水の成分や種類は?ミネラルウォーターと天然水の違いを解説
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ミネラルウォーターや天然水、精製水など水にはさまざまな種類があります。
そのためどの水にどのような特徴があるか、よくわからないとお悩みの方は多いでしょう。とくに健康志向の方であれば、毎日飲む水の種類と成分は重要です。種類ごとの特徴を把握し、自身に必要な水を効率的に選びましょう。
本記事では代表的な水の種類や特徴、水に含まれている成分を紹介します。おいしい水を手軽に飲む方法もあわせて紹介するので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
水の種類や特徴の違い
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ここからは次の水の種類について、それぞれ特徴や異なる点を解説します。
- 水道水
- ミネラルウォーター
- 天然水
- 炭酸水
- RO水
- 精製水
- アルカリイオン水
- 海洋深層水
- 水素水
毎日飲んでいる水への理解を深めるために、ぜひ最初にチェックしてみてください。
水道水
水道水とは、自宅や公園、ホテルの水道などから出てくる水です。ダムや河川の水を原水として、浄水処理を経たあと各家庭に排水管で運ばれています。
浄水処理では原水の不純物を取り除いたうえで、塩素を加え殺菌処理をおこないます。
水道水に含まれる塩素の量は異なることから、水道水のおいしさには地域差があると感じる方は少なくありません。水道水は多くの日本人が飲みやすいと感じる軟水であり、安全性も確保されています。
ただし塩素が多く含まれているとカルキ臭が発生するうえ、過マンガン酸カリウムによる渋みを感じることもあります。
そのため水道水は安く安全ですが、飲料用に普段から水道水を飲む方は少ないでしょう。
ミネラルウォーター
ミネラルウォーターは地下水を原水として殺菌、ろ過、加熱処理などを施した水です。ミネラルウォーター類とされる水には、次の種類があります。
- ナチュラルウォーター
- ナチュラルミネラルウォーター
- ミネラルウォーター
- ボトルドウォーター
ナチュラルウォーターは特定の水源から採取された水を指します。
またナチュラルミネラルウォーターは特定水源から採取されたナチュラルウォーターのうち、ミネラル成分が豊富に溶け込んでいるものとされています。
一般的なミネラルウォーターは、ナチュラルミネラルウォーターのミネラル成分を人工的に調整したものです。ミネラルウォーターは食品衛生法を基準として製造されており、硬度は商品により異なります。
さまざまな味や種類から好みのものを選べる点が、ミネラルウォーターのメリットといえるでしょう。
天然水
天然水は、特定水源から採取された水のことです。具体的には、ナチュラルウォーターとナチュラルミネラルウォーターのことを天然水と呼んでいます。
ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター以外の水は、天然水と呼ぶことができません。
天然水にはおいしいイメージがあり、普段から天然水を飲んでいる方は多いでしょう。天然水にはろ過殺菌や加熱殺菌などの必要な処理がおこなわれており、安全に飲めます。
ただし塩素が含まれておらず、開封後は長持ちしないため注意しましょう。
炭酸水
日常的に飲む方が増えている炭酸水は、二酸化炭素(CO2)が含まれた水を指します。二酸化炭素(CO2)が含まれた水は幅広く炭酸水と呼ばれており、採取場所についての明確な規定はありません。
炭酸水には、次の2種類があります。
- 天然炭酸水
- 人工炭酸水
天然炭酸水とは、自然の状態で炭酸ガス(二酸化炭素)を含む地下水です。人工炭酸水は、人工的に炭酸ガス(二酸化炭素)を含ませている炭酸水です。
炭酸ガス(二酸化炭素)の量は調節可能であり、ニーズにあわせて選択可能です。
炭酸水を飲むと満腹感が得られるため、食事量を減らせます。また血行がよくなり疲労回復の効果も得られるとされています。
ただし炭酸水には糖が含まれている製品が多く、摂りすぎには注意が必要です。
RO水
RO水は、RO膜を使用して非常に高いレベルで不純物を取り除いた水です。ピュアウォーター、純水と呼ばれることも多く、ウォーターサーバーでRO水を取り扱う会社は少なくありません。
RO水は不純物のみならずミネラルも取り除いており、純粋に水のみを摂取できます。
ただし人工的にミネラルを追加したデザインウォーターもあるため、好みにあわせて選びましょう。
RO水の水源は限定されておらず、RO膜で適切に処理をすればどこから採取した水でもRO水です。水道の水や河川の水を使用して製造されたRO水は、安価で入手可能です。
精製水
精製水は蒸留やろ過などの細かな処理をおこない、限りなく不純物を取り除いた水です。RO膜を使用してろ過されたRO水は、精製水の一種です。
精製水は不純物が限りなく少なく、工業用や実験用として使用されます。ミネラルや塩素を含む水道水により影響が出るときは、精製水を使用しましょう。
精製水は飲料用として製造されておらず、飲んでもおいしくないとされています。
また不純物がろ過された安全な水ではありますが、飲料用ではないため飲まないよう注意しましょう。
アルカリイオン水
アルカリイオン水は、アルカリイオン整水器で電気分解をおこなった水です。アルカリイオン水のpHは人工的に調整されており、pH9~10の弱アルカリ性です。
天然水と異なり、アルカリイオン水に水源地の指定はありません。一般的なアルカリイオン水は、水道水をアルカリイオン整水器で加工して販売されているものです。
アルカリイオン水には、下痢や消化不良、便秘など胃腸に関わる不調を改善する効果があるとされています。改善の仕組みについては未解明ですが、今後も研究が進みアルカリイオン水の効果にさらなる注目が集まる可能性は高いでしょう。
アルカリイオン水は安全に飲める水であり、一般向けに幅広く販売されています。
海洋深層水
海洋深層水は、水深200m以深にある海水の総称です。太陽光がほんのわずかしか届かない深い海の中にあり、水質や水温の変化は海の表面にある水と比べて非常に少ないです。
また不純物が少なく、人間の生活排水の影響も非常に少ないとされています。
さらにミネラルがバランスよく豊富に含まれており、健康面でも注目されてきました。
海洋深層水は飲用として使用されているほか、水産食品の加工や化粧品の製造にも活用されています。今後海洋深層水の研究が進むにつれ、さらに幅広い用途で使用される可能性も高いでしょう。
水素水
近年話題の水素水は、水素分子(H2)を溶け込ませ、水素分子の濃度を高めた水です。水素分子に圧力をかけたり、化学反応を起こすことで通常の水より水素の濃度を高めています。
ただし水素は時間の経過とともに抜けてしまうため、開封後は早く飲み切ることが重要です。水素水には抗酸化作用があり、アンチエイジングに効果的として多くのメーカーから販売されてきました。
しかし水素水の効果については疑問も多く、国民生活センターへの問い合わせも相次いでいます。
実際に国民生活センターが販売されている水素水を調査したところ、過剰な効果を謳ったものもあることが判明しました。
水素水を購入する際は成分や内容表示に問題がないか、慎重にチェックしてみてください。
水の種類ごとの成分
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水の種類ごとに含まれる成分は異なります。
ここからは多くの方が飲む次の水の種類について、それぞれ成分を解説します。
- 水道水の成分
- ミネラルウォーターの成分
- 天然水の成分
気になる成分が含まれているかどうか、チェックしてみてください。
水道水の成分
水道水には、主にミネラルが含まれています。水道水に含まれているミネラルは、次のとおりです。
- カルシウム
- マグネシウム
- ナトリウム
- カリウム
- ケイ素
含まれるミネラルの量、浄水場により異なります。
たとえば倉敷市において、水道水に含まれるナトリウムの量は最大で45.7mg、最小で6.7mgです。詳しい成分量を知りたい方は、住んでいるエリアの浄水系を確認してみてください。
水道水にはミネラルにくわえ、塩素が含まれています。
塩素に危険なイメージを持つ方もいますが、水道水に含まれる塩素は生涯にわたり摂取しても問題ない量に抑えられています。
ミネラルウォーターの成分
ミネラルウォーターに含まれる主な成分は、次のようなミネラルです。
- カルシウム
- マグネシウム
- ナトリウム
- カリウム
このほか人工的にリンが添加されている製品もあります。ミネラルの種類としては、水道水とミネラルウォーターにあまり差はありません。
またミネラルが豊富に含まれているミネラルウォーターもありますが、ミネラル含有量が水道水と大差ないものも存在します。
しかしミネラルウォーターは塩素を含んでおらず、口当たりがよく飲みやすい水です。おいしくミネラルを摂取するなら、ミネラルウォーターがおすすめです。
天然水の成分
天然水に含まれている成分も、水道水やミネラルウォーターと同じです。
- カルシウム
- マグネシウム
- ナトリウム
- カリウム
ただし天然水の一種であるナチュラルミネラルウォーターは、ミネラルが溶解した地下水を指します。そのため他の水と比べ、ミネラルが豊富に含まれているケースが多いでしょう。
また天然水のなかには、バナジウムやシリカなど他のミネラルを含む製品もあります。天然水には豊富な種類があるため、気になるミネラルを含むものを探してみてください。
そもそもミネラルとは?
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水に含まれるミネラルとは何か、疑問に感じている方は少なくないでしょう。ミネラルは酸素、炭素、水素、窒素を除く、体を構成する成分の総称です。
ここからは次の2点から、ミネラルの詳細を解説します。
- ミネラルの役割
- 1日に必要な摂取量
ミネラルについて理解を深め、お水選びに役立ててみてください。
ミネラルの役割
ミネラルには人間の体の働きをサポートしたり、体の構成要素となったりする役割があります。人間には必須ミネラルとされる16種類のミネラルがあり、ミネラルが不足すると健康に悪影響が及びます。
水に含まれる代表的なミネラルとその役割は、次のとおりです。
ミネラルの種類 |
主な役割 |
カルシウム |
・骨や歯を作る主要な構成成分 ・神経の興奮を抑える作用もある |
マグネシウム |
・300種類以上の酵素の働きを助けるミネラル ・筋肉や神経の機能維持にも役立つ |
ナトリウム |
・体内の水分バランスを調整する役割を持つ ・栄養素の輸送、吸収にも関わる |
カリウム |
・体内の浸透圧調整をおこなうミネラル ・体液のpHバランスを保つ役割も持つ |
現代においてとくに不足しやすいミネラルは、カルシウム、マグネシウム、鉄とされています。ミネラルを含む水を積極的に飲むことで、ミネラル不足を予防しましょう。
1日に必要な摂取量
1日に必要なミネラル摂取量は、ミネラルの種類により異なります。代表的なミネラルの種類と必要摂取量は、次のとおりです。
ミネラルの種類 |
摂取量の目安 |
カルシウム |
成人男性:1日650mg~800mg 成人女性:1日650mg |
マグネシウム |
成人男性:1日320mg~370mg 成人女性:1日270mg~290mg |
ナトリウム |
成人男性:1日8.0g未満 成人女性:1日7.0g未満 |
カリウム |
成人男性:1日2,500mg 成人女性:1日2,000mg |
ミネラルを過剰摂取すると、結石やがん、高血圧や下痢などの症状につながる恐れがあります。
水のみでミネラルを過剰摂取するのは難しいですが、水とあわせてミネラルを含むサプリメントを普段から飲んでいる方は十分に注意しましょう。
おいしい水を手軽に飲む方法
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おいしい水を手軽に飲む方法には、次のものがあります。
- ペットボトル入りのミネラルウォーターを購入する
- ウォーターサーバーを設置する
- 浄水器を取り付ける
それぞれの方法のメリットとデメリットについて、確認しましょう。
ペットボトル入りのミネラルウォーターを購入する
すぐにおいしい水を飲みたいと感じたら、ペットボトル入りのミネラルウォーターを購入しましょう。昨今はコンビニやスーパーマーケットでも数多くのミネラルウォーターが並んでいます。
金額を重視するなら、大容量のものを購入するとよいでしょう。重さが気になる場合、通販サイトでまとめ買いするのもおすすめです。
ただし500ml、700mlなど小さい容量のペットボトルは割高です。持ち運びには便利ですが、毎日飲む場合はコストが大きくなるでしょう。
おいしい水を日常的に飲みたい方は、ウォーターサーバーや浄水器の導入を検討してみてください。
ウォーターサーバーを設置する
冷水や温水をすぐに飲みたい方には、ウォーターサーバーの設置がおすすめです。ウォーターサーバーとは、水のボトルをセットすればお湯や水を好みのタイミングで出せる製品です。
自宅のほか、オフィスやホテルなどでも幅広く導入されています。
ウォーターサーバーのメリットは、次のとおりです。
- 冷水や温水をすぐに出せる
- 水が自宅に届きすぐに飲める
- 災害時は備蓄水になる
冷たい水を冷やして置くスペースがない方、お湯を沸かす手間が気になる方は、ウォーターサーバーを検討してみてください。多くのウォーターサーバーには天然水が使用されており、ミネラルの摂取も可能です。
ただしウォーターサーバーの設置場所が必要となります。
また継続して水を購入する必要があり、ランニングコストがかかります。水の価格、ウォーターサーバーの金額を意識して複数の製品を比較しましょう。
浄水器を取り付ける
浄水器を取り付ければ、自宅の水道水に含まれる不純物、臭いが減り水道水をおいしく飲めるようになります。取り付けるのみで効果を得られるものが多く、賃貸物件でも手軽に導入できるでしょう。
水道水をそのまま飲んでも安全性としては問題ないものの、水道水の味が苦手な方は試してみてください。
浄水器の価格は製品により大きく異なります。安いもので問題なければ数百円で入手できますが、高価なものは本体価格のみで数十万円です。
より多くの不純物を取り除ける浄水器を希望しているなら、初期コストは高くなると考えておきましょう。
また浄水器にはカートリッジの交換も必要です。
カートリッジの価格を含め、無理なく継続できる製品を選びましょう。
水に関するよくある質問
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水に関して、多くの方が抱くよくある質問は次のとおりです。
- 硬水と軟水の違いは?
- 水道水よりミネラルウォーターの方が安全?
- ケイ素入りのシリカ水とは?
それぞれの回答を確認して、水に対する理解を深めましょう。
硬水と軟水の違いは?
硬水と軟水では、水の硬度が異なります。
WHO(世界保健機関)の基準によると、水の区分は次のように定義されます。
区分 |
硬度 |
軟水 |
60未満 |
中程度の軟水 |
60以上120未満 |
硬水 |
120以上180未満 |
非常な硬水 |
180以上 |
硬度は水のなかに含まれるミネラルの量を示すものです。硬度が高いほど、ミネラルの含有量は多いとされています。
ミネラルを摂取するなら硬水がおすすめですが、日本人は軟水を飲む機会が多く、硬水は飲みにくいと感じる方は少なくありません。
硬水を飲む際は、味わいや口当たりに問題がないか確認しましょう。
水道水よりミネラルウォーターの方が安全?
従来では、水道水よりミネラルウォーターの方が厳しい基準で製造されており安全とされてきました。
しかし現代では水道水の品質基準が厳しく、誰でも安全に飲める水道水が普及しています。
一方、ミネラルウォーターは水道水とは異なる基準で製造されており、安全性について一概に比較するのは難しい状況です。水道水とミネラルウォーターの成分の違いから、どちらが状況に適しているか考えて選択しましょう。
ケイ素入りのシリカ水とは?
近年シリカ水としてケイ素入りの水が話題です。ケイ素は人間の体を構成する重要なミネラルであり、シリカはケイ素が酸化して状態が変化したものを指します。
ただしケイ素とシリカの異なる点は状態のみにあり、一般にケイ素入りの水をシリカ水と呼ぶケースもあります。
シリカにはコラーゲンやエラスチンを作ったり、作用を強めたりする効果があるとされています。
またシリカは加齢とともに減少し、体内では製造できないことから水でシリカを摂取すべきと考える方が増えてきました。
ただしシリカ水の摂取量について、明確に定められているわけではありません。試験により安全性は確認されているものの、飲み過ぎには注意しましょう。
まとめ
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今回は水の種類や成分、ミネラルの役割や摂取量について解説しました。水の成分は種類ごとに異なり、ミネラルがあまり含まれていない水もあります。
摂取したい成分がある方は、水ごとの特徴を理解して目的に適した水を飲むようにしましょう。おいしくさまざまな成分が含まれた水はスーパーやコンビニ、インターネットサイトで数多く売られています。
また自宅で安く水を飲める方法には、ウォーターサーバーや浄水器の導入もあります。
水の成分のみならず飲みやすさや価格を考慮して、自身のライフスタイルに適した水の飲み方を探しましょう。
※本記事の情報は2023年7月時点のものです。
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