【タイプ別便秘対策】おなかスッキリ~「冷えづまりタイプ」「熱づまりタイプ」編~
最近、なかなか出ない……。便秘は健康と美の大敵。いま、もっとも気になる免疫力の低下にもつながります。
だからといって、便秘薬の常用は身体に負担をかけてしまいます。しっかり食べて、「自力で出せる」身体をつくり、おなかスッキリを目指しましょう。
もくじ
便秘には5つのタイプ
便秘は比較的、薬膳において改善しやすいジャンルです。ただし、タイプを見極めて食材を選ぶのが大切なポイント。これを間違えると、まったく効果がないばかりか、逆に「もっと出ない」という困った事態を引き起こしてしまうのです。
出典:photoAC
よく「便秘にはバナナ」と言いますが、誰にでも当てはまるわけではありません。バナナそのものは食物繊維が豊富で、中医学の見地からも腸に潤いを与える効果があるため、便秘によい食材ではあるのです。
ただし、南国のフルーツはえてして、身体を冷やす「寒性」のものが多く、バナナはその代表的存在。腸の冷えが原因で便秘になっている人にとっては、症状が悪化する一方なのです。
便秘には5つのタイプがあります。タイプを見極めて自分用の「食べる便秘薬」を取り入れましょう。
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また、どのタイプの便秘にも共通しておすすめなのがアボカド、黒ごま、はちみつ。いずれもその効能は「潤腸通便」。腸に潤いを与えてすべりをよくすることで、スルッと出してくれるという、お助け「バキューム食材」なのです。
料理にアボカドを加えたり、黒ごまをふりかける、のみ物にはちみつを混ぜたりとふだんの食事にちょい足しして、スッキリ度向上をはかりましょう。
今回は「冷えづまりタイプ」と、「熱づまりタイプ」の対策をご紹介します。
バナナを食べると悪化する!?「冷えづまりタイプ」
【冷えづまりタイプの特徴】
□冷えるとおなかが痛くなる
□トイレが近い
□冷えがある
□舌の色が白い
□尿の色が薄くて、透明で量が多い
□冬になると頭痛、生理痛がひどい
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身体の冷えで、腸の動きが悪くなることで出ないタイプ。もっとも、バナナが向かないタイプ。冷えるとおなかが痛くなるといった不調も見られます。
冷たいのみものが苦手、舌の色が白い、尿の色が薄いといった特徴は身体が冷えている証拠。このタイプはとにかく、腸内を温めることが改善への近道です。
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おすすめはカボチャ。身体の末端の血流に作用して全身、とくにお腹をあたためて便秘を改善します。まさに「食べる腸内カイロ」!
また、手軽に身体を温めて腸の動きをよくする強い味方が、シナモン。身体を温める効果の高い紅茶に振り入れて、朝と夜、飲むようにすると効果的です。
そのほかエビ、ニラ、ネギ、しょうがなど身体を温めるものを積極的に取り入れましょう。当然ながら、身体を冷やす夏野菜や、南国系フルーツ、氷が入った冷たいドリンクのガブ飲みは控えること。
腸内ヒートアップで激づまる「熱づまりタイプ」
【熱づまりタイプの特徴】
□便が硬く乾燥している
□身体がほてる、のぼせやすい
□顔が赤い
□目が充血している
□尿の色が黄色く、量が少ない
□冷たい飲み物が好き
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身体に熱がこもり、便が乾いて固くなってしまうことで出ないタイプ。肉、揚げものや辛いもの、お酒が大好き、でも野菜が嫌いという人に多くみられがちな便秘です。身体に熱がこもっているため、のぼせ、ほてり、顔が赤い、目の充血といった特徴があります。このタイプは、熱を冷ませばスルッと出るので、まさにバナナがおすすめ。身体をクールダウンして腸を潤わせてくれる、熱づまりタイプにとっては、まさに推奨フルーツです。
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そのほか、豆腐、ヨーグルト、牛乳、パイナップルもおすすめ。
食べ方のポイントとしては、これらの食材を朝イチで食べること。起きてすぐ、身体の熱を冷ますことでスッキリ出やすくなります。
また、身体に熱を持たせる牛肉、ショウガ、ニラ、にんにく、ネギの大量摂取や、辛いものは控えめにすることも大切です。
「冷えづまりタイプ」におすすめの薬膳レシピ
出典:筆者にて撮影(かぼちゃとねぎのシナモンスープ)
★かぼちゃとねぎのシナモンスープ
身体を温め、「腸内暖房化」におすすめのかぼちゃ、ねぎ、シナモンを使った「ぽかぽかスルリ」を目指せるスープ。オリエンタルな風味で、しみじみ温まります。
【材料】2人分
かぼちゃ 100g
ねぎ 1本
シナモンスティック 1/2本
A(しょうゆ・オイスターソース 各大さじ1/2、酒大さじ1、鶏がらスープ、カレー粉 少々)
塩・こしょう 適量
【作り方】
①かぼちゃは食べやすく切る。ねぎは、1センチ長さに切る。
②鍋に水2カップ、シナモンスティック、A、を入れて煮立て、かぼちゃ、ねぎを入れて5分煮る。塩、こしょうで味を調える。
「熱づまりタイプ」におすすめの薬膳レシピ
出典:筆者にて撮影(ヨーグルトパイン豆腐)
★ヨーグルトパイン豆腐
パイナップルとヨーグルト、豆腐で腸をクールダウン、スッキリ出せる身体を目指せるデザート。ちょっと意外な組み合わせですが、レアチーズケーキ風でおいしいですよ。
【材料】2人分
ヨーグルト(ザルにあけ水を切る)1カップ
絹ごし豆腐 1/2丁
カットパイン 適量
はちみつ 大さじ2
レモン汁 少々
【作り方】
①ヨーグルトはザルに入れて、水気をきっておく。
②ボウルに①、豆腐をつぶしながら入れて、カットパイン、はちみつ、レモン汁も加えて全体を混ぜる。
次回も、「便秘対策」におすすめの薬膳情報とレシピ(後編)をお届けします。
9月14日(火)の配信予定です。