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50代。年金滞納、家族に支払い義務はあるの? |老後のマネー安心に(17)

出典:編集部にて作成


シニア世代の大きな悩みごとのひとつが「老後のお金」にまつわるあれこれです。

 

毎日のように、ファイナンシャルプランナー佐々木先生のもとには、老後のお金まわりの相談が寄せられています。その中から、みなさまにもきっと役立つ相談案件をこちらでご紹介します。金融の知識は〝0〟で大丈夫! 気軽に、一緒に勉強して、老後の安心づくりを進めましょう。

 

【今回のご相談】兄が国民年金保険料を払っていない場合、どのような影響があるのか心配で仕方ありません⋯⋯

 

■年代:50性別:女性 相談カテゴリ:老後のマネー

 

───今回ご紹介するのは、兄が国民年金保険料を払っていない場合、どのような影響があるのか心配です、というお悩みです。

 

「私は、兄が税金を払っていないのではないかと心配しています。自営業の兄は、妹の私に心配をかけたくないのか、兄としてのプライドなのか、心配して聞くことがあっても、大丈夫、大丈夫という返事でかわされてしまいます」

 

「両親が亡くなってから、私に心配をかけたくないという気持ちがより強くなっているように思います。兄も私も結婚しておらず、このままいくと将来は二人で助け合っていくしかないと私は思っていますが、兄はそういうことはあまり話したがりません。ぼんやりとさせておきたいのか⋯⋯不思議です」

 

「兄は、我が家からそう遠くはないところに家を建て住んでいます。たまに寄ってみるのですが、年金未払いらしき手紙を見たことがあります。また、保険を解約できないと言っていたこともあります。兄に聞いても、いつもの大丈夫、大丈夫で終わりです。だったら勝手にして、もう心配しないからと、冷たい態度をとってしまったこともあります」

 

「私が、代わりに税金を払うなんてことにはならないでしょうか?また、年金を払っていないことで、受取りが減るのはわかっていますが、他にも何かデメリットがあるのでしょうか?」

 

【お答え】年金を滞納すると財産を差し押さえられる可能性があります。また障害年金も支給されないことから家族の問題として捉え対応することが重要です

 

 

「お兄様が年金を滞納していても、兄弟姉妹には支払い義務はありません。連帯して納付する義務があるのは、世帯主と配偶者です。とは言え、間接的に影響を受けることは避けられないと思います」

 

「払えないなら、猶予・免除の制度がありますが、一定額以下という所得基準がありますから、世間並みの所得がある場合には対象にならない可能性があります」

 

「手紙が催告状であれば、深刻な状況です。督促状を放置、さらに催告状を放置していると預貯金などの財産を差し押さえられてしまう可能性があります。現金化しやすい生命保険の解約ができないのも差し押さえの可能性があります。どのような考えで滞納しているのか疑問ですね」

 

2023年に国会議員の年金未納問題がニュースで取り上げられたことがありました。『もらう気がないから払わない』と、発言したとかしないとかで波紋が広がりましたが、似たような考えの人も少なからずいるのではないでしょうか⋯⋯。全国民が加入して制度を支えることで成り立っている、世代間扶養の仕組みの信頼が損なわれてしまうことが懸念されます」

 

「国民年金保険料の未納は、老齢年金だけに影響するものではありません。遺族年金や、障害状態になった場合に支給される障害年金を受け取ることができなくなります。もし、お兄様が病気や事故で障害が残った場合、ご家族が経済的な援助をすることになろうかと思います」

 

「勝手にしてと思っても、そう簡単にご家族を見放すことはできないものです。ご本人だけの問題ではなく、家族に迷惑をかけることになり兼ねないということを上手く伝えられるといいですね。ご本人も行き詰まって悩んでいるかもしれません。寄り添う気持ちで話を聞いてあげると早く解決できるかもしれませんね」

 

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