50代からの家選び(1)今から家を購入するなら?
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50代に入ると家族構成や人生のライフステージも変わってくる方も多いのではないでしょうか。新たに家を買うならどんなことを選ぶポイントにするべきか?終の住処となるであろう家選びのアドバイスを不動産の専門家である(株)ライフコーディネーターの佐藤 慎さんに伺いました。
2次取得のポイントは駅近・マンション
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「子育て世代の30代・40代は環境がよく、都心部から離れた場所や、駅から離れた住環境を考えた場所選びをする方が多いです。そして、広さを重視している方は一戸建てを購入している方が目立ちますね。一方、50代以上の方の場合、子育てが一段落したとはいえ、まだ10年近く職場への通勤が続くことや買い物などの利便性を考えて、駅近・マンションへの住み替えが2次取得として多い傾向にあります」(佐藤 慎さん・以下同)
そう話してくれたのは(株)ライフコーディネーターの佐藤 慎さん。50代からの家選びとなると、当然老後を見据える必要はありますが、現在の暮らしもあります。まだ現役で仕事をされている方も多いことでしょう。
「国土交通省発表の『平成27年度住宅市場動向調査』(※)によると、2015年に分譲マンションを購入した世帯主の平均年齢は43.3歳、中古マンションの場合は45.6歳とあります。分譲一戸建てと注文住宅を購入する方の平均年齢の推移がほぼ横ばいなのに対し、マンション購入者の平均年齢は毎年上昇傾向にあります」
「さらに、住宅購入2回目以降の“二次取得”の世帯主を見てみると、全体のおよそ半数を50代以上が占めていることがわかります。分譲マンションを購入した世帯主の平均年齢は57.9歳、中古マンションでは58.3歳です」
生活のスリム化を念頭に家選びを
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50代に入ってから家を購入する場合、どういう物件がおすすめでしょうか?
「家族構成や取り巻く環境もさまざまなので一概には言えませんが、一般的にはマンションへの住み替えが良いのではないでしょうか。ここ数年、シニア世代を中心に『終活』が注目されており、老後のライフスタイルを積極的に考える人が増えています。いずれ子供世帯と同居するものという価値観も変わりつつあり、年齢を重ねてもできるだけ自活したいという方の増加により、コンパクトなマンション生活を選ぶ方が増えています。
例えば20代や30代で戸建てを購入した場合、50代になる頃には家も築20~30年を迎えます。大規模なリフォームを施すか、別の家に住み替えるかを考えるタイミングでもあります。シニア世代になると庭の手入れが大変になってきたり、子供が独立して部屋を持て余していることも。さらに、階段が億劫だという声も耳にします。そのため、郊外の戸建てを引き払い、都市部のマンションへの住み替えを考える方が増えるのでしょう」
部屋数を減らすのもスリム化のポイント
「また、ファミリータイプの広いマンションから、専有面積の小さなマンションへの住み替えも選択肢のひとつではないでしょうか。部屋数を減らせば光熱費やメンテナンス費用を抑えられるなど、暮らしのスリム化ができます」
バリアフリー設計のマンションも選択肢に
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「現役引退後、70・80代と年を重ねて行くこと考慮して、バリアフリー設計のマンションを選ぶのもいいですね。近年はほとんどのマンションがオートロック機能を備えているのでセキュリティ面でも安心です」
郊外で車が不可欠な生活を送っていても、30代や40代の頃はそれが面倒だとは感じないかもしれません。ですが、シニア世代になると車の運転も難しくなってくるでしょう。マンションは利便性の高い場所に建てられていることが多いので、毎日の買い物へ徒歩で行ける、病院や介護関係の施設が近隣にある、というのも安心できるポイントですね。
(プロフィール)
佐藤 慎さん/株式会社 ライフコーディネーター常務取締役。30歳から未経験で不動産産売買をはじめ、35歳で株式会社ライフコーディネーター取締役として会社を立ち上げる。今年で設立10年を迎え、新築マンション販売プロジェクトは40以上、約2000組のお客様を成約に結びつけている。5年前からは会社所在地高津区溝の口エリアを中心に、お客様からの住み替えを積極的に取組み仲介業をスタート。昨年秋には溝の口駅南口に路面店をオープンする。
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