お買物探偵団

奇跡の香酸かんきつ・宮崎特産へべす。際立つ香り、果汁たっぷり!|からだに美味しいお取り寄せ(44)

出典:JAみやざき

 

薬膳においてストレス解消におすすめの食材は「かんきつ類」。

 

中医学において、ストレスがたまっている状態とは、目には見えない人間のエネルギー源である「気」の流れが滞っている=「気滞」の状態と考えます。気の巡りは、西洋医学でいう自律神経に重なり、そのコントロールがうまくいかなくなることでイライラ、情緒不安定といった症状が起こります。

 

ストレスを解消するには、気を巡らせる食材を取り入れることが大切。かんきつ類は、そのさわやかな香りが気の流れをよくして、気持ちをリラックスさせてくれるのです。

 

今回は、宮崎県特産の香酸かんきつ「へべす」をご紹介します。日本各地にさまざまな香酸かんきつがありますが、へべすの香り、味わい、料理を引き立てるパフォーマンスは唯一無二! 宮崎県出身の筆者も、へべすの大ファンです。

 

知名度はまだまだほかの香酸かんきつに及びませんが、一度その風味を体験すると、やみつきになること間違いなし。その魅力をご紹介します。

 

かぼすやすだちとは別モノ! 香り際立ち、果汁たっぷりのへべす

 

出典:筆者にて作成(宮崎県日向市がへべすの原産地です)

 

へべすは宮崎県北部に位置する日向市原産の香酸かんきつです。そのユニークな名前は江戸末期、富高村西川内の長宗我部平兵衛さんが、山中に自生するのを発見したことに由来します。平兵衛さんの名前から「平兵衛酢(へべす)」と名がつきました。

 

出典:JAみやざき(へべす。旬は7月下旬~9月。ハウス栽培、露地栽培の順にリレー出荷が行われる。栄養面においてはビタミンC、アミノ酸が豊富)

 

へべすの見た目はすだちや、かぼすに似ていますが、特徴や風味はまったく別モノです。

 

提供:日向市(へべすとすだちとかぼすの比較。すだちより玉が大きい。そして、すだちやかぼすよりも皮が薄く種が少ない)

 

パッケージを開けるなり、濃緑の果実から一気に放たれるさわやかな香り。絞り汁を口に含むと、まずライムのようなキリッとした香気が弾け、続いてどこか懐かしくおだやかで、まろやかな酸味が広がります。そして最後に、まるでサイダーのような、シュワッとしたさわやかさが駆け抜ける! 

 

わたしは勝手に「微発泡かんきつ」と呼んでいますが、その目が覚めるような清々しい風味は記憶に鮮やかに刷り込まれるほど。

 

出典:筆者にて撮影(パッケージ入りのへべす。開けた途端に「うわあ」と声をあげるほどの香り。気持ちがリフレッシュする「天然のアロマ」)

 

また、へべすは皮が薄いので、ほかの香酸かんきつ類より搾汁率が高いという特徴があります。半分に切って絞ると、たっぷりあふれる果汁に驚くはず。さらに、種がほとんどないので絞りやすい! なんとも便利な、かんきつでもあるのです。 

 

出典:JAみやざき(大きく、皮が薄くて種が少ないへべすはたっぷり果汁がとれる。自家受粉するへべすは、基本的に種が少なく、ハウスものはほぼ種がない)

 

ただし、生産量が少ないことから、これまで県外での流通はごくわずかで「幻のかんきつ」といわれていたへべすですが、近年、県内各地へ栽培が拡大し、出荷量が増加しつつあります。

 

宮崎県では2023年から、へべすの旬となる8、9月に東京、大阪、福岡、宮崎の飲食店と連携した「みやざきへべす」フェアを開催。その美味しさが注目を集め、販路も拡大。話題を呼んでいます。

 

「なんにでも」使えて「なんでも」美味しくなるへべす 皮を使えば薬味いらず

 

宮崎県におけるへべすのおもな産地は、原産地でもある日向市です。「へべすは何にかけてもウマい。香りもバツグンです」と笑顔で語るのは、JAみやざき日向地区本部平兵衛酢部会会長の川﨑泰富さん。父の代からへべす栽培を受け継ぎ、25年になります。

 

出典:JAみやざき(川﨑泰富さん。へべすの栽培に情熱をかたむけるとともに、へべすを全国に知らしめるべく活動を行う)

 

美味しいへべすを作るために大切なことは「水やり」。「花がついたころにどれだけ水を与えているか」がポイントなのだそうです。白く愛らしいへべすの花が咲くのは、3月ごろ。果汁がたっぷりのみずみずしい大きな実に仕上げるには、このタイミングでの水やりが欠かせません。ただし、皮が薄いため、水を過剰に与えると実割れの原因になります。長年の経験から土の状態を考慮して、適度な量を見極める必要があるのです。

 

十分な水をすみずみまで行き届かせるためには、枝の先端まで十分に行き届かせるために、枝が下に曲がらないようにひもで釣り上げるなどの工夫も欠かせません。

 

出典:JAみやざき(たわわに実るへべす。皮の色が鮮やかで、表面にツヤとハリがあるものが美味しい)

 

収穫も実に傷がつかないように慎重に行います。4cmのリングを使ってサイズを確認してから、リングを通らない大きな実だけを、はさみを2度使ってていねいに切りとります。

 

近年の炎天下における作業は大変ですが、すべては「最高のへべす」のため。

「県外に持って行きはじめたときには、『かぼすやすだちは知っているけど、へべすってなに?』と怪訝な顔をされたものでした」と川﨑さん。「かぼすやすだちと、へべすはまったく異なります。まず香りの立ち方が違う。へべすは枝を切っただけでも、青くみずみずしい香りが立つんですよ」。

 

枝を切って香るほどであれば、実った果実ならばなおさら。川﨑さんのハウスを訪れた人はみな「圧倒的な香り」に驚くそうです。

 

そして川﨑さんは、へべすの味わいについても「ほかの香酸かんきつにはない『まろやかさ』がある」と力をこめて語ります。

 

料理にかけたときに、たんなる「酸味」ではなく、まろやかな味わいが「料理そのものの味わい」を引き立てることは、へべすを高く評価するシェフたちからも多く聞かれるコメントなのだそう。

 

「もっとへべすの認知度を高めたい」という川﨑さんに、「ふだんのへべすの利用法は?」とお尋ねしました。

 

すると川﨑さんはキッパリ。

 

「『なんにでも』ですね 『なんでも』美味しくなるので」

 

焼いた肉、魚は刺身、焼き魚なんでもござれ。フライなどの揚げ物は当然。そうめん、冷やし中華、そば、ラーメンなどの麺類。冷ややっこなどまさに「なんにでも」合うオールマイティーなへべす。

 

また、「皮も美味しいので、ぜひ使っていただきたい」と川﨑さん。「薄く切ったへべすをそのまま料理にのせたり、表面の青いところをおろして入れると『薬味いらず』ですよ」

 

また地元の定番は「味噌汁に入れる」。「香りがよくてさっぱりします」(川﨑さん)

 

そしてお酒に。種類を問わず美味しくなりますが、とくにおすすめは宮崎ならではの「焼酎」。川﨑さんによれば「焼酎に入れると最高。焼酎のクセもなくなり、何杯でも飲めます。もっとみんなに教えてあげたいね(笑)」

 

そのほか、地元では水にスライスしたものを入れた「へべす水」、牛乳にへべすを入れ、ヨーグルトのようにとろみをつけた「へべすミルク」などでも楽しまれているそうです。

 

へべすは和洋中万能。料理そのものの味わいがワンランクアップ!

 

川﨑さんのおっしゃるとおり、へべすの魅力は肉、魚のどちらとも相性がよく、旨みまで引き出してくれることは、筆者もつねづね実感しています。

 

さらにへべすのパフォーマンスの凄さは、香りや酸味づけだけではなく、「料理そのものの味わい」をグンとアップさせること! へべすだけが主張することなく、料理と相まって奥深さを醸し出してくれます。

 

そのうえ、和洋中すべての料理にマッチするのも素晴らしい。たとえば、肉じゃがや、グラタン、チンジャオロースなどに絞ったり、スライスをのせると「ワンランク上の味わい」になります。

 

出典:筆者にて撮影(肉じゃがにへべす。「おふくろの味の定番」が、気品あふれるすがすがしい味わいに!)

 

出典:筆者にて撮影(エビグラタンにへべす。ホワイトソースにグンと高級感があふれる。さらにソースのこってり感が緩和され、さわやかに。発泡系白ワインと最高のマリアージュ!)

 

出典:筆者にて撮影(チンジャオロースにへべす。爽快な味わいの「夏チンジャオロース」に。ピーマンとの相性もバツグン)

 

へべすを使った薬膳を作ってみました。まず、「へべす地鶏炭火焼きそば」。へべす同様気を巡らせる効能がある「そば」にへべすのスライスと、気を補う鶏肉をトッピング。鶏は宮崎名物「地鶏の炭火焼き」を使用。宮崎ペアリングのぴったりさは、いわずもがな!

 

へべすが浸み込んだ、香りよくさわやかなめんつゆで味わう涼やかなそばに、スモーキーでパンチのある炭火焼きがコクを加えて、食べ応えと爽快感をそなえた一品に。

 

出典:筆者にて撮影(へべす地鶏炭火焼きそば。皮の部分が薬味になって、キリッと引き締めてくれるのも美味しさの秘密)

 

そして「タコとへべすのリラックスサラダ」。自律神経と関わりの深い臓器「肝」の働きをサポートするタコ、へべす同様気の巡りを改善するセロリを組み合わせたレシピです。みょうがも加えてさっぱりと仕上げました。

 

カットしたタコ、セロリを合わせて、オリーブオイル、塩、ギュッと絞ったへべすで調味。さらにへべすスライスをのせれば完成。

 

へべすのまろやかな酸味が、タコの旨みを華やかに引き立てます。香りよく、食べるうちにストレスも吹き飛んでいきそう。

 

出典:筆者にて撮影(タコとへべすのリラックスサラダ。セロリの独特の風味がへべすでマイルド&いよいよもってさわやかになるのもうれしい)

 

もう一品は、「へべすとホタテ、しいたけの薬膳アヒージョ」。こちらも「肝」の働きをサポートするホタテと、そして気を補うしいたけを組み合わせた一品。

 

鍋にオリーブオイル、にんにく、ホタテ、しいたけを入れて弱火で加熱。仕上げにスライスしたへべすを入れてしばらく煮たら完成。

 

へべすは軽く火が入ってもしっかりとマイルドな酸味が残り、味わいも深まります。コクうまなホタテ、しいたけに、へべすの上品な風味が加わって、ワインのおともにぴったり。

 

出典:筆者にて撮影(へべすとホタテ、しいたけのアヒージョ。へべすはオリーブオイルとの相性もバツグン)

 

今年も「みやざきへべすフェア2025」が好評開催中(9月30日まで)。東京、大阪、福岡、宮崎エリア277店舗でオリジナルのへべすメニューが提供されています。さまざまな飲食店でへべすの「ポテンシャル」を感じていただけるはず。

 

提供:みやざきブランド推進本部(みやざきへべすフェア2025では、宮崎牛・宮崎農産物詰め合わせ・QUOカードpay・乾杯果汁へべす酎ハイのいずれかが当たるキャンペーンも実施)

 

そして大手スーパーなどでもへべすの果実が販売されているので、ぜひいろいろな料理に合わせてこのうえなくさわやかに、美味しく残暑をのりきってくださいね。

 

 

◾️へべす(果実)は、JAみやざき公式通販サイトからお取り寄せください。

 

◾️へべす(加工品)は、JAみやざき日向オンラインショップからお取り寄せください。

 

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