目覚めスッキリ!きのこ、牛肉、にんじんで「低血圧」改善
パワーの源「気」と栄養分の「血」が不足
目覚ましを3つかけても起きられない……。午前中はまったくエンジンがかからない……。朝がユウウツな「低血圧」。薬膳で快適な目覚め、朝からパワフルに動ける身体づくりを目指しましょう。
出典:photoAC
低血圧の人は、中医学で「気血両虚(きけつりょうきょ)」とよばれる状態であることが多いのです。これは読んで字のごとく「気も血も足りない」状態。ようは、血圧を上げるための「気も血もない」という状態なのです。
気は全身のいたるところを流れるエネルギー。生命活動を維持し、身体全体を動かすための根本的な力です。
そして血は、中医学において、西洋医学の血液としての要素だけではなく、全身に流れて身体のすみずみに栄養を与える液体と考えます。五臓六腑や筋肉を養い、生理機能を正常に保ち、目や皮膚、髪を滋養する役割があるのです。
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パワーの源である気と、身体の栄養分である血が不足しているため、もともと体力不足。日ごろからだるい、めまい、立ちくらみ、動悸がする、やたら横になりたがるといった症状も見られがちです。
気が不足している人は、そもそも消化機能が弱いことが多く、栄養を十分吸収することができないため、血を生み出すこともできなくなるという悪循環に陥りがちなのです。
「気」を補う食材とは
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対策としては、まず気をしっかりと補うことが大切。おすすめはきのこ類。気をすみやかに補って滋養強壮にもよく、免疫力もアップしてくれます。きのこのなかでも、とりわけ効果が高いのがまいたけ。すべての臓器の働きを高め、身体をエネルギーで満たし、体力増強に威力を発揮します。包丁不要の便利な食材でもあるので、積極的に取り入れましょう。
そのほか豆類、イモ類やかぼちゃ、ブロッコリー、エビ、タイ、うなぎなども気のチャージに役立ちます。
「血」を補う食材とは
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さらに不足している血を補う食材を取り入れましょう。おすすめは牛肉。優れた造血効果があるとともに、気を補う作用があるのです。羊肉も血を補う作用があります。身体を温める効果が高いので冷えも気になる方は、ぜひお試しください。
野菜ではニンジン、ホウレンソウ、小松菜が血を養う効果大。そのほか、魚介類はカツオ、マグロ、イカが役立ちます。
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おやつで取り入れるならレーズン、プルーン、クコの実で造血を。また、赤ワインも血を増やしてくれる働きが高いお酒です。
また、消化に負担をかけないように、揚げものや肉、スパイスが過剰にきいた辛いものなどを控えめにすることも心掛けましょう。
「低血圧改善」おすすめ薬膳レシピ
出典:筆者にて撮影(きのこどっさりハッシュドビーフ)
★きのこどっさりハッシュドビーフ
気を補うまいたけ、しめじをたっぷり使い、牛肉とにんじん、赤ワインでしっかり血を補うレシピ。きのこの旨みで、しっかりコクが出たハッシュドビーフは、ごはんだけではなく、パンやパスタにもぴったり。冷えが気になる方にもおすすめのレシピです。
【材料】 2人分
牛薄切り肉 150g
たまねぎ 1/2個
にんじん 1/2本
まいたけ 1パック
しめじ 1パック
パセリ 適量
ドミグラスソース 1/2缶(250g)
トマト缶 1/4缶(400g)
赤ワイン 1/4カップ
固形コンソメ 1/2個
ローレル 1枚
ウスターソース 少々
サラダ油 適量
塩・こしょう 少々
【作り方】
①たまねぎ、にんじんは薄切りにする。まいたけはほぐし、しめじは根元を切ってからほぐす。パセリはみじん切りにする。
②フライパンに油を熱し、たまねぎを透き通るまで炒める。続いて牛肉を入れて炒め、肉の色が変わったらにんじん、まいたけ、しめじを加えて炒め合わせる。
③②に塩・こしょうをふり、赤ワインを入れて煮立ったら、ドミグラスソース、水1/4カップ、トマト缶をつぶしながら入れ、コンソメ、ウスターソース、ローレルも加えて弱めの中火で15分煮る。器に盛り、パセリを散らす。
次回のお知らせ
次回は、「夏風邪」対策におすすめの薬膳情報とレシピをお届けします。
7月13日(火)の配信予定です。