味の素の原材料をご存じ?|お買い物トリビア(54)
出典:photoAC(かけるだけで食材のうま味が増す魔法の調味料)
日本人ならば誰もがお世話になっているのではないかと思われる「味の素」。主成分はL-グルタミン酸ナトリウムと呼ばれる、いわゆる「うま味成分」で、創設者である鈴木三郎助氏が設立した鈴木商店によって世界初のうま味調味料として販売され、後に社名も商品名と同じ「味の素」に変更されます。
それまで昆布やかつおぶしなどを調理することでしか取れなかった出汁のうま味が、調味料をかけるだけで出来てしまう手軽さが受け、料理に用いる定番調味料の一つとなりました。
この製法については時代によって移り変わりがあり一定ではありませんが、後述する批判などの経緯もあり、現在では製造元である味の素株式会社により、原材料や製法が公開されています。
では、この「味の素」の現在使われている原材料とはなんでしょうか?
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お買い物トリビア「味の素の原材料をご存じ?」の答えはこちら。わかりましたか?
出典:photoAC(広がるさとうきび畑)
正解は、「さとうきび」です。
味の素の主成分であるL-グルタミン酸ナトリウムは様々な食物から精製することが可能ですが、味の素では当初、小麦などから採れるグルテンを加水分解することによって生産していました。
しかしこれだと高コストになるため、一時はアクリロニトリルと呼ばれる石油由来成分などを使用していたこともあります。これらと、アメリカで起きた中華料理店症候群と呼ばれた問題などにより、安全性が疑われた時期もありました。
また、現在でも使われる「化学調味料」という呼称は、商品名を使えないNHKで初めて使われたと言われ、これもイメージを悪くする原因となったでしょう。
ですが、これらの問題は日本やアメリカなどで行われた数々の実験、研究によって既に否定されており、現在では安全性が広く認められ、また呼称も「うま味調味料」というのが一般的になっています。
こうした経緯から味の素株式会社でもうま味調味料のイメージアップに努めており、原材料や製法などを積極的に公表しています。
そんな現在の味の素の主な原材料は「さとうきび」であり、ヨーグルトや醤油・味噌などと同じように発酵菌で発酵させ、グルタミン酸を抽出するという製法で作られています。
近年では使用を公言する料理人もいるなど、一般的な調味料の一つとしての認知が広がっています。