まめ得のタネ

音の刺激で認知症にアプローチ!?「ガンマ波サウンド」の可能性

出典:ピクシーダストテクノロジーズ、塩野義製薬


超高齢社会の到来で認知症者数は増加の一途を辿っており、日本では2012年時点の65歳以上の認知症の推定有病率は15%とされ、65歳以上の7人に1人、462万人が認知症です。その数は増加傾向にあり、2025年には5人に1人になると推計されています。

 

出典:内閣府「平成29年版高齢社会白書」第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向(3)3 高齢者の健康・福祉 ○認知症高齢者数の推計をもとに作表

 

このように、大きな社会課題となっている認知症に対して、近年では、五感ケアによる自然に生活に溶け込ませる予防アプローチも注目されています。

今回は五感ケアの中でもとりわけ、「音」によるアプローチを中心に、筑波大学発スタートアップ企業ピクシーダストテクノロジーズ塩野義製薬と共同開発した「ガンマ波サウンド」についてご紹介します。

 

ガンマ波サウンド技術紹介のページを見るには下記の画像をクリック※ピクシーダストテクノロジーズのページに遷移します

 

【ガンマ波サウンド】五感ケアによる認知症予防について

 

出展:出稿元にて作成

 

認知症リスク低減に向けて、より自然に、より生活に溶け込ませやすい五感刺激によるケアが注目されています。

 

五感刺激とは、生活リズムに即した「音」「光」「香り」などの刺激であり、認知症予防専門医も「日頃からアロマを嗅いだりすることは、嗅神経が記憶を司る海馬や情動を司る偏桃体とつながっているため、嗅覚刺激として大切である」と言及しています。

 

日常生活を送るだけで、長期に渡って五感による介入が自然に行われ、周辺症状を含む認知症ケアなど高齢者の困りごと解決を通して、高齢者のQOLが向上する世界を目指すことを可能にするのが五感ケアです。日常に溶け込んだ五感刺激によるケアが高齢者や介護者の過度な負担を要求せず、社会の中で、高齢者がその人らしく過ごすことができる理想の世界の実現につながっていきます。

 

出典(参考文献):

書籍「今からできる!認知症をふせぐ五感トレーニング」

(著者:鳥取大学医学部保健学科認知症予防学講座(寄附講座)教授・浦上 克哉)

株式会社PHP研究所

 

【ガンマ波サウンド】今、注目されている「音による認知症予防」

 

出典:ウェルネス総合研究所HP(ガンマ波テクノロジー 認知機能ケア啓発プロジェクト)

 

五感から入る情報が脳の刺激になることで、認知症の予防・改善に効果をもたらします。そんな五感ケアの中でも、とりわけ注目されているのが聴覚です。耳を澄ませてさまざまな音を聴くことが脳への刺激になります。

 

近年になって認知症の臨床現場で、音刺激によるケアを取り入れるようになってきました。認知症の中には、病気の始まりから症状が目に見えるような状態になるまで、20年ほどもかけて進行していくものもあり、認知症のケアは長期戦です。定期的な運動や食事制限など、難しいことに挑戦して、結局すぐにやめてしまうより、継続できることが大切です。音楽を聴くなど生活に溶け込んだ形のながらケアなら、気楽に続けていきやすいのではないでしょうか。

 

【ガンマ波サウンド】世界的な学術誌での研究発表 - 40Hz周期の音刺激で認知機能改善

 

出典:ウェルネス総合研究所HP(ガンマ波テクノロジー 認知機能ケア啓発プロジェクト)

 

2019年に、米国・マサチューセッツ工科大学の研究チームが実施したマウス研究で40Hz周期の光や音の刺激によって脳内にガンマ波が発生し、アルツハイマー型認知症の原因物質とも言われるアミロイドβタンパク質が減少することや、記憶改善の確認もできたことを発表しました。これらの研究は世界的な学術誌(※1)で発表されています。

※1 Cell. 2019 Apr 4;177(2):256-271.e22.

 

【ガンマ波サウンド】最新研究 40Hz周期の音・光刺激がアルツハイマー病のヒトの認知機能や日常生活動作の低下を抑制

 

40Hz周期の音や光の刺激による認知機能改善の研究は、マウスを用いた試験を経て、現在はヒトを対象とした試験へと進行しています。20243月には、軽度から中等度のアルツハイマー病患者を対象にした二重盲検臨床試験で、一部の指標であるものの、認知機能・日常動作機能の低下抑制を確認したという研究論文がFrontiers in Neurologyに発表されました。

 

出典:ウェルネス総合研究所HP(ガンマ波テクノロジー 認知機能ケア啓発プロジェクト)

 

生活に取り入れやすい自然なサウンド「ガンマ波サウンド」とは?

 

米国の研究機関等で認知症予防の研究に用いられてきた40Hz周期の音は単調なパルス音(ブザーのような音)※2で、人が日常で聴き続けるには難しい可能性がありました。ピクシーダストテクノロジーズは、塩野義製薬と共に「より生活に溶け込んだ形で、自然に五感を刺激することによって長期的な介入を可能とし、認知症の予防や認知機能ケアを実現する」というコンセプトを掲げ、新しい「音」の開発に挑戦しています。

その先に誕生したのが世界初の特許技術※3であるガンマ波変調技術によって生み出される、自然な40Hz変調音*「ガンマ波サウンド」です。

 

ガンマ波サウンド技術紹介ページを見るには下記の画像をクリック

※ピクシーダストテクノロジーズのページに遷移します

 

※2 Chan, D. et al. Gamma frequency sensory stimulation in mild probable Alzheimer’s dementia patients: Results of feasibility and pilot studies. PLOS ONE 17, e0278412 (2022).

※3 入力される音声に含まれる部分信号に40Hzの振幅変調を行って音声を加工する技術(特許取得済み)

 

新着記事

もっと見る


ページ準備中
しばらくおまちください。