40代ですが……個人年金とNISAどっちが良い? |老後のマネー安心に(8)

出典:編集部にて作成
シニア世代の大きな悩みごとのひとつが「老後のお金」に関するあれこれです。
毎日のように、ファイナンシャルプランナー佐々木先生のもとには、老後のお金まわりの相談が寄せられています。その中から、みなさまにもきっと役立つ相談案件をこちらでご紹介します。金融の知識は〝0〟で大丈夫! 気軽に、一緒に勉強して、老後の安心づくりを進めましょう。
【今回のご相談】個人年金をやめてNISAを始めようか迷っています……
■年代:40代 ■性別:女性 ■相談カテゴリ:老後のマネー
───今回ご紹介するのは、10年前に始めた個人年金をやめて、NISAを始めようか迷っていますという40代女性からのご相談です。
「生命保険の営業をしている先輩から勧められて、10年前に個人年金に加入しました。国の年金を、将来どのくらい受け取ることができるのかシミュレーションをしてもらい、国の年金だけでは生活できない現実を知りました。不足分を補うための手段として、利息が期待できない銀行預金より個人年金の方が良いと思って加入しました」
「その頃はNISAも始まっていませんでしたし、投資に関しても、今ほど積極的な世間の動きはありませんでした。最近になって、主人が投資に関心を持ち始めたことから、個人年金をやめてNISAを始めようかという話をするようになりました」
「個人年金の解約について確認したところ、わずかですが元本割れしています。そういえば、10年位は解約すると元本割れしてしまうと言われたような……。10年も経っているのに元本割れ……とは言え、始めていなかったら貯まってもいなかっただろうと思うので、やっておいて良かったとは思っています」
「このまま60歳まで個人年金を続ければ、掛け金の1.25倍になります。60歳まであと15年、もっと増やせるのではという気持ちもあり、個人年金をやめてNISAを始める方向に気持ちは傾いています。ですが、損をしたくない気持ちもあり、迷いに迷っています。どちらが良いと思いますか?」
【お答え】NISAに変えることで大きな利益が出る可能性はありますが、デメリットも認識しておきましょう
「個人年金とNISAは特徴が違うので、本来比較するのは難しいものです。確実性を取るか可能性を取るか、あなたならどうする? と、難しい選択を迫られている感じになりますね。まだ40代ですし、最終的に個人年金より大きな利益が出る可能性はありますから、デメリットを考慮しつつNISAに変えても良いかとは思います」
「NISAのメリットは『運用益が非課税』(利益が出ていればですね)ということです。これは有難いですね! デメリットは、投資なので『元本保証がない』ことです。今年の、ジェットコースターのような乱高下相場では、含み損状態にある人もいるようです。資産が減ってしまう恐怖に耐えられず、売却してしまう人もいるようですね」
「短期では相場の影響を受けやすいので、長期で(相場の悪化は時間があれば取り戻せます)インデックスファンドにすると安定するかとは思います(ベタですが)。資金が必要な時に合わせてマーケットは動いてくれるわけではありませんから、NISAは近い将来のライフイベントには不向きということになりますね」
「『時間の分散』を考え、近い将来には安全確実な預貯金など、長い準備期間が取れるものはNISAを活用するという使い分けが必要ですね。社会情勢が不安定な状況では、外貨建て・円建て。投資・債券・株・ゴールド。など『分散』を意識して貯蓄を考えることがコツになります。色々チャレンジしたくなると思いますが、余裕資金で始めることをお忘れなく!」