カツオやほうれんそう、黒ごまで頭髪をケア、しっかり「増毛」
なんだか最近、抜け毛が多い。髪の毛のコシがないし、生え際や頭頂部が寂しくなってきたような……。気になる頭髪ケアは外からだけではなく、身体の中から「抜け毛を防ぎ、毛を育てる」というダブルの食養生で増毛を図りましょう。
血の不足は抜け毛につながる
まず「抜け毛」対策で重要なポイントとなるのが「血」。中医学において、血は髪の維持や成長に大きく関わっているのです。
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古来、「髪は血の余り」=「血余(けつよ)」といわれ、血が充実して余裕があれば髪の状態がよく、その量があり、血が不足して余裕がなくなると、髪にコシがなくなったり、パサつくうえにヤセて細くなり、しまいに抜け落ちてしまうのです。
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血は目の疲れや睡眠不足、脳疲労で激減します。PCやスマホで目を酷使し、多忙で睡眠時間も十分確保できない現代人は、血が不足しがち。血を補う食材をたっぷり取り入れて、「いま、ある毛」をしっかりと頭にとどめましょう。
カツオやほうれんそうなどで髪に栄養補給、脱毛をストップ
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抜け毛対策に役立つのは、魚ではカツオ。血を増やし髪にたっぷりと栄養を補給してくれます。カツオのお刺身が手に入らない、というときはかつお節やツナ缶でも効果は同様です。そのほか、イカも造血作用の高いシーフード。こちらも忙しいときは、「イカの味付き缶」で、お手軽チャージも可能です。
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肉ではレバーがおすすめ。血を蓄積する要となる臓器「肝」をサポートして、血を増やすパワーがあるのです。中医学の考え方として「同物同治」といって、肝の働きをよくするには、動物の同じ肝臓が効くとされているのです。
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野菜ではホウレンソウや小松菜、ニンジンが改善に役立ちます。また、レーズンやプルーンも脱毛防止食材。おやつにどうぞ。飲みものでは赤ワインも、血を補うパワーのあるお酒。育毛晩酌は赤ワインで。
黒ごま、海藻で腎を強化、増毛を目指す
そして、増毛のカギとなるのは、老化をつかさどる「腎」と呼ばれる臓器です。腎の機能をパワーアップさせることで、頭髪にも若さがみなぎるのです。
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腎に働きかけて、増毛効果が高いのが「黒ごま」。その効能は「潤膚烏髪(じゅんふうはつ)」。肌をつやつやにするとともに、腎の働きをアップしてカラスのように黒々と豊かな毛髪を育む、とされているのです。白髪対策にもおすすめ。さらに、黒ごまは血を増やす作用も備えているので、まさに「増毛のマルチサプリ」のような存在。料理にこまめにふりかけて、「増毛ごはん」化を図ることをおすすめします。
海藻類も腎の働きをアップして、増毛に貢献する食材。昆布、海苔、ひじき、わかめ、もずくなど海藻類は中国ではご長寿食材とされ、豊かな頭髪維持に役立ちます。
「増毛」におすすめの薬膳レシピ
出典:筆者にて撮影(カツオの黒ごまステーキ)
★カツオの黒ごまステーキ
血を補って抜け毛を防ぐカツオに、腎のパワーを高めて増毛を目指す黒ごまを組み合わせたレシピ。造血野菜・ほうれんそうを添えて効果をアップします。にんにくがきいたバターしょうゆ味ソースと、黒ごまのコクで、カツオがパンチのある味わいに。ごはんがすすむ一品です。
【材料】2人分
カツオ(刺身用) 150g
にんにくのすりおろし 1かけ分
オリーブ油・しょうゆ・酒 各大さじ1
バター 5g
黒すりごま 大さじ1
塩・こしょう 適量
<付け合わせ>
ほうれんそう 1/4わ
塩 少々
レモン 適量
【作り方】
①ほうれんそうは塩を加えた湯で根元からゆで、冷水に取って水気をしぼってから、3cm長さに切る。
②カツオに塩、こしょうをふり、にんにくの半量をこすりつける。
③フライパンに油を入れて熱し、カツオの両面をさっと焼いて器に盛る。
④カツオを取り出したフライパンに、バター、しょうゆ、酒、残りのにんにくを入れて熱し、煮立ったらカツオにかけ、黒すりごまをふる。ほうれんそう、お好みでレモンを添える。
次回は、「便秘対策」におすすめの薬膳情報とレシピをお届けします。
9月7日(火)の配信予定です。