黒きくらげ、黒ごまなど黒食材で「アンチエイジング」薬膳
いよいよ、新しい年がスタート。薬膳の力で若さを保ち、パワフルに1年を過ごしましょう。
中国では昔から女性は「7のサイクル」、男性は「8のサイクル」で身体が変化するとしています。これは中医学の最古の医学書である『黄帝内経』にも以下のように記されています。
出典:photoAC
女性の場合、「生理がはじまるのが7の倍数の14歳。21歳で女性としての身体ができあがり、28歳が女性として身体が最も充実した時期。5倍の35歳になるとシワができはじめ、42歳でさらに衰えがすすみ、顔に栄養がいきわたらず老化が進み、49歳で閉経、生殖能力がなくなり、その後7年ごとに老化する」とあります。
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男性は「生殖能力を備えるのが8の倍数の16歳、24歳で男性としての身体ができあがり、32歳が男性として身体が最も充実した時期。40歳で髪の毛が薄くなり、骨が弱り始めて48歳になるとさらに衰え、56歳で生殖力が欠乏し、さらに8年ごとに老化が進む」。
ようは7年ごと、8年ごとに「ガクンと老ける」! この「老化の波」に負けないためには、なによりも食事が大切です。
冬は1年で最も老け込みやすい季節!? 腎の働きを高めて、冬老け防止を
老化は中医学において「腎」とよばれる臓器と深い関わりがあります。腎は人の成長や発育、生殖、老化をつかさどり全身のエネルギーをためておく臓器。ここが弱ると肌が乾燥して白髪が増え、耳が遠くなり、足腰が曲がって弱くなる、歯がもろくなる、記憶力が低下する……といった老化現状が加速します。
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若々しさを保つならば、とにかく腎の働きを高める食材を取り入れることが大切です。
じつは、腎は冷えに弱く、冬はその働きが低下しがちです。つまり、「冬は1年で最も老けこみやすい季節」! この時期は、とくに腎の機能を高める食材をたっぷり取り入れて「冬老け」対策に努めましょう。
腎をパワーアップする「黒食材」で若々しさを保つ
腎のパワーアップにおすすめなのが、「黒食材」。薬膳の考え方のひとつである「五行説」では、身体の機能と色を関係づけています。腎をつかさどる色は黒。黒豆、黒ごま、黒きくらげ、海藻類、黒酢、黒砂糖などの黒食材は生命力や気力を養い、若々しさを保つパワーがあるのです。
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黒豆は腎をパワーアップし、中国では昔から生薬としても使われているほどアンチエイジングの強い味方。血行を促進する作用も高く、シミ改善や更年期のトラブルにも役立ちます。黒ごまも腎に働きかけ、老化によるパワー不足を補う食材。足腰のだるさや目のかすみ、肌の乾燥、薄毛など老化トラブル全般に威力を発揮します。
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黒きくらげもぜひ、取り入れていただきたい食材。なんとなく中華料理に入っている食材……というイメージがあるかもしれませんが、美と健康に優れた効果を発揮するとして薬膳ではとてもよく使われるのです。アンチエイジングパワーに加えて、血を補い、浄化してさらに巡らせるという効能も備えています。中華料理以外でも積極的に使ってみましょう。
昆布、わかめ、ひじきなどの海藻類は中国ではご長寿食材とされ、抜け毛や白髪にも効果的です。
黒食材以外にも腎のパワーアップには、エビ、うなぎ、カキ、ナガイモ、ニラ、くるみ、クリ、ぶとうが役立ちます。
「アンチエイジング」におすすめの薬膳レシピ
出典:筆者にて撮影(若返りブラック担々鍋)
★若返りブラック担々鍋
黒ごま、黒きくらげ、ナガイモ、ニラ、エビと腎のパワーアップによい食材をどっさり使った鍋。担々麺風のコクのあるピリ辛スープでポカポカに温まります。〆は中華めんがおすすめ。
【材料】 2人分
豚小間切れ肉 200g
にんじん 1本
長いも 10㎝
黒きくらげ(乾燥) 6g
まいたけ 1パック
ねぎ 1本
にんにく、しょうが(各みじん切り)
ニラ1わ
豆板醤 小さじ2 こしょう少々
A(干しえび大さじ1、八角1個、花椒粉少々、水5カップ、しょうゆ大さじ2、砂糖大さじ1/2、コチュジャン大さじ2、黒練りごま大さじ2)
サラダ油大さじ1、黒すりごま 適量
【作り方】
①ナガイモ、ニンジンは短冊切りにする。黒きくらげは水で戻し食べやすく切る。まいたけはほぐし、ニラは4センチ長さに、ねぎは斜め薄切りにする。
Aの干しえびは水1カップで戻し、戻し汁もとっておく。
②フライパンに油、にんにく、しょうが、ねぎ、豆板醤を入れて炒め、香りが出たら豚肉を加え、こしょうをふる。
③鍋にAを入れて火にかけ(干しえびは戻し汁ごと)、煮立ったら②とナガイモ、ニンジン、黒きくらげ、まいたけを加えて煮る。仕上げにニラを加え、黒すりごまをかける。
次回は、「たるみ」改善におすすめの薬膳情報とレシピをお届けします。
1月11日(火)の配信予定です。