴の伸縮タイプ。
「より安定感がほしい方は、1点杖よりもしっかり体重を支えられる多点杖がおすすめです。 自立するので、急に倒れてくる心配もありません。」
2ウェイスティック(固定・可動切り替えタイプ)TW-01
12,800円/ユーバ産業(株)
その日の体調に合わせて杖先の固定、可動を調整可能できる多点杖。
「旅行用や防災用に使われる方向けには持ち運びやすく、必要なときに使える折りたたみタイプがおすすめです」
ライトケイン折りたたみタイプ
17,600円/ フランスベッド(株)
ライト付きで防災時にも役立ちます。
「運動不足を解消したい方には、2本のポールを使用するウォーキング用の杖がおすすめです。2本のポールを使って両足と4点で身体を支えるため、バランスが取りやすく両足にかかる負担が軽減します」
アドバンスポールN
13,200円/フランスベッド(株)
2本の杖でバランスよく歩くことができます。
いずれのタイプの杖も杖先のゴムが削れてきたら、安全な歩行のためにゴムの交換をする必要があるそう。まだまだ自分の足で歩くことはできるけれど、少し足元がふらついたり、転倒が心配という方にも、杖は頼もしい存在です。ぜひ、この機会に検討してみてはいかがでしょう。
◆教えてくれたのはこの方
■フランスベッド(株) リハテックショップ新宿店
福祉用具アドバイザー 中村幸子さん フランスベッド株式会社
※価格は税込表記です。