孫へお金を使うときはメリハリを!老後の『孫破産』になるかも。
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かわいい孫の笑顔を見ると、ついお財布の紐が緩んでしまうものですよね。
筆者は乳幼児を3人子育て中ですが、帰省の際やお祝いの節目ごとに、父母から子どもたちへお祝い金やおもちゃなどをもらっています。
気持ちはうれしいのですが、やはり心配になるのが、「老後の生活」のこと。
孫にお金を使いすぎて老後の蓄えができず、『孫破産』というべき状態になってしまう人も実際に増えつつあるそうです。
そこで今回は、孫破産に陥りやすい人の共通点と、孫破産を防ぐコツについてご紹介します。
孫破産に陥りやすい人に多い、5つの共通点
孫がいる人すべての人が、孫破産に陥るわけではありません。
孫破産に陥りやすいケースには、5つの共通点があります。
1. 将来必要になる、老後の支出を把握できていない
2. 孫にねだられると断れない
3. 孫が可愛いあまり、お祝いではないのに買ってしまう
4. 子どもが親の資金状況を知らない
5. 孫の子育て資金を、子どもの代わりに負担している
いかがですか。あてはまる項目が多いほど、孫破産のリスクが高まるため要注意です。
では、共通点の中から、1~3についてお話したいと思います。
1. 将来必要になる、老後の支出を把握できていない
定年後の生活は、年金で賄えない分はコツコツ貯めてきた蓄えを切り崩す生活になります。
ですが、老後はこれまで以上に医療費がかかる心配もあるため、将来どれくらいお金が必要になるのかを把握しておかないと危険です。
夫が65歳以上で、妻が60歳以上の無職世帯(夫婦のみの世帯)の家計の場合、実収入から非消費支出(税・社会保険料等)を差し引いた可処分所得約20.7万円に対して、消費支出は約24.0万円で、1ヵ月間に約3.3万円が不足しています。
「公益財団 生命保険文化センター」より引用
出典:公益財団法人生命保険文化センター (jili.or.jp))
年金の受給額や保有資産は人によって異なりますが、老後の生活はゆとりがあるものとは言えません。
こういった老後の生活状況を把握せずに、孫へお金を使い続けると、将来生活が困窮してしまう恐れがあります。
2. 孫にねだられると断れない
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可愛い孫に「コレ買って~」とお願いされると、「ダメ」とは言いづらいもの。
私の父母も、やはり孫には甘い部分があり、母である私が断っても子どもたちのわがままを聞いているときがあります。
ですが、孫が可愛いからと言ってなんでもかんでも購入するのは、金銭的にはもちろん教育的にもよくありません。
3.孫が可愛いあまり、お祝いではないのに買ってしまう
孫の誕生日や入学などのお祝いではない場面でも、特別感のあるプレゼントを買うことはありませんか?
孫に似合いそうな服や好きそうなおもちゃを見つけると、喜ぶ顔を想像してつい買ってしまうものですよね。
ですが、特別な日でもないのにプレゼントを購入していては、プレゼントそのものの価値が薄くなってしまいますし、年間にかかる孫費も膨大な金額になってしまいます。
孫費はメリハリが大事!『孫破産』を防ぐコツ
孫破産に陥らないためにも、孫に使うお金をしっかり管理することが大切です。
・プレゼントは節目ごとに!使った分をしっかり記録する
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孫へのお祝いを贈るときは、しっかり“理由”を持たせることが大切です。
とくに高額なプレゼントやお金を贈るときは、誕生日・クリスマス・入学・初節句・七五三など、節目に限定するなど、メリハリを持たせましょう。
また、金額についても見栄を張らず、自分たちの生活に支障がない程度にとどめておくことも重要です。
・予算を立てて、使いすぎを防止する
孫費は事前に予算を立てて、そのなかで管理すると使い過ぎ防止に効果的です。
予算は、年額ではなく1カ月単位で決めておくのがコツ。
年間予算にすると、早々に予算分を使い切ってしまう場合もあります。
また、孫が複数人いる場合は、孫ごとに予算を立てておくとより管理しやすいのでおすすめです。
・自分も子どもにも、経済状況を把握・理解してもらう
子どもたちにも、現在の経済状況や老後の支出について知っておいてもらいましょう。
経済状況を知らず、“余裕がある”と勘違いしている場合もあります。
状況を理解してもらえれば、子育て費用やマイホーム資金の援助など、金銭的なお願いが減る可能性もあります。
・孫からのおねだりも、しっかり断る強い意志を持つ
可愛い孫のお願いでも、買えないときは「今日はガマンしようね」と断る意志を持つことも大事です。
祖父母とのコミュニケーションは、物を与える、お金を渡すこと以外にもたくさんあります。
孫の正しい金銭感覚を養い、お金の大切さを覚えさせるためにも、良い機会となります。
・孫にかかったお金は、子どもにきちんと請求する
孫を預かる際にかかるオムツ代のほか、一時的に立て替えたお金は、自分の子であっても必ず請求しましょう。
小さな出費でも、親が支払うべきものは返済が必須です。
また、孫、子どもたちと一緒に外食をしたときは、必ずしも全額支払う必要はありません。
あくまでも孫の分は親が支払うのが基本。孫と一緒に食事へ行っても、親が一緒なら、割り勘するスタンスでいることも大切です。
可愛い孫のためであっても、お金を使いすぎて『孫破産』に陥っては元も子もありません。
将来をしっかりと見据えて、孫費の使い方を考えていきましょう。
しっかりと育ててもらった記憶がある子どもだから、きちんと向き合って話し合えば理解してくれるはず。将来、病気や介護が必要になった場合でも、できるかぎり迷惑をかけたくないという理由も、子どもや孫への愛情だと思います。
もちろん、子どもたちだって、親に恩返しをしたいと思っているのですから。