唐津市・呼福の鯖蒲鮨。唐津Qサバと生かまぼこがドッキング!|からだに美味しいお取り寄せ(29)
出典:呼福
日差しがどんどん強くなり、シミ対策が気になる季節。中医学では、シミの原因は血の巡りの悪さが原因であるとしています。血は肌に栄養を与える液体。それが滞って身体のすみずみまで行き渡らないと、肌の新陳代謝が衰えて老廃物がたまり、シミが出現してしまうのです。
改善のためには、体内の血を巡らせる食材を取り入れることが必要です。おすすめはサバ。血行を促進して、老廃物を洗い流すパワーが絶大なのです。
今回は、佐賀県唐津市の絶品サバグルメをご紹介します。
日本初の完全養殖サバ「唐津Qサバ」
「呼子(よぶこ)のイカ」で有名な佐賀県唐津市。そんな町で近年、大ブレイクしているのが完全養殖のブランドサバ「唐津Qサバ」です。
出典:筆者にて作成(呼福は、佐賀県唐津にて大人気、鯖蒲鮨を製造。日本全国への販売も行っています)
唐津はそもそも、サバの水揚げが西日本一でした。ですが、次第にその水揚げは減り、イカも漁獲量が減る中、水産業の復興のきっかけとして唐津市と九州大学によるマサバの完全養殖プロジェクトがスタート。養殖した成魚からとった卵をふ化させて再び育てる完全養殖に日本で初めて成功したのです。
出典:唐津市(日本初の完全養殖サバ「唐津Qサバ」。おおむね400g以上を出荷。平均脂質量は20%。安心・安全に刺身でいただける)
サバの完全養殖は、育成、採卵や授精など高度な技術が必要です。
マサバ養殖に最適な環境を研究し、適切なタイミングで採卵。ふ化させて、体長が7~9センチになったら海面いけす、および陸上水槽で養殖します。
出典:唐津市(唐津Qサバが育つ海面いけす)
じつはサバは意外にもデリケートな魚。夏の暑さに弱く、いけすにぶつかると傷がつきやすいのです。
試行錯誤の結果、生産者による餌のやり方や扱いの工夫、その過程をデータ化し、一年中安定した脂肪分のマサバを作り上げることに成功しました。
平成28年には「唐津Qサバ」と命名。日本初の「アルファベット系ブランドサバ」が誕生! 唐津市内の旅館、ホテル、飲食店は、唐津Qサバを観光の目玉にと勢いづきました。
おもな提供方法は、なんとおそらく日本初の「サバの活き造り」! イカの活き造りで知られる呼子は、「活き造り発祥の地」ともいわれています。尾頭付き、ピクピク動くサバはエッジがたった食感、品のいい脂のりでいくらでも食べられます。
出典:呼福(唐津Qサバの活き造り。鮮度バツグンの味わいを堪能できる)
その美味しさは評判をよび、福岡、東京と日本全国に進出。しかし、まだ課題がありました。
刺身で食べるのがバツグンに美味しい唐津Qサバは、販売の中心が活魚。仕入れや食べられる環境に制限がありました。より多くの人々に食べてもらいたいと、唐津市では、長期保存が可能で、持ち運びやすい加工品の開発を検討していたのです。
そこで立ち上がったのが、唐津市で居酒屋「大志」を営む松田拓也さん。「唐津Qサバは旨みがあり、しつこさがなくほどよい脂のり。しっかりとした味わいがある絶品のサバです」とその美味しさに太鼓判を押す松田さん。
じつは松田さんは、養殖がスタートしてまもないころ、唐津Qサバを試食したことがあるのだそう。
そのときの感想は「これはちょっとムリ」。松田さんは「養殖魚特有の『脂くささ』があって、とても提供できないな、と思いました」と当時を振り返ります。
ところが、その3年後。再び試食したところ「バツグンに美味しくなっていて驚きました。身質も、脂の味わいもすばらしい出来栄えでした」と松田さん。
「美味しさに感動するとともに、改良を重ねて仕上げた関係者のみなさんの努力にも感動しました」という松田さんは、「唐津Qサバを使って『唐津ならでは』の『オリジナリティ』がある加工品を作りたい」と考えるようになりました。
松田さんの実家は、唐津市内の鮮魚店。子どものころから魚に親しんできた松田さんは、大阪で和食の修業を積んだのち、唐津に戻り2003年に「大志」をオープンしました。
出典:呼福(唐津市呉服町に位置する大志。落ち着いた空間で、唐津の食の幸を堪能できる)
「温暖な気候と自然に恵まれた唐津は食の宝庫。とくに玄界灘の海の幸は全国に誇る素晴らしい味わいです」と松田さん。
ところが当時、唐津には地元の食材を楽しめるお店がありませんでした。松田さんは「唐津の食の魅力を伝えたい」と唐津ならではの食材を使用した、創作和食が楽しめるお店として開業。松田さんが素材を厳選し、丁寧に作り上げた料理は評判をよび、唐津きっての繁盛店になりました。
もちろん、唐津Qサバの刺身や〆サバも提供。人気を博していました。
出典:呼福(大志で人気の「唐津Qサバの〆サバ」)
「当初、唐津Qサバの加工品として販売するなら〆サバを、と考えていました。けれど、もっとインパクトがある商品のほうがいいのではと思うようになったんです」と松田さん。
地元には、全国的に知名度の高い「呼子のイカしゅうまい」があります。それに匹敵するような、唐津名物ができたら……と考えた松田さん。
思いついたのは、なんと「サバとかまぼこ」のドッキング!
その発想は「鯖寿司」にありました。
「唐津Qサバを商品化した場合、やはり冷凍での発送が必要です。鯖寿司にしたらどうかとも思いましたが、解凍した際に、どうしてもシャリが固くなりがち。ならば、かまぼこを使ったらいいのでは、と思ったんです」と松田さんが説明します。
「シャリ」のかわりに「かまぼこ」。
まさかの発想ですが、松田さんが商品化にあたって、何よりも大切にしたかったのは「『刺身で食べると最高に美味しい』という、唐津Qサバの魅力を伝える」ということ。そのためにベストな方法では、と「サバかまぼこ」の開発に着手しました。
フレッシュ感を伝えるために、松田さんが選んだのは「サバもかまぼこも『生』」。
生のサバに合わせるのは、通常はすり身を蒸して仕上げるかまぼこではなく、すり身そのものを加熱しないで成型した「生かまぼこ」。前代未聞のチャレンジだったのです。
「至難の業でした……」と松田さん。
「サバとすり身が生の状態ではまったく密着せずに、四苦八苦しました」と松田さん。改良を重ねるもののうまくいかない日々が続いていた矢先に、「コロナ渦」到来。松田さんのお店も影響を受けたものの「せっかく時間ができたのだから、もうこれは徹底的にサバかまぼこと向き合おう」と、試行錯誤を重ねました。
長年の料理経験をいかして追求した結果、3年がかりでドッキングに成功!加熱することなく「生サバと生かまぼこ」を密着・一体化させる特殊技法を完成させたのです。
鯖寿司からインスパイアされた鯖かまぼこは、「鯖蒲鮨」と名づけられ、2022年デビューを果たしました。
出典:呼福(鯖蒲鮨。断面が美しい)
ほぼほぼ「刺身」のサバと生かまぼこが「奇跡の一体化」
生のサバと生のかまぼこが合体した「鯖蒲鮨」。ひとつひとつ、松田さんが丹精込めてていねいに作ります。
鮮度バツグンの唐津Qサバをスピーディーにさばき、中骨を抜いてから、塩をしてくさみが出ないように処理。
松田さんが凄いのはサバは「しめ鯖」にはしないこと。塩をしただけ。つまり「ほぼほぼ、刺身」!
出典:呼福(唐津Qサバは、鮮度保持のために職人の技で迅速に処理)
かまぼこの原料は、唐津Qサバとの相性を考えて何度も試作を重ねたすり身を使用。「使用する魚、味付けにはとことんこだわりました」。よって細かくは「企業秘密」。そして、特製のすり身とサバを「独自の手法」で密着させます。
出典:呼福(サバの身と、すり身を合わせる。「なぜ、密着できるのか」と驚かれること多数)
「企業秘密」の技を施して1週間寝かせれば「完璧な一体化」!
出典:呼福(このとおり、特殊技術で完全にサバとかまぼこが一体化)
その後、特殊な加工・保存方法で鮮度をキープします。
松田さんの渾身作は、たちまち話題を呼びました。食べた人の感想は、まず「だいたい『なにこれ!?』と言われます(笑)」と松田さん。そして、「美味しい」と大絶賛!
量産できる体制を整えるべく、製造・商品化のため、生産拠点&ショップ「呼福」もオープン。
数々のメディアにも取り上げられ、首都圏の名だたるホテルでも提供されるなど、大躍進を遂げています。
まるで鯖寿司!多彩なアレンジも楽しめる
サバとかまぼこ。どうしても文字からは「サバがのったかまぼこ」を想像するかもしれませんが、一度食べるとその概念は変わります。
高級感あふれるパッケージをあけると、美しく光り輝く唐津Qサバ。
出典:筆者にて撮影(もっちりしたフォルムはまさに「鯖寿司」のよう)
そして包丁を入れた瞬間から、「あれ?」「おや?」。あきらかに「サバ」の「刺身」を切っているような、もっちりした感触があるのです。
かまぼこ部もプリンとした固さではなく、すっとやわらかに切れます。食べてみると……衝撃!
サバはレア。というか刺身そのもの。唐津Qサバならではのしっかりした食感、上品な脂のり、とろんとした口あたりが見事に維持されたまま。
出典:筆者にて撮影(切り分けても「鯖寿司」のよう。しっとり感が残ったサバのとろけるような味わいにうっとり)
そこに、適度な歯ごたえがありながら、泡雪のようにふわりとやわらか、優しい旨みと甘みのあるかまぼこが、まるで「シャリ」のようによりそう。唐津Qサバの美味しさがグンと引き立ちます。
まさに「鯖寿司」を見事なアレンジで再現した一品です。
出典:筆者にて撮影(冷凍で届いた鯖蒲鮨は自然解凍がおすすめ。器に盛り、時間がたつほどに、脂がジワジワ染み出していよいよ「刺身感」がアップ!)
あくまで「唐津Qサバ」ファーストなかまぼこは、まさに松田さんの料理人人生の技をかけて完成した素晴らしい味わいです。
そのままでも十分美味しい鯖蒲鮨ですが、アレンジしていただくのもおすすめ。
「バーナーでサバを炙ったり、軽く焼くと香ばしさが加わって美味しいですよ」と松田さん。そのほか「わさびやゆずコショウ、コチュジャンなどの調味料を添えるのもおすすめ」だそう。
わたしも、鯖蒲鮨で薬膳レシピを作ってみました。
まず「鯖蒲鮨の薬膳ばら寿司」。鯖蒲鮨を本当に「お寿司」にしてみました。酢飯の上に、スライスした鯖蒲鮨、みょうが、らっきょう、キュウリ、かいわれ大根、卵焼き、クコの実をのせて完成。サバの刺身感と、かまぼこがアクセントになって美味しく仕上がりました。さすが、鯖蒲鮨。酢飯にもぴったりです。
出典:筆者にて撮影(サバ同様に、血行促進によいみょうが、らっきょうを組み合わせた「鯖蒲鮨の薬膳ばら寿司」)
鯖蒲鮨はオリーブオイルを合わせても美味しいと松田さんにお伺いしたので、「鯖蒲鮨のカルパッチョ 玉ねぎソース添え」に。薄くスライスしてお皿に並べ、刻み玉ねぎ、オリーブオイル、レモン汁、塩をあわせたソースをかけていただきます。さわやかさが加わってワインにぴったり!
出典:筆者にて撮影(鯖蒲鮨のカルパッチョ 玉ねぎソース添え。玉ねぎも血液サラサラ食材。オリーブオイルとの相性はバツグン)
刺身を使う感覚でいろいろ楽しめそうです。
そして、なんといってもサバと、かまぼこの鮮やかな「旨みの競演」が楽しめる鯖蒲鮨は、日本酒にぴったり。お酒好きのサバファンにとっては、まさに「至高のサバ酒肴」! ぜひ、佐賀の銘酒とともに味わってみては?
■呼福の鯖蒲鮨は、呼福オンラインショップでお買い求めください。