体質別「薬膳ダイエット」で、無理なくサイズダウン(前編) 「気不足タイプ」と「気巡り不良タイプ」
コロナ渦において運動不足気味。しかも家に長くいるので、ついつい好きなものをたくさん食べて、体重計の針がジワジワ右へ!?
薬膳は健康的なダイエットにも役立ちます。賢い食べ方でムリなくサイズダウンを目指しましょう。
もくじ
体質に合った食材で身体のバランスを整え、代謝をアップ
出典:photoAC
中医学では、身体全体のバランスが崩れていることで、太りやすい体質になっていると考えます。バランスが崩れると代謝が落ちて、必要以上の脂肪や水分をため込んでしまうのです。よって、すみやかにスリムダウンするためには体内のバランスを整え、代謝を上げて老廃物をスッキリ出すことが薬膳的ダイエットのポイントになります。
そのためには、体質に合った食材を取り入れることが重要。世間にはじつにさまざまな食のダイエット方法がありますが、体質にハマっていなければ、ヤセないばかりか体調を崩す原因になってしまいます。自分に合った食材で効率的にダイエットに成功しましょう。
体質は大きく4つに分かれます。今回は「気不足タイプ」「気巡り不良タイプ」の対策について説明します。チェックリストで自分があてはまるかどうか、確認して対策を講じましょう。
あまり食べないのに太る!?お疲れ気味の「気不足タイプ」
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「気不足タイプ」の特徴
□下半身太り
□それほど食べていないのに太る
□疲れやすく体力がない
□むくみやすい
□風邪をひきやすい
□冷え性
□胃が弱い
□ねんざ、肉離れしやすい
□朝なかなか起きられない
□舌のふちに歯の跡がついている
半数以上当てはまる場合は「気不足タイプ」。人間のエネルギー源である「気」が不足していることで、代謝が悪いために脂肪がつきやすくなるタイプです。
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消化器官をつかさどる「脾」とよばれる臓器の働きが弱く、それほど食べていないのに太ってしまうという、なんとも「矛盾に満ちた太り方」をするタイプです。
気が足りないと筋肉がつきづらく、筋力が弱くなってしまいます。さらに気には皮膚や内臓を、本来あるべき位置から下げないように維持するという「リフトアップ機能」があります。気の不足でこの機能が作動しないため、身体が下垂し、下半身がポッチャリ気味に。
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しかもこのタイプは水分代謝も悪いため、むくみやすく水太りしがち。全体的に「しまりのないポニョ体型」になりやすいのです。
また、パワーの源である気が不足しているため、疲れやすくて体力がなく、胃が弱い、年に何度も風邪をひく、胃が弱い、朝起きられないといった特徴も見られます。
このタイプは、とにかく気を増やして代謝をアップすることがダイエットの早道です。
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おすすめは、きのこ類、豆類、いも類。気をすみやかに補う作用がとても高いのです。そのほか白身魚、エビ、サケ、りんご、はとむぎなども役立ちます。
また、このタイプは身体を冷やす食材を控えめにすることも大切です。トマト、きゅうり、レタスなどの夏野菜、南国系フルーツは控えめに。ローカロリーダイエットの定番であるコンニャクや豆腐も身体を冷やす傾向があるので気を付けましょう。
あわせて水分過剰摂取には要注意。「水を1日2リットル飲む」といったダイエットは、まったくもって不向き。いよいよ、水太りするだけなので控えましょう。
ダイエットリバウンダー多数! ストレスで巨大化する「気巡り不良タイプ」
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「気巡り不良タイプ」の特徴
□体重の増減が激しい
□拒食・過食に陥りやすい
□げっぷ、ガスが多い
□ストレスがたまるとドカ食いする
□ストレスが多い
□気分にムラがあり情緒不安定
□イライラしやすい、怒りっぽい
□目が充血しやすい
□頭や肩が張って痛む
□舌のふちどりが赤い
半数以上当てはまる場合は「気巡り不良タイプ」。ストレスで気が滞っていることで太るタイプです。気が滞ると「血」や「水」の巡りも悪くなり、水分や脂肪をため込んでしまうのです。
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ストレスを食で解消する傾向があり、体重の増減が激しい「ダイエットリバウンダー」が多数。またふだんから情緒不安定でイライラしやすい、怒りっぽいといった特徴があります。
そのほか、目の充血、頭や肩に張った痛みがあるといった不調も見られます。
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このタイプは滞った気を巡らせて、ストレスを解消する食材を取り入れましょう。おすすめは青じそ、セロリ、三つ葉、春菊、パセリなどの香り野菜。そのすっきりした香り成分が、気の流れをスムーズにしてくれるのです。オレンジやグレープフルーツ、ゆず、すだちなどのかんきつ類もさわやかな香りが気の滞りを改善する効果大。そのほか、大根、そばも役立ちます。
同時に、身体に熱を持たせる食材を控えめにすることも大切です。大量のにんにく、しょうが、ネギ、唐辛子を使ったメニューには要注意。
そして、気巡り不良タイプは「極端な食事制限」がもっとも裏目に出るタイプ。「ダイエット、ダイエット」とストレスをかければかけるほど、気の巡りが悪くなるばかり。結果的に「倍返しで太る」ので、無理はしないこと。
「気不足タイプ」におすすめの薬膳レシピ
出典:筆者にて撮影(豆ときのこ、ちくわの煮物)
★豆ときのこ、ちくわの煮物
気を補う食材たっぷりの煮物。ちくわからもよいだしが出て、やさしい味わいのお惣菜です。見た目で忘れがちですが、さやいんげんも立派な豆類。そしてちくわの原料は白身魚。気不足タイプには、ぜひ使いこなしてもらいたい便利な加工品です。
【材料】2人分
大豆水煮 100g
しめじ 1/2パック
さやいんげん 6本
ちくわ 3本
だし汁 1/2カップ
A(しょうゆ・酒・みりん 各大さじ1)
【作り方】
① しめじは石づきを落としてほぐす。ちくわは乱切り、さやいんげんは長さを半分に切る。
② 鍋にだし汁、A,を入れて煮立て、大豆、しめじ、ちくわを入れて10分煮る。
③ ②にさやいんげんを加えて5分煮る。
気巡り不良タイプにおすすめの薬膳レシピ
出典:筆者にて撮影(切り干し大根と青じそのサラダ)
★切り干し大根と青じそのサラダ
気の巡りをスムーズにする大根は、切り干し大根でも効能は同様。青じそをたっぷり加え、すだちの風味でストレスもムダ肉も撃退する薬膳レシピです。カレー粉を少々加えることで、切り干し大根特有のクセがなくなり、風味よく仕上がります。
【材料】2人分
切り干し大根 30g
青じそ 6枚
ツナ缶(小) 1缶
A(オリーブ油・酢 大さじ1/2 すだちのしぼり汁 1個分、塩
小さじ1/4)
【作り方】
① 切り干し大根は水で5分ほど戻し、しっかり水気をしぼる。青じそは千切りにする。
② ①をボウルに入れ、缶汁をきったツナ、混ぜ合わせたAを加えて全体を混ぜ合わせる。
次回のお知らせ
次回も、「ダイエット」におすすめの薬膳情報とレシピをお届けします(後編)。
8月10日(火)の配信予定です。