60代。老後のリフォームはリ・バース60がおすすめ? |老後のマネー安心に(15)

出典:編集部にて作成
シニア世代の大きな悩みごとのひとつが「老後のお金」にまつわるあれこれです。
毎日のように、ファイナンシャルプランナー佐々木先生のもとには、老後のお金まわりの相談が寄せられています。その中から、みなさまにもきっと役立つ相談案件をこちらでご紹介します。金融の知識は〝0〟で大丈夫! 気軽に、一緒に勉強して、老後の安心づくりを進めましょう。
もくじ
【今回のご相談】老後の住宅リフォームにリ・バース60が良いと思うが注意点があれば教えてください
■年代:60代 ■性別:男性 ■相談カテゴリ:老後のマネー
───今回ご紹介するのは、老後の住宅リフォームにリ・バース60が良いと思うが、注意点があれば教えて欲しいというご相談です。
「人生100年時代、人間も古くなりますが、家も古くなりますよね。あと何年生きるかわからないので、手元にある程度資金を持っていたいと思います。ですが、今後も家に住み続けるには、リフォームが必要になり費用もかかりますね……」
「家の定期点検で、外壁やベランダ、屋根等の老朽化が進んでいると言われました。屋根などは修理の詐欺に狙われそうな状態になっているかも(笑)。つい先日には、家電を買い替えました。使えなくなってしまったら買うしかありませんから。何もかも同じタイミングでダメになっていくので、とにかくお金がかかります」
「最近よく耳にする、リ・バース60が気になっています。子供たちも独立して、実家に戻るつもりはないようです。それならば、家を売ってしまっても、過ごしやすいようにリフォームして住み続けることができ、返済は亡くなったときでよいというのは、画期的ではないかと思いました。でも良い点ばかりではないと思うので、注意点があれば教えてください」
【お答え】注意点を踏まえ目的に合致していればおすすめですが、家族会議をして計画的に利用しましょう
「定年退職を迎える頃から、家にいる時間は必然的に長くなりますね。老後の暮らしをイメージして、住まいを快適な空間にしたいと思う方は多いと思います。ですが、60歳以上となると、お金を借りるのは難しく、自宅のリフォームなどは我慢しているケースが多いようです。リバースモーゲージ型住宅ローンを活用することで、リフォームを実現し老後の生活環境を整えることができるという点ではおすすめです」
「リ・バース60のメリットは、『年金受給者でも融資可能』『月々の返済は利息だけ』『元金の返済は、担保不動産売却または現金一括で選択可能』『主債務者が亡くなったあとも連帯保証人が住み続けられる』などです」
「デメリットは、『金利が上がると毎月の支払いが増加する(変動金利タイプ)』『担保不動産の価値が下落した場合は売却代金で元金が返済できない可能性がある・その場合は相続人が元金返済の義務を負う』『融資額が低い(担保価値の60%まで)』などです。特に融資額は、銀行によって差があるようです」
「高齢者のリスク軽減のため借入金の上限は低めに設定されています。そのため、リフォーム費用や住宅購入費用が高額になる場合は、自己資金の用意が必要になってしまいます。また、担保不動産の売却代金で元金返済できなかった場合、相続人が元金返済の義務を負います。相続人に元金返済の義務を発生させないノンリコース型を選択できますが、適用金利は高くなります」
「また、リフォーム費用や住宅購入費用の目的でしか利用できず、生活費等の目的では利用できないので注意しましょう。このような特徴がありますから、しっかり事前相談・家族会議をして計画的に利用しましょう。目的に合致していれば、無理なく住環境を改善できるかと思います。快適な老後生活を送れるといいですね」