気仙沼・阿部長商店「あぶりさんま」。皮は香ばしく中はしっとり!|からだに美味しいお取り寄せ(46)

出典:阿部長商店
薬膳において、さんまは血行を促進し、老廃物を洗い流す働きに優れた魚です。さらに、人間のエネルギー源である「気」を補い、疲労回復にも役立つというパワーフィッシュでもあります。
今回は、気仙沼から絶品のさんま加工品をご紹介します。
もくじ
三陸沖で水揚げされたバツグンに美味しい旬のさんま

出典:筆者にて作成
日本有数のさんま水揚げを誇る、宮城県気仙沼市。秋には、三陸の海の玄関とも言われる日本屈指の漁港・気仙沼港に、銀色に輝くさんまを乗せた船が次々と入港します。

出典:阿部長商店(世界三大漁場のひとつである三陸沖の豊富な海の幸が水揚げされる、気仙沼港)
豊漁の今年は、ひときわ気仙沼は活気に満ち溢れています。10月18日には、「気仙沼海の市サンマまつり」が開催され、さんま炭火焼き1000尾の無料お振る舞いを実施。町は大いににぎわいました。

出典:筆者にて撮影(気仙沼海の市サンマまつりで行われたさんま炭火焼き無料お振る舞い。会場は、さんまの焼ける香ばしい煙でいっぱいに!)

出典:筆者にて撮影(美しい黄金色に焼き上がった気仙沼のさんま)
さんまは三陸沖を代表する魚。昔から地元で親しまれた秋の魚です。さんま漁は8月ごろから北海道ではじまり、次第に南下。寒流と暖流が交わる栄養豊富な三陸沖で育ったさんまは身質のよさで知られています。さらに漁が最盛期となる9~11月には脂肪をたっぷり蓄えます。もっとも美味しいタイミングで漁獲され、気仙沼港に水揚げされたさんまは最高の味わいです。

出典:筆者にて撮影(気仙沼港に横付けされたさんま船)

出典:阿部長商店(水揚げされたさんま。今年は10月末の時点で気仙沼港に累計3706トン、前年の2倍という大漁)
そんな気仙沼の絶品さんまを、全国においてトップレベルの買付け量を誇り、販売を行っているのが気仙沼市の「阿部長商店」。

出典:阿部長商店(阿部長グループ商品の基幹工場を所有する気仙沼食品)
1961年創業、阿部長商店を核とする「阿部長グループ」は生鮮出荷や加工品製造などの水産事業と、ホテルや観光施設の経営などの観光事業、物販事業、飲食事業など「三陸の海の恵みをいかした」事業を展開しています。

出典:阿部長商店(阿部長グループの「気仙沼プラザホテル」。気仙沼湾を一望する高台に位置し、気仙沼港に水揚げされた四季の海の幸を堪能できる。深層天然温泉「気仙沼温泉」でくつろげるのも魅力)
気仙沼さんまのプロフェッショナル・阿部長商店渾身の「あぶりさんま」
阿部長商店においてさんまは創業当初から取り扱い、その目利きは代々受け継がれ、継承されています。1995年には、全国初の「秋刀魚サミット」も開催。さんまとともに歩んできた歴史があります。現在は生のさんま以外にも、多彩な加工品を販売していますが、長きにわたって高い人気を誇るロングセラー商品が「あぶりさんま」。さんまを甘酢に漬けて締めてから、表面を炙ったという、さんまでは珍しい商品です。

出典:筆者にて撮影(「あぶりさんま」。気仙沼水揚げの旬のさんまを使用)
それだけに「開発は苦労の連続だったようです」と語るのは阿部長商店 食品部部長 吉田良一さんの熊谷 航さん。
あぶりさんまに使用しているのは、もちろん旬の時期に、阿部長ならではの目利きで厳選したさんま。

出典:阿部長商店(厳選したさんま。美味しいさんまは目が黒くて澄み、口先が黄色くてうろこが表面にあって背が黒い、全体的に光沢があるものだそう)
水揚げ後、すぐに工場へ搬入したのち、いったん急速冷凍して鮮度を維持。安定供給を可能にしています。解凍後、三枚におろして骨を抜き、食べやすくした後、特製の甘酢に漬け込んでから炙って仕上げますが、この「炙り」が至難の業でした。
「当初は一枚一枚、手作業で炙っていたようですが、さすがに量産するためには機械が必要でした」と吉田さん。開発チームが目指したのは、「生の刺身」を食べるときのような感覚。また、皮の美味しさを生かすために、薄皮をはがすことなく表面を炙り香ばしく、身はしっとりした仕上がりでした。ところが「既存の機械」での実現は難航を極めました。「表面だけを均一に炙ることが難しかったのです。火力が強ければ焦げる、弱すぎれば香ばしさが出ませんでした」と吉田さんが説明します。
その結果、機械メーカーと共同で「専用あぶり機械」を開発。火力、加熱時間、さんまを焼く距離感を何度も細かく調整し、表面は炭火で炙ったような芳醇な香り、中はしっとりした生の刺身のような食感という、絶妙なコントラストの仕上がりを実現。

出典:阿部長商店(あぶりさんまのために開発された、あぶり機械)
発売後、「焼いたさんまのような香ばしさがある」「刺身のような食感」と人気を博しリピーターが絶えない商品に。第42回農林水産祭にて、水産部門最高賞という「天皇杯」も受賞しました。
また、あぶりさんまは自社独自の最高技術「天井ヘアピンコイル冷却方式」を採用しているため、素材の風味や鮮度の劣化を抑え、いつでも作りたての美味しさをそのまま楽しめるのも魅力です。

出典:阿部長商店(あぶりさんまは、天井ヘアピンコイル冷却方式で鮮度保持)
お寿司に、サラダに、パンに!あぶりさんまの使い方は多彩
あぶりさんまは、そのまま刺身のようにいただく以外にも、サラダのトッピングにしたり、カルパッチョにしても美味しくいただけるそうです。さらにおすすめが「お寿司です」と吉田さん。「酢飯にごまや柚子を混ぜたりして棒寿司にしたり、ちらし寿司にして楽しんでいらっしゃるお客様も多いですね」

出典:阿部長商店(あぶりさんまを棒寿司に。商品の形状的にも棒寿司は作りやすいのでおすすめ)
あぶりさんまは、たしかに皮目の「こんがり具合」が見事!

出典:筆者にて撮影(パッケージから出した、あぶりさんま。こんがりした焼き加減に期待が高まる)
まずはそのままいただいてみました。
「香ばしい」!絶妙な焼き加減で、皮目のおいしさを満喫できます。
続いて極めて生感のあるしっとり、とろけるような身からは、みずみずしい脂が口いっぱいにジュワッと広がります。
そして甘みが控えめ、酸味もマイルドな甘酢の効果で清々しい後味も魅力。

出典:筆者にて撮影(刺身のようにしょうゆ、わさびとともにいただけば、日本酒のおともにぴったり。甘酢は甘さ控えめ、スッキリした仕上がり)
さんまの魅力が全開で反映された仕上がりに感動!まさに、さんまを知り尽くした阿部長商店ならではの技がなしえる商品といえそうです。
あぶりさんまを使って、薬膳レシピを作ってみました。まず「あぶりさんまとりんごとナガイモのサラダ」。
さんま同様気を補うりんごとナガイモの組み合わせです。スライスしたあぶりさんまと、りんご、ナガイモを、ヨーグルト・オリーブオイル・粒マスタード、にんにくのすりおろしを混ぜて、塩・ブラックペッパーで味を調えたソースであえたら完成。
とろける脂のりのあぶりさんまと、サクサクしたりんご、ナガイモとの相性はバッチリ。白ワインのおともにもぴったりです。

出典:筆者にて撮影(あぶりさんまとりんごとナガイモのサラダ。マヨネーズではなくヨーグルトのほうが、さわやかに仕上がります。粒マスタードとの相性もバツグン)
そして、熊谷さんおすすめのお寿司にもトライ。「あぶりさんまの薬膳ちらし寿司」です。こちらもさんまの効能と同じく、気を補う卵、ナガイモ、しいたけ、枝豆、栗に、えびもプラスした「疲労回復ちらし寿司」です。
あぶりさんまは酸味がマイルドなので、酢飯との相性が絶妙にマッチ。手軽に、ワンランク上のちらし寿司が完成します。

出典:筆者にて撮影(あぶりさんまの薬膳ちらし寿司。さんまのとろける脂がしみた酢飯もまた旨し)
あぶりさんまはお米だけではなく、パンに使ってもよし! 「あぶりさんま薬膳サンド」はいかが? こちらはさんまの血行促進効果をいかして、血流アップに役立つクレソンと玉ねぎを使用。辛子マヨネーズをかけてバターを塗ったトーストにはさみました。あぶりさんまとほろ苦いクレソン、赤タマネギの辛みで絶品さんまサンドの完成!

出典:筆者にて撮影(あぶりさんま薬膳サンド。辛子マヨネーズをプラスすると味が引き立ちます)
香ばしさと酸味のほどよいあぶりさんまは、いろいろな使い方ができそう。「さんまの塩焼き」ではできない、多彩な味わい方ができるのも楽しい!
大ぶりのさんまつみれ、野菜たっぷりの「つみれ汁」。気仙沼の定番料理は、癒し系の美味しさ
阿部長商店では、気仙沼ならではの味わいを商品化した「三陸食堂さんまつみれ汁」も人気です。

出典:阿部長商店(三陸食堂さんまつみれ汁は「三陸食堂シリーズ」の一品。三陸食堂シリーズは、賑わいのある港町の食堂をイメージしたバラエティーに富んだ魚のお惣菜ラインナップ。ギフトとしても人気)
さんまのつみれ汁は、さんまが旬の時期、気仙沼の家庭では定番の料理。「昔から親しまれている家庭料理を、もっと多くの方に届けたいと開発がスタートしました」と熊谷さん。「とにかく秋は、どこの家庭も『さんまづくし』(笑)。塩焼きや刺身だけではなく、いろいろな食べ方をしますが、なかでもよく作られるのがさんまのすり身をつみれにした汁ものなんです」
その証拠になんと、気仙沼のスーパーでは、さんまのシーズンには、必ず「さんまのすり身」が販売されているのです。

出典:筆者にて撮影(気仙沼市内のスーパーにて。さんまの横には、「さんまのすり身」が!)
気仙沼のさんまつみれ汁の特徴は、熊谷さんによると「野菜など、とにかくつみれ以外にも具だくさん」なのだそう。「そのほうが美味しく仕上がるんです」。
三陸食堂さんまつみれ汁も、大ぶりのさんまつみれがゴロゴロ、そしてにんじんや大根、ごぼうもゴロゴロ。具がたっぷり!

出典:筆者にて撮影(さんまつみれ汁。大ぶりなつみれに満足感大!)
新鮮なさんまを使ったつみれは、こだわりの「食感がよく、ふっくら仕上げ」。
すり身の材料の配合や、練り方、成形方法などを試行錯誤して、レトルト加工後も、つみれの美味しさをキープ。
さらに、芳醇でまろやかな味わいが魅力の、宮城県登米市「ヤマカノ醤油」を使用し、深みのある味わいに仕上げてあります。
いただいてみると、工夫を重ねて完成したさんまつみれは、ホクホクと食感もよく、旨みいっぱい。ほっこり、笑顔になるような「すこやかな」味わい。クセもなし!
汁も、さんまの旨みがしみて、奥深い味わい。濃すぎず、絶妙なホッとするやさしさに満ちあふれた美味しさです。まるで浜の食堂で、おかあさんが振る舞う手作りのつみれ汁のような「癒し系」の味わいです。
もちろん汁がしみたたっぷりの野菜も美味。ちょっと肌寒くなったこの季節、身も心も温まる一品です。
こちらも薬膳アレンジしてみました。手足の冷え改善に役立つ「さんまつみれ汁のカレーにゅうめん」です。
血行不良は手足の末端の冷えにつながります。さんまで血流をアップ。黒きくらげ、カレー粉に含まれるターメリックも血行促進食材です。さらに、血行促進に加えて身体を温めるパワーが絶大なニラをプラスしました。
作り方はカンタン。さんまつみれ汁をあたためて、カレー粉を加え、カットした黒きくらげ、ネギ、ニラ、ゆでたそうめんを入れたら完成。
さんまの旨みがいっぱいの汁は、カレー風味でもバツグンの美味しさ。うどんにチェンジして、とろみをつけても美味しくいただけます。

出典:筆者にて撮影(さんまつみれ汁のカレーにゅうめん。黒すりごまをふっていただくのもおすすめ)
仕入れから加工、販売まで一貫した阿部長商店こだわりのさんまグルメ。ぜひ、気仙沼の旬の味を、通年美味しく味わってみてくださいね。
■阿部長商店「あぶりさんま」は、阿部長商店公式通販サイト〝うまい!三陸〟からお取り寄せください。



